プレイレポート
「ブラスターマスター ゼロ 3」プレイレポートをお届け。よりテクニカルに進化した高難度2Dアクションに挑戦しよう
本作は,戦車のような「超惑星間万能戦闘車両(メタル・アタッカー)」と,主人公のジェイソン自身という,性質が異なるキャラクターを使い分けて激しく戦うアクションゲームだ。高めの難度と探索の面白さで,遊び甲斐がある本作のプレイレポートをお届けしていこう。
今作はシリーズ完結編というだけあり,前2作品を踏まえたうえでの物語が展開する。
例えば,ジェイソンを敵視する“イヤな奴”ライプニッツは2作目に登場したキャラクターだ。いわゆる狂気のライバル的な存在だが,今回はジェイソンと同じ機体に乗り込み,冷笑しながら戦いを傍観している。敵だったキャラクターが主人公のところにやってきたというわけで,前2作品をプレイしている人なら,旧知と再会した懐かしさと嬉しさに加え,彼らの関係がどうなっていくか物語に引き込まれてしまうだろう。
また,公式サイトでも告知されているとおり,「超惑星戦記 メタファイト」の主人公・ケインも登場し,ジェイソンと一騎打ちすることとなる。新旧主人公による33年越しとなる夢の対決だが,ケインの側にも何らかの思惑があるようで,こちらも物語の先が楽しみになる。
本作から始めることも可能だが,ストーリーを楽しむのであれば前2作品を,できれば「超惑星戦記 メタファイト」もプレイしておいた方が味わい深いだろう。
オープニングでは,前2作のあらすじと本作のプロローグが語られるので,逸る気持ちを抑えつつしっかりとチェックしておこう。
●「ブラスターマスター ゼロ」
主人公の天才少年・ジェイソンは,地下世界で偶然に超惑星間万能戦闘車両(メタル・アタッカー)の「ソフィア-III」を発見。記憶喪失の少女「イヴ」と謎の生物「フレッド」の力も借り,謎の敵・ミュータントを倒して世界を救った。
●「ブラスターマスター ゼロ 2」
先の戦いでミュータント細胞に侵食されたイヴを救うため,ジェイソンは新たなメタル・アタッカー「G-ソフィア」で,イヴの故郷である惑星ソフィアへと旅立つ。その旅路でジェイソンは様々なメタル・アタッカーのパイロットたちと出会い,強大なミュータントを倒すことに成功した。
●「ブラスターマスター ゼロ 3」プロローグ
ジェイソンは惑星ソフィアに到着するが,ソフィア軍に捕らえられ,イヴと離ればなれになってしまう。警備の隙を突いて脱出したジェイソンは,イヴを助け出すためにメタル・アタッカー「G-ソフィアSV」で新たな戦いを始める。
本作は,ゲームの根幹部分も「超惑星戦記 メタファイト」を受け継いでおり,ジャンプで難関を突破するサイドビューマップ(野外)と,ダンジョンを探索するトップビューマップ(屋内)という,異なるシステムが混在している。サイドビューマップではG-ソフィアSV,トップビューマップではジェイソン自身を主に操作することになり,メカ戦と生身の戦いの両方を楽しめるのが特徴だ。
サイドビューマップはあちこちに特殊なギミックが施されており,デフォルト状態のG-ソフィアSVでは先に進むことができなくなる。そうした場所の周辺には大抵ダンジョンがあり,最深部でボスを倒せばG-ソフィアSV用の新たな武器や特殊能力が手に入る。そして,特殊能力を使ってギミックを突破し,その先のサイドビューマップを探索していく……というのがゲームの流れだ。
サイドビューマップにはダンジョンの入口がある |
ダンジョンに入るとトップビューマップに |
G-ソフィアSVは,正面・斜め上・真上に撃てる「メインウェポン(主砲)」と,さまざまな「サブウェポン(特殊武器)」「マニューバ(特殊機動)」を駆使し,険しいマップを突き進む。
「リコイルジャンプ(三角跳び)」で壁から壁へと飛び移り,ジャンプからの「ホバー(滞空)」で飛距離を稼いで広いギャップを渡るなど,マニューバを駆使してのアスレチックアクションはうまくつながると気持ちいい。
もちろん地形はマニューバを前提に作られているので,地形とG-ソフィアSVの能力を見比べて踏破ルートを探り,ギリギリのタイミングでミスなく操作する必要がある。いわば“2Dアクション力”とでもいうべき資質が求められるのだ。こうしたジャンルが好きな人にはたまらないものがあるだろう。
サイドビューマップの敵は曲者揃いだ。「高速で画面内をグルグル飛び回り,横軸が合うとすごい勢いで突進してくる」「雑魚敵をどんどん生み出す」「弾は撃たないが壁や天井を歩いて体当たりしてくる」など,なかなかに厄介である。耐久力が尽きると最後に通過したリトライポイントからやり直しになるため,敵に合わせたメインウェポンやサブウェポンをしっかりと装備して突破したいところだ。
なお,戦闘は「メインSP」「サブSP」という2つのリソースを管理して戦うことになる。このメインSPとサブSPは本作の新要素で,メインSPはメインウェポンに,サブSPはサブウェポンやマニューバに使用する。
前作まではSPという1つのリソースで各種のウェポンやマニューバのすべてを賄っていたが,分割されたことでプレイがスムーズになった印象だ。メインSPが切れてもサブSPが残っていれば問題なくマニューバを使えるので先に進めるし,サブSPが切れてもメインSPが健在ならメインウェポンで徹底抗戦しつつ急場を凌ぐことができる。状況に応じた立ち回りが可能になったわけだ。
しかし,メインSPとサブSPの両方を使い切ると「オールシステムダウン」となり,一撃で大ダメージを受けてしまうため,それを回避するため前作にも存在した,高所から落下すると各SPが回復する特殊能力「ガイアシステム」の出番だ(※SPは敵からダメージを受けた際にも回復する)。敵の攻撃を避けつつ,2つのSPを管理し,チャンスを見つけては車体を落下させる。そんな指先と頭の両方を使うバトルは,緊張感があって楽しい。
サイドビューマップでも,狭い通路はG-ソフィアSVを降りてジェイソン自身で探索しなければならない |
メカの残骸の向こうには,大量のミュータントが。不用意に巣に近づくと天井や壁にビッチリ張り付いているミュータントも一斉に砲撃してくる |
トップビューマップでは,これまでのようにガンエネルギーを集める必要はなく,5つの武器を常時選択可能になった。ダメージを受けて特定の武器が使えなくなるということもない。タメ撃ちができる「RG-ブラスター」,拡散弾「ハイディフュージョン」,近接武器「ラッシュウィップ」,周囲の敵をロックオンして稲妻を放つ「ロックオンストライカー」,地形も貫通する「クロスウェーブ」といった武器を状況に応じて使い分けて戦おう。これらの武器は,ガンレベルを上げることで性能が強化されていく。
ダンジョンには特定の武器にだけ反応するスイッチが置かれていることがあり,武器の性質とダンジョンの構造を理解し,うまくスイッチを入れていかなければならない。例えば,クロスウェーブのスイッチが壁の向こうに置かれていれば貫通性能を活かして狙撃し,ロックオンストライカーのスイッチが複数配置されていたら,ロックオン範囲を調べて,すべてのスイッチを同時に撃てるような位置取りをするという感じだ。5つの武器を常時使えるからこそのパズル要素というわけで,探索のいいアクセントになっている。
もちろん,トップビューマップでも敵は襲いかかってくるので,5つの武器と「マルチカウンター」を駆使して戦おう。マルチカウンターは,特定の瞬間にタイミング良くボタンを押すと,特殊なカウンター攻撃を放てるというもの。敵が攻撃をした瞬間にカウンターすれば互いの位置関係に関係なく自動照準のショットを撃ち込む「リフレックスストライカー」が,そしてジェイソンがダメージを受けた瞬間なら近接攻撃をかけつつジェイソンのHPが回復する「ラッシングアタッカー」が発動する。
これらを意識して戦うと,プレイ中に考えることの“密度”がぐっと上がる印象で,単に「弾を撃たれたから避ける」「ダメージを受けて悔しい」だけで終わらないのが面白い。
サイドビューマップやトップビューマップのボスを倒してゲームを進めると,新たな能力が手に入る。空中浮遊する「ホバー」,車輪をクモのような多脚に変形させて慣性なく移動できる「マルチレッグ」,周囲の敵を自動照準する「ホーミングレーザー」など,その性質はさまざまだ。能力が増えるたびに行ける場所が増えるので,探索への意欲も湧いてくる。勝てないボスや強敵と出会った時は,今までに手に入れた武器をいろいろ試してみよう。意外なものが弱点として効き,簡単に倒せるようになるかもしれない。
こうした行動範囲を広げるシステムの中で印象的なのが,新要素「VRVシステム」だろう。マップがノイズのような空間の歪みに遮られていたり,行き止まりになっている場合,近くに「次元のひずみ」があれば,VRVシステムでここから超次元空間に入れるようになるのだ。
超次元空間は非常に危険な場所で,サイドビューマップには触れると即死する障害物の「次元断層」が登場し,トップビューマップだとダンジョンの構造がランダム化する場合があるうえ,長く超次元空間に留まりすぎても死んでしまう。
前者ではセーブポイントから,後者ではダンジョンの最初からやり直しになるため,かなりの緊張感だ。
サイドビューマップを左に進みたいが,ノイズのような空間の歪みが邪魔して先に進めない。画面右下にある穴のような次元のひずみから超次元空間に入ろう |
超次元空間は,外と良く似た地形だが,空間の歪みがなくなっていて左へ進める。しかし,床は触れると即死する次元断層になってしまった |
以上のように,本作は前2作の面白さを踏襲したうえで,サイドビューマップではメインSPとサブSPの管理,トップビューマップでは5種の武器の使い分けなど,よりテクニカルかつディープに進化したという印象だ。
一方,各種の能力や武器についての説明がもう少し多くても良いし,超次元空間の難度についても好みが分かれるところかもしれないと感じられた。中でも「G-ソフィアSVやジェイソンが近づかないと姿を現さない足場」は少しクセがある。
「サイドビューマップで,即死する床の上に広がった空間に,G-ソフィアSVが上に乗るまで姿が見えない足場が並んでおり,即死を覚悟しつつ何もないように見える空間にジャンプして足場があることを祈りつつ進む」とか「トップビューマップにおいて,大きな穴の上にジェイソンが近づくまで姿を現さない大小さまざまな足場が並んでおり,踏み外すと落下してダメージを受ける」というギミックは,ストレスを覚える人もいるのでは。もちろん“それがいいんだ”という人もいると思うのだけれど。
サイドビューマップの超次元空間。エネルギーのような床や天井は触れると即死。どう見ても先へ進めそうにないが,実は見えない足場がある |
足場の配置はG-ソフィアSVが上に乗るまで分からないため,即死を覚悟で踏み出すしかない |
なお,前2作と本作,そしてすべてのDLCをセットにし,ストーリー部分にボイスが付くパッケージ版「ブラスターマスター ゼロ トリロジー メタファイトクロニクル」(PS4 / Nintendo Switch)も発売されている。未プレイの人はこの機会にトリロジー版を購入し,いちからシリーズに入門するのもいいだろう。
「ブラスターマスター ゼロ 3」公式サイト
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