プレイレポート
Oculus Quest 2版「バイオハザード4」プレイレポ。瞬時に武器を取り出しダッシュ撃ち! VR化により新たなプレイスタイルで遊べるように
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ドアを開けるのも銃をリロードするのも全て自分。VRならではの臨場感
VRのゲームといえば,やはりアクションを自分自身の手で行うのが大きな特徴だ。本作も,オリジナル版ではボタン操作で行っていたアクションの多くが,VR向けに変更されている。
例えばドアの開け方だ。オリジナル版では,ボタンを1回押すとドアを開け,2回連打するとドアを蹴って勢いよく開けるといった動作だった。本作では,ドアのノブ付近にコントローラを近づけ,グリップボタンを押すことで,ドアをつかんで開けられるようになっている。
ここで注目したいのが,オリジナル版ではドアを開けきるまでが1つのモーションだったが,本作では少し開けてしまえば,そのまま走ってドアを押し開けて通ることができる。ドアはゲーム中ずっと登場するので,ここがスムーズに行えるのは大変うれしい。
このほか,武器の操作も自分で行わなければならない。武器を構えて狙うことはもちろん,リロードも同様だ。銃によってリロード方法は異なるが,基本的には「左腰にある弾薬を掴む」「弾薬を装填」「コッキング」という3ステップだ。弾薬を掴むと自動でマガジンリリースされたり,ショットガンの装弾が1回でよかったりと,細かい動作はやや簡略化されているが,多数の敵と同時に戦う場面が多い本作では,リアルさと遊びやすさのバランスとしては丁度いいと感じた。
なお,オリジナル版には武器の強化システムが登場するが,リロードを行う本作には装填速度の強化が存在しない。本作の最速とオリジナル版の最速のどちらが速いのかは不明だが,本作は移動しながらでもリロードできるという大きな利点がある。
スライド移動にダッシュ撃ち。VR化により進化したアクションの数々
本作ではVR化に伴い,基本設定がかなり細かく用意されている。その中からゲームプレイに関わる部分を解説しよう。
まずは移動方法だ。オリジナル版はいわゆるラジコン操作と呼ばれるタイプで,バイオハザードシリーズではおなじみだが,急な方向転換や,素早い移動が難しい。本作では,シンプルにスティックを倒した方向に進むFPSタイプと,地面に当てたカーソルの位置へ瞬間移動するテレポートタイプの2種類を選択できる。
テレポート移動はどちらかというとVR酔いしやすい人向けの設定なので,特にこだわりがなければFPSタイプをおすすめしたい。というのも,FPSタイプは移動方向を問わず速度が落ちないようで,横や後方への移動がかなり早くなり,探索や戦闘がかなり快適になった。また,オリジナル版では銃を撃つ際,いちいち立ち止まって狙う必要があったのだが,FPSタイプではなんと走りながら銃を撃つことができる。敵に駆け寄りつつ頭を撃ち,そのまま蹴りを決めるのはなかなかの快感だ。
続いては武器の選択方法だ。オリジナル版は毎回メニューを開いて装備を変更していたが,本作では,片手武器,両手武器,投擲武器,回復アイテムをあらかじめ登録しておき,それらを取り出すという形になっている。
デフォルトでは,体の特定の部分にコントローラを持ってきて,グリップボタンを押すと(コントローラを握るような操作),キャラクターの手に対応した武器が握られるという“イマーシブ”モードになっている。
このモードでは装備の変更がとにかくスピーディで,前述の「駆け寄りつつ頭を撃ち,そのまま蹴る」といった動作からすぐに,「ナイフで倒れた敵を斬りつける」という,バイオ4ならではの流れが非常にやりやすい。
難点というか,少々慣れが必要なのが「武器はグリップボタンを押し続けないと持ち続けられない」という点だ。ボタンを離すと,武器はそれぞれの収納場所へと戻ってしまう。しかし,逆にこの仕様のおかげで素早い装備変更が可能となっているので,慣れてしまえばとても快適にプレイできるはずだ。
もう1つは,左コントローラのトリガーを長押しするとクイックメニューが出現し,その状態でスティックを倒して装備を選択する“クイック”モードだ。武器は常に持った状態になっており,グリップボタンを押し続ける必要がないので,人によってはこちらのほうがやりやすいかもしれない。
武器選択のモードはやりやすいほうを選ぶと良いだろう。筆者のおすすめとしては,イマーシブモードでVRならではの武器装備と,VRで進化したバイオ4のスピーディな戦闘を楽しんでみてほしい。
ちなみに,本作ではギミックの操作や扉の開閉なども自身の手で行うのだが,クイックモードは片手が常に装備で埋まっているので,両手を使えるのはイマーシブモードのみだ。
他にも細かい設定がいくつかあるが,酔いやすさの軽減やプレイスタイルに合わせた変更がメインなので,ゲームプレイにそれほど差は出ない。お好みの設定でプレイしよう。
VRの視点で改めて知る「バイオハザード4」の世界
オリジナル版「バイオハザード4」は,シリーズ初のビハインドカメラを採用していたり,銃を構えてさまざまな方向を向くことができたりと,定点カメラだった過去作に比べれば,マップの細かい部分を見やすい作品だった。
しかし,本作はさらに細かく観察が可能なVRの視点で楽しめるだけでなく,テクスチャのリペイントや高解像度化が行われているという。これはオリジナル版をプレイしたことがある人には,ちょっとした感動だと思われる。実際,筆者は新しいマップに行くたび,感嘆の声を漏らしながらプレイしていた。
これまでお伝えしたように,本作はオリジナル版に比べ,細かい部分での動作がかなりスピーディに動けるよう変化している。このおかげで,ゲームスピードがアップして,快適にプレイできるようになり,オリジナル版では味わえない爽快感が得られること請け合いだ。
しかしこの変化によって生まれた大きなポイントは,“プレイヤー自身の速度”でプレイできるということだ。これはVRでのゲームプレイにおいて大きな相乗効果を生んでおり,よりゲームの世界に深く入り込むことができる。
正直なところ,本作をプレイする前は「VR化とはいえ,15年以上も前の作品。あまり期待せず,懐かしむ気分で楽しもう」と思っていた。しかし,実際にプレイしてみると,その考えは良い意味で大きく裏切られた。
本作は「バイオハザード4」をただVRで遊べるようにしたというだけでなく,VR化にあたり“どこまでできるようにするか”をしっかり考えられた作品だと感じた。Oculus Quest 2を持っている人にはぜひおすすめしたい一本だ。なかでも「バイオハザード4」をプレイしたことがある人には,筆者が受けた感動を味わってみてほしい。
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