プレイレポート
[プレイレポート]新アクションでゲーム性がアップした「GUNGRAVE G.O.R.E」。二丁拳銃と棺桶を武器に破壊の嵐を巻き起こせ!
厨二心をくすぐる,荒々しくもスタイリッシュなアクションが復活
さて,プレイレポートをお届けする前に,「GUNGRAVE G.O.R.E」に関連したシリーズについて紹介しておこう。
そもそも「GUNGRAVE G.O.R.E」は,2002年からゲームやアニメで展開された「ガングレイヴ」シリーズの最新作となる。“二丁拳銃と棺桶を武器にしたコートの男”という,厨二心をくすぐる主人公を操作し,凄まじい銃撃戦を楽しめるゲームだ。
シリーズで描かれるのは,人を怪物化させる麻薬「シード」が蔓延する近未来で,マフィア「ミレニオン」の殺し屋ブランドンは,親友のハリーからミレニオンを乗っ取ろうという誘いを受けるも,恩義あるボスのビッグダディを裏切れず,これを拒否する。ブランドンはハリーに射殺されるが,死人兵士「ビヨンド・ザ・グレイヴ」として蘇った。ビヨンドは,かつて愛した女性とビッグダディの娘ミカを守るべく,ハリーが乗っ取ったミレニオンと壮絶な死闘を演じる(ガングレイヴ)。
その後もグレイヴとミカはシードを使って勢力を広げる「コルシオネファミリー」と戦い(ガングレイヴO.D.),シードの生産拠点を破壊する(ガングレイヴVR,ガングレイヴVR U.N)など,戦いを続けていた。
そしてミカは対シード組織「エル・アルカンヘル」のリーダーとなり,グレイヴや新たな仲間とともに,シードを流通させる世界最大の麻薬組織「レイブンクラン」に立ち向かうのが本作「GUNGRAVE G.O.R.E」だ。
こうした物語についてはゲーム内でも確認できるので,本作からシリーズに入門するのもアリだろう。
「トライガン」「血界戦線」で知られる漫画家の内藤泰弘氏が原案およびキャラクターデザインを務めた「ガングレイヴ」シリーズは,あらゆるものを破壊する爽快なアクションと哀愁溢れる物語でファンを獲得している。
2003年のアニメ版も高く評価され,2010年には実写化も報じられたものの,そこからの展開は途絶えてしまっていた。2017年〜2018年には内藤氏を加えたメンバーで韓国IGGYMOBからVRゲーム「ガングレイヴVR」「ガングレイヴVR U.N」がリリースされ,今回の「GUNGRAVE G.O.R.E」に至る。本作は,非・VRゲームとしては18年ぶりの続編というわけだ。
なお,本稿のスクリーンショットはPlayStation 5版の「画質優先」モードで撮影したものを使用している。
「R.I.P.」など追加された攻撃手段でゲーム性やスピード感がアップ
ゲームの基本部分は過去シリーズと同様に,グレイヴを操作して二丁拳銃「ケルベロス」と武装棺桶「デス・ホーラー」を使い,敵兵の身体から周囲のオブジェクトまで,とにかく徹底的に破壊しまくるというものだ。
TPSと聞くとエイムが心配になるかもしれないが,近い敵に照準を合わせるオートエイムが存在しているのでその心配もない。加えて,ケルベロスにはリロードという概念がなく,周囲には大量の敵兵や看板,車など破壊できるものには事欠かないので,「なんとなく敵の方向へ身体を向けてトリガーを引く」くらいのアバウトな感じで遊べば,敵兵は吹き飛び,いろいろなものが大爆発する。ヒット数を示す「ビートカウント」が3桁に達するくらいは当たり前だ。
このあたりは,「疲れ果てて家に帰った人が,10分間だけプレイして,すぐにストレスを解消できて寝られるゲーム」というコンセプトを忠実に受け継いでいると言えるだろう。PS5版では各種攻撃や爆発でDualSenseが震動し,アダプティブトリガーにも対応しているため,臨場感が増しているのも嬉しいところだ。
グレイヴの攻撃方法は多彩かつスタイリッシュで,ケルベロスを高速連射する「バーストモード」やタメ撃ち「デススピア」,そしてビートカウントが50以上の時に使える全方向乱射「ストームバラージ」などで敵をスタンさせれば,銃撃や蹴りをぶち込んで敵の身体をバラバラにする処刑アクション「R.I.P.」が使用可能に。
この手のフィーチャーは普通のゲームならボス戦のクライマックスに一発というくらいのペースだが,本作では頻繁にR.I.P.のチャンスがある。状況次第ではスタンした敵が3体も4体も並ぶことがあり,次々に決めれば気分も爽快だ。やっていることはヒドイのだが,通常プレイの一環としてさらりと流されることもあり,そこまで残酷には感じられない。
スタンさせた敵には,処刑アクション「R.I.P.」が発動可能 |
実績取得時に自動保存されていたスクリーンショット。[R1]の表示が出ているのはスタンしていてR.I.P.を決められる敵だ。その場にいる5体中4体がスタンしている |
本作のメインは銃撃戦だが,敵に囲まれたらデス・ホーラーによる打撃の出番となる。デス・ホーラーを変形させた丸ノコ,ドロップキック,タックルといった荒々しい技で敵を始末してやろう。また,敵にミサイルやグレネードを撃たれたら,デス・ホーラーの回転攻撃「デストルネード」で跳ね返すこともできる。まさに棺桶様様だ。
こうして戦っていると「デモリッションポイント」が溜まっていき,シリーズでお馴染みの「デモリッションショット」が発動できる。やっぱり今回も破天荒な技が揃っており,ミサイルを蹴り飛ばすくらいは序の口で,デス・ホーラーが機銃やロケットランチャーになったり,時間の流れを遅くしたりと,いずれも派手な技ばかりだ。こちらもR.I.P.同様に“普段使い”できるくらいにはデモリッションポイントが溜まるため,どんどん使って大暴れしてやろう。
これらの技を決めると「アートスコア」が加算されていき,高いほどクリア時の評価もアップ。報酬としてより多くの「DNA」が手に入り,グレイヴの能力アップや新技習得に使える。スタイリッシュに戦うほどお得というわけで,カッコ良さと実益を兼ねたフィーチャーと言える。
そして,シリーズを象徴するグレイヴのタフさは今回も健在だ。TPSでお馴染みのカバーアクションのようなものはなく,回避中に銃を撃つ「ドッジショット」では火力が稼げないため,結果として敵弾を食らいながら攻撃することが基本となる。
しかし,グレイヴは非常にタフだ。攻撃されても「シールド」が減っていき,これがなくなって初めて「HP」が減少する。しばらくダメージを受けないでいるとシールドは回復するので,そうそう倒れることもない。また,前述したデモリッションショットは発動するとHPを回復する効果もあるので,いざとなれば回復薬代わりにも使える。
ハチの巣にされつつやり返すグレイヴの姿は,まさに異名通りの「死神」だ。大抵のゲームなら敵キャラで出てきそうな存在を自分で操るところが,本作の面白さの1つと言えるだろう。
また,今回は新アクションで回復の機会が増えているのも見逃せない。デス・ホーラーから発射する鎖「デスフック」で敵を捕らえて盾にする「グラブ」がそれで,“盾”でうまく攻撃を防げばシールド回復の時間を稼ぐことが可能だ。
グラブ中はケルベロスを一丁しか撃てないので火力は下がるものの,敵をグラブで捕まえ,“盾”が壊れたら新しいものを調達し……と繰り返せば,銃撃に身をさらしつつ回復時間を稼いで粘り強く戦える。
敵の中にはグラブできない者もいるが,その際はグレイヴから敵の方へ突っ込んで行く「チェイス」が発動する。この時,敵がスタンしていれば,デスフックやチェイスからそのままR.I.P.につながる。R.I.P.を決めればシールドを回復できるので,アグレッシブなプレイで危機を脱することも可能だ。中距離から一気に間合いを詰めたりトドメを刺せたりするので,これまでよりもゲーム展開が速くなった印象がある。
ゲームを進めると,生前からブランドン(グレイヴ)を「兄貴」と慕い,今は死人兵士となった九頭文治がプレイアブルキャラクターとして登場する。基本システムはグレイヴと同様だが,バーストモード中に回避できるひと味違ったプレイが可能なので,ファンはお楽しみに。
以上の要素の組み合わせで,本作のゲーム展開はかなり派手になる。シールド関連のシステムを見ると,逃げては撃ちの繰り返しが有効に思えるが,敵は前後左右から襲いかかってくるため,常にこの手が使えるわけではない。敵の種類と位置関係を把握するのが重要だ。
ある程度の余裕があるなら,銃弾を食らいながらガンガン前へ突っ込んで,バーストモードを始めとした銃撃で,やられる前に倒す。盾持ちの敵が混じっているなら,デススピアやデス・ホーラーの打撃コンボで盾を破壊する。シールドが減ってきたらグラブを検討し,グラブができない敵ばかりならドッジショットで敵の少ない方へ退避する。ミサイルやグレネードを持つ敵がいたら,銃撃の合間にデス・ホーラーでしっかりと打ち返しを決める。囲まれたらデストルネードで押し返し,HPが減っているか厄介な敵が多いならデモリッションショット……と,状況に合わせて適切な手を打たなければならない。
ステージの最後にはボスが待ち構えていることもある。巨大な戦闘マシーンや,ケルベロスの銃弾を受けながら拳法で戦う者,幻影と剣術でグレイヴを翻弄する者など,いずれも強敵ばかり。コンティニューに制限はないため,いろいろな戦法を試しつつ,動きを見切っていこう。
グレイヴがとにかく強いためか,地形や敵の配置の中には厳しめなものもある。中でも目立つのが落下死と発煙弾だ。例えば,とあるステージでは,落ちると即死する列車の天井での戦いとなる。列車の幅は狭いうえ,グレイヴの頭上を取るドローン部隊がやってくるため,上を見ていると足元がおろそかになって落下する。ノックバックが大きいミサイル持ちの敵が多いのに加え,発煙弾のガスが広がって足元を確認しづらくなる&継続ダメージの焦りで,即死事故を誘発する作りになっている。
また,とあるステージでは下のフロアに「飛び降りろ」と指示される。そのまま降りればいいように見えるが,実はグレイヴがいるフロアと下のフロアの間には隙間が空いている。この隙間はビルの高低差とカメラアングルで見づらく,何も考えずに降りると即死する。死にゲーのような地形と言えるだろう。
そして,とあるシーンでは小さな動くコンテナの上での戦いとなる。遠くの敵をスタンさせたので,デスフックで引っ張ってグラブしようと思ったら,実はそいつがグラブできない種類で,チェイシングで突っ込んでしまい,コンテナから落ちて即死となることもあった。
本作の敵は人型のものが多く,銃撃戦メインで交戦距離が遠いことも相まって,グラブできるか否かが咄嗟に見分けづらいこともあるのがその原因だ。グレイヴはもとから強い上にR.I.P.やグラブといった防御と回復の手段も増えたため,ここまでやらないと倒せないということではあるのだろうが,ここはプレイヤーの好みが分かれるところかもしれない。
また,回数制限のないコンティニューと難度変更はあるものの,難度を変えるとステージを最初からやり直しとなる。「NORMAL」以降だと敵の耐久力はそこそこあるため,ケルベロスを連射するにはとにかくトリガーを引きまくらなければならず,さすがに指が疲れることもあった。
というわけで,「GUNGRAVE G.O.R.E」をプレイしてきたが,本作は「ガングレイヴO.D.」をベースとし,より多彩かつ用途が明確な攻撃手段でゲーム性もアップしたという印象だ。
前述のように難度の付け方については好みが分かれそうだが,スピード感をアップさせるチェイシング,よりアグレッシブに戦えるグラブ,R.I.P.といった追加要素はシリーズの体験をアップデートするもので,続編や次の展開にも期待したくなってしまう。
カッコイイポーズを決めて評価を上げる「見栄ポーズ」こそなくなったものの,多彩な攻撃手段はいずれもスタイリッシュで,男の子の心をくすぐること間違いなしだ。
グラフィックスも美しく,怪しげなネオンの輝くサイバー香港で,二丁拳銃と棺桶を武器に銃撃戦を繰り広げる様に「こういうのが見たかったんだよ!」と快哉をあげる人も多いのではないだろうか。二丁拳銃,棺桶,死人,スタイリッシュ,銃撃戦,爆発といったキーワードにビビっとくる人なら本作の長所を存分に楽しめるはずだ。
「GUNGRAVE G.O.R.E」公式サイト
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