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印刷2022/09/30 19:20

イベント

ガンダムコンテンツの未来が語られた「ガンダムカンファレンス Autumn 2022」レポート。“ガンプラスキャン”体験イベントの模様もお届け

 バンダイナムコグループは,2022年9月29日に東京都・新宿住友ビルの三角広場にて「ガンダムカンファレンス Autumn 2022」を開催した。チーフガンダムオフィサーの藤原孝史氏が登壇し,リアルイベントの予定やガンダムメタバースのコンテンツ,映像作品の展開などが明らかになった。

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チーフガンダムオフィサーの藤原孝史氏
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今後のさまざまなビジョンが語られた「ガンダムカンファレンス」


 「GUNDAM NEXT FUTURE」は,ガンダムシリーズのTVアニメーション最新作「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の放送を記念し,次なるガンダムの未来を目指してさまざまな形態で行われる総合イベントだ。これまでにも実物大ガンダム立像がリンクする「LINK THE UNIVERSE」,日本各地でのイベント「BASE SERIES」,公式総合施設「THE GUNDAM BASE」の魅力を凝縮したポップアップイベントなどを展開している。

 今回のカンファレンスでは,「GUNDAM NEXT FUTURE」が,シリーズ45周年に向けたプロジェクト「GUNDAM NEXT FUTURE -ROAD TO 2025-」に移行することが発表された。この「GUNDAM NEXT FUTURE -ROAD TO 2025-」は,「リアルイベント」「ガンダムメタバースプロジェクト」「映像展開」という3つの柱を軸に展開していくという。

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●リアルイベント

 2022年11月2日〜2023年1月29日に東京国立博物館で開催される「150年後の国宝展 ―ワタシの宝物,ミライの宝物」にガンダムがテーマとなる出展が行われ,横浜の動くガンダム立像「RX-78F00」の1/10試作モデルが展示される。「今後もファンと歩み続けることで150年後にはさらなる進化を遂げ,国宝と言われてもおかしくない存在を共に創っていこう」というメッセージを込めた内容になるとのこと。

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 また,動くガンダム立像のある「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」も,2023年3月のグランドフィナーレに向けた企画を計画中だという。そして,2025年の関西万博では「もうひとつの宇宙世紀」を舞台に,未来社会の課題解決に向けた壮大な実証実験を行う「ガンダムパビリオン(仮称)」が出展される予定だ。

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●ガンダムメタバースプロジェクト

 これまでの「ガンダムカンファレンス」でも取り上げられてきたガンダムメタバースプロジェクトについては,メタバース空間に打ち上げを予定している「ガンプラコロニー」と「esportsコロニー」,そしてAIキャラクター「メロウ」について語られた。

 ガンプラコロニーは,2022年度内のクローズドβテストに向けて開発が進められている。そこで重要な役割を担うのが,自分のガンプラを読み込ませる「ガンプラスキャン」だ。詳しくは後述するが,これは自分のガンプラが3Dモデルとなってバーチャルジオラマに展示されるというもので,将来的にはファン同士の交流創出を目指していくとしている。「『ガンダムビルドファイターズ』の世界を実現できる日が,すぐそこまで迫ってきている」と藤原氏は語っていた。

「ガンダムメタバース」のイメージカット。アバターでメタバースの空間にアクセスできる
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ガンプラをスキャンする「ROAD TO GUNPLA BATTLE」プロジェクト。「テストイベントVol.2」はスキャンしたガンプラでショート動画を作るというもので,「GUNDAM NEXT FUTURE -TOKYO BASE-」でも体験可能
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 ガンダムメタバースで,ファン同士のコミュニケーションを促進するための取り組み「自動翻訳システム」と,AIキャラクターである「メロウ・ネージュ」の開発が進んでいることも語られた。
 メロウは,将来のガンダムメタバースにおけるAIキャラクターのルーツとなる「試作1号AI」。藤原氏曰く「遊園地のキャストのような役割」で,ユーザーとゲームで遊ぶための「攻略AIユニット」「リアルタイム実況AIユニット」に加え,「司会AIユニット」「対話AIユニット」を持ち,“AI声帯”による発声で人間との会話ができるという。メロウはガンダムメタバース内で話題を提供してファン同士が会話(チャット)するきっかけを作り,その際の雰囲気や会話を学習して成長していく。どのようなキャラクターに育てるかという点も魅力の1つになるという。

AIキャラクター「メロウ・ネージュ」
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 ガンプラコロニーの後は,esportsコロニーの打ち上げが予定されている。先日サービスがスタートしたチームFPS「GUNDAM EVOLUTION」は,その皮切りとして位置づけられるタイトルとのことだ。

「ガンプラコロニー」は2022年度内のクローズドβテストが行われる
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●映像展開

 ガンダムの映像作品については,地上波放送・衛星放送・YouTubeといったプラットフォームで戦略的に展開していくという。

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・「GUNDAM NEXT FUTURE×日5」
 MBS・TBS系の“日5”枠(日曜日17時から)では,10月2日から最新作「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の第1シーズンが放送される。2023年1月〜3月には「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」「機動戦士ガンダム サンダーボルト」「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」をそれぞれ全4話に編集した「TVエディション」を放送し,2023年4月から「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の第2シーズンに移行する予定だ。

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・「GUNDAM NEXT FUTURE×BS11 ガンダムアワー」
 金曜19時〜20時,土曜19時〜20時の「BS11 ガンダムアワー」は,「機動戦士ガンダムOO」「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」といった過去作を放送。2023年1月からは「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の第1シーズンも登場する。また,2023年には「機動戦士ガンダムSEED」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の全話放送も行われる。

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・「GUNDAM NEXT FUTURE×ガンチャン」
 YouTubeの公式チャンネル「GUNDAM Channel」では,2022年10月2日から毎週日曜16時30分より過去作品の特選エピソードをプレミア公開する。また,ガンダムファンが自由に映像を制作・配信できるように,映像素材とガイドラインが用意されるのに加え,ファンが制作した動画と連携する展開が行われるという。具体的な部分はまだ語られなかったものの,ネットミームと化した名台詞や名シーンも多いガンダムシリーズだけに,より大きな広がりを期待できそうだ。

 こうした展開を通じ,レジェンダリー・エンターテインメントとサンライズが制作する実写版につなげていきたい,と藤原氏は語る。バンダイナムコグループは,ガンダムをキャラクターとしての「IP(Intellectual Property。知的財産)」から社会的アイコン「SP(Social Property)」へ成長させていきたいと語り,カンファレンスを締めくくった。なお,次回の「ガンダムカンファレンス」は2023年3月が予定されているとのこと。

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「GUNDAM NEXT FUTURE -TOKYO BASE-」は,会場全体がガンダム尽くし!


 カンファレンスの会場となった東京都・新宿住友ビルの三角広場では,2022年9月29日から10月2日まで「GUNDAM NEXT FUTURE -TOKYO BASE-」が開催されている。
 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」を中心に,さまざまな展示やスペシャルステージが行われるが,プレオープンの9月29日に内覧することができた。
 「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の主人公機「ガンダム・エアリアル」の頭部を,回収したガンプラのランナーで作った全高3mの実物大ヘッド,「機動戦士ガンダム」のラストシューティングを表現したバルーン,歴代主人公機の立像など,新作からこれまでの「BASE SERIES」で見られたものまで,さまざまな展示が来場者を圧倒する。

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全高3mの実物大「ガンダム・エアリアル」ヘッドは,回収されたガンプラのランナー,約5000枚から作られている
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東京藝術大学制作のガンプラ・リサイクルアート「Memento poly PC123+A144」。回収されたガンプラのランナーを用い,ガンプラには欠かせないポリキャップの形状を作った。「GUNDAM NEXT FUTURE -TOKYO BASE-」の新作展示の1つ
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 本イベントの目玉は何といっても,前述した「ガンプラスキャン」を体験できるコーナーだろう。背景を選んでガンプラをスキャンすると短編動画が作られ,YouTubeでこれを閲覧できるのだ。来場者は「HANGAR」「WASTELAND」「MASS DRIVER」「DAYBREAK」のなかから好きなシチュエーションを選び,ガンプラにポーズをつけて台座にセットする。係員がスマートフォンでガンプラを360度スキャンすると,10分ほど後にYouTubeへ動画がアップロードされる。


会場の貸し出しガンプラを台座に乗せ,360度スキャンしてもらう
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 ガンプラが自分がとらせたポーズそのままで,3D空間に登場するというのは不思議な体験だ。「MASS DRIVER」ではガンプラが発進する演出もあり,テンションが上がる。
スキャンの際には50〜60枚の写真が撮影され,これをもとに3Dモデルが作成され,背景に合わせたフィルタを掛けた状態で配置されて動画が作られる。つまり,背景作りやライティングの手間なく,シチュエーションに合った形でのジオラマ動画が作れるのだ。
 自分のガンプラを持ち込んでもいいし,会場では貸し出しもあるので,ぜひ一度体験してみてほしい。なお,持ち込みのレギュレーションについては公式サイト(リンク)を参照のこと。YouTubeにアップロードされた動画には,筆者が会場で借りたガンプラを使った動画もあるので,雰囲気を掴んでみてほしい(リンク)。

「WASTELAND」の戦場に,筆者がつけたとおりのポーズでガンプラが登場。360度ぐるりと回り込むショート動画が作られた。夕暮れがバックではあるが,ユーザー側で特に何もしなくてもそれっぽいライティングになる
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 このほかにも「GUNDAM NEXT FUTURE -TOKYO BASE-」には,さまざまな展示が行われている。以下の写真から会場の雰囲気が伝われば幸いだ。

歴代作のガンプラ展示コーナー
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輝く展示台が回転するスペシャル・ジオラマ
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「HG 1/144 ガンダムエアリアル」の設計データを映像で再現されたガンダム・エアリアル
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こちらはガンダム・エアリアルの立像
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原画やスタンディなど,「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の展示も多数
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2023年3月発売予定の「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」
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「ザウォート」「ティックバラン」「ウェポンディスプレイベース」「ミラソウル社製フライトユニット装備」など,さまざまな機体やアイテムが2023年に発売される
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2023年2月発売の「MG 1/100 ゼータガンダム Ver.Ka」。複雑な変形とモビルスーツ時のプロポーションを両立している
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「Gジェネ」でお馴染みの「トルネードガンダム」も「SDガンダム クロスシルエット トルネードガンダム」として2023年春に登場予定。写真は試作品
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ランナーの一部に卵の殻を配合した「GUNDAM NEXT FUTURE限定 ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム [クラシックカラー]」
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歴代作の名シーンを代わる代わる楽しめる展示も
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「GUNDAM NEXT FUTURE」公式サイト

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