「にゃんこ大戦争」を生んだポノスの最新作「桃太郎失格」はヘルシィ・野菜タワーディフェンス！　オニを満腹昇天させまくったプレイレポをお届け

　「にゃんこ大戦争」（iOS / Android）で知られるポノスの新作アプリ「桃太郎失格」（iOS / Android）が，2022年1月17日より配信中だ。

　本作は，昔話「桃太郎」をモチーフにしたタワーディフェンスゲームで，襲い来るオニに“野菜を食わせて”退治するという一風変わったスタイルになっている。しかも，おもにオニ退治をするのは桃太郎ではなく，彼を育てたおじいさんで……!?
　期待以上に奇天烈な本作を，じっくりプレイした模様をお送りする。

「桃太郎失格」ダウンロードページ

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現代っ子な桃太郎の独り立ちを支える，
じいさんばあさんのアドベンチャー

　本作は，昔話の「桃太郎」を大胆かつイマドキにアレンジした作風となっている。大きな桃から桃太郎が誕生し，オニ退治に行く流れは概ね同じなのだが，本作の桃太郎は現代の若者のように「一人暮らししてバイトしながら鬼ヶ島を目指す」と言い出すのだ。

　いや，その心意気は立派なのだが，仕送りはちゃっかりお願いしているあたり，まだまだ甘えん坊のようだ。

日本の昔話風の暮らしのなかに，スマホなどの機器が存在する不思議な世界

　桃太郎が一人暮らしを始める一方で，おじいさんは畑で作った野菜“ベジ丸”をオニに食べさせることでお腹を満たし，平和を守ろうと奮闘する。このおじいさんの戦い「畑バトル」こそ本作のメインモードなのだ。畑バトルはステージ形式になっており，各エリアのマップから選んでチャレンジする。


　まずは畑バトルの流れを見ていこう。ステージに出陣すると，畑に向かってオニが迫ってくる。オニの侵攻を阻止するため，ベジ丸を出荷してオニに向かわせよう。

　オニと接触するとベジ丸はガブリと食べられてしまうが，代わりにオニの満腹メーターを上昇させることができる。一般的なゲームと違って，捕食される＝攻撃，といった図式なのだ。そうしてベジ丸をどんどん食べさせて満腹メーターが一杯になれば，オニは昇天する。オニを全滅させる，またはボスを倒せばステージクリアとなる。

オニに与えるのはダメージではなくカロリー！

　ベジ丸の出荷方法は簡単。畑で芽生え，出荷可能になったベジ丸を選んでタップするだけで，あとはベジ丸が勝手に戦ってくれる。
　ただし，画面右上に表示された「ダンゴパワー」を消費するので，むやみに出荷できないのだ。ダンゴパワーは一定速度で回復していくが，ベジ丸それぞれの出荷コストを満たすまで待つ必要がある。状況に合わせてどのベジ丸を出荷するかが腕の見せどころとなる。

ベジ丸は編成したメンバーのなかから順番で生えてくる

　ステージによっては，オニが進んでくる畑ラインが複雑になっている場合もある。オニが侵攻し，ベジ丸たちの出陣する前にある柵を一定回数攻撃され，壊されたら敗北してしまうので，ベジ丸を配置するルートやタイミングを見極めよう。出荷前のベジ丸はスライドすることで上下を入れ替えられ，狙った畑ラインに送り出せる。

畑ラインの上下に板が橋渡しされ，あみだくじ状になっているステージも。ハートで示された柵の耐久度がなくなると負けてしまうので，危うくなったらおじいさんの「奥義つむG」ボタンでオニを後退させよう

桃太郎　つぶやきながら　冒険だ

　バトルに勝利すると経験値にあたる「オニソウル」や，素材が手に入る。オニソウルはベジ丸のレベルアップで使うのだが，とにかくベジ丸の強化には大量のオニソウルが必要だ。そこでさらに活用したいのが桃太郎の冒険だ（やっと出てきた桃太郎！）。
　桃太郎を冒険に送り出して一定時間が経過すると，オニソウルやアイテムなどを持ち帰ってくれる（仕送りもらうけど実家にお金入れるんだ……）。

　桃太郎の冒険はオートで進むのでプレイヤーはその行動を見守るのみだが，出発前に「仕送り品」を持たせることで彼のパラメータを底上げできる。攻撃力を高めたり，行動回数が増えたりすると，より効率よく冒険が進められるようになるのだ。仕送り品は，畑バトルで獲得した素材で製作しよう。

桃太郎の冒険は，おばあさんの部屋から指示を出す。仕送り品の作成もこの画面で行える

冒険を中継する「ももLIVE」の画面では，オニ退治のほか，バイト，休憩シーンも余すところなく映しだされる

オニ退治中，唯一プレイヤーが介入できる桃玉ルーレットは，回すことでイヌたちお供の参加や，経験値アップなどプラス効果が付与される。ルーレットに必要な，桃玉は畑バトルで獲得可能だ

　桃太郎は連続して冒険に出ると疲れてしまい，やる気ゲージが満たされるまで出てこなくなる。やる気ゲージは時間経過か，畑バトルをクリアすると回復するので，桃太郎の冒険→畑バトル→素材を集めて仕送り品作り→また桃太郎の冒険というサイクルでスムーズにプレイできる。

ベジ丸の育成＆編成でベストチームを作ろう

　ベジ丸は「たねガチャ」か，特定のステージでゲットできる。増えてきたら，編成画面で入れ替えてみよう。ベジ丸には赤・黄色・緑などの“ぶんるい”のほか，オニに1クチで食べられてしまうもの，2クチ以上持ちこたえるもの，遠距離攻撃できるものなどさまざまなタイプがある。バランスを考えて編成するもよし，お気に入りのベジ丸で構成するもよし。

おまかせ編成ボタンは，ランダムで組み合わせが決まるボタン。最強チームになるとは限らないので注意

ぶんるいや，スキルのアイコンをタップすると詳細が表示されるので便利。ベジ丸と食べるオニの色が同じだと，スキルが発動するメリットがある。「タネとばし」は遠距離攻撃のことで敵の足止めに役立つ

　育てたいベジ丸が定まってきたら，おじいさんの部屋で強化しよう。一覧からベジ丸を選んで強化ボタンを押せば，指定のオニソウルと引き換えにレベルアップする。レベルが高くなるほど与えるカロリーも増えていくので，積極的に強化したい。

　ゲームを進めれば，不要なベジ丸を合成することでも1レベルアップさせられる。オニソウルが足りないとき，ベジ丸が所持枠ギリギリというときなどに有効な手段だ。ただ，ベジ丸もそれなりに数が必要なので，売却した場合とどっちがお得なのか悩ましいところ……。売却もゲームを進めると利用可能になる。

合成強化は素材にするベジ丸の合計レベルが一定値必要になる。レベル1のベジ丸のみを素材とし，合成必要レベル11を満たすなら，11体出すことになる。レベル2以上のベジ丸を混ぜれば，そのぶん必要数は少なくて済むが途中まで育てた子を手放すのも寂しい……

　ベジ丸にはレベルキャップがあり，「育成の壁」という外伝ステージを一通りクリアすることで開放されていく。ちなみに，ベジ丸に攻撃力などのパラメータはないが，レア度が高いほうが与えるカロリーは若干多い傾向。かと言って，レア度が低くても役に立たないわけではなく，レベルを上げていけば十分戦力になる。実際に，レア度1のベジ丸を入れたチームでやり込み要素である“ステージ評価3”も達成できた。

育成の壁ステージは特殊ルールで，ベジ丸の出荷数が限られている。指定の出荷数以内でオニを全滅させよう

　ステージ評価はクリア時間を競うもので，編成のバランスが重要になってくる。防衛しながら確実なクリアを目指すなら，2クチ以上持ちこたえるベジ丸が重宝したが，時間短縮となると1クチでハイカロリーを食らわせられる“1食タイプ”が俄然輝き出す。さまざまステージや目標が用意されていることで，いろいろなベジ丸に目が向く仕組みになっているのだ。

神は細部に宿る!?
「桃太郎失格」の見どころ一挙紹介！

　ここまでユニークなゲームシステムを紹介してきたが，本作の魅力は見過ごしそうな細かい部分にも表れている。プレイ中に発見した数々の見どころや，ネタを挙げていこう。

●ベジ丸の食べ差し姿が笑いと哀愁を誘う
　オニにかぶりつかれても数回は耐えるタイプのベジ丸は，かじられる度に姿が変わる。皮がむける，ゲッソリ痩せるなど，それぞれに専用のグラフィックスが用意されているのがすごい。戦闘中に落ち着いて見られないという人は，メニューの「ずかん」をチェック。ムービーアイコンでモーションを確かめてみよう。ここで“2食タイプ”以上のベジ丸ならタップすると食べられた姿が見られる。愉快な紹介文も必見だ。

イチオシはキノコアラ。食べられる度，耳やクルマが失われていくが，ハンドルだけは手放さない

●桃太郎の川柳ツイート
　桃太郎の冒険中にももLIVEをのぞくと，彼のツイートが見られるが，これが全て「五・七・五」になっている。日常のつぶやきも多く，なかにはフフッと笑ってしまうものも。また，この世界にもポノスの代表作「にゃんこ大戦争」が存在するのか，桃太郎が同作中のゲーム内通貨・ネコカンを求めるツイートもあった。


●おばあさんの監視モニターと桃太郎の顔
　おばあさんの部屋の大きなモニターには，監視カメラの映像が映し出されている。よく見ると桃太郎の一人暮らしの部屋で，さまざまな場所にカメラが設置されているのが分かる。しかし，どんなアングルでも桃太郎の顔は決して映らないのだ。桃太郎はカメラに気づいているのだろうか，それとも……？

　また，カメラ映像には桃太郎の部屋の外観と思しきアングルもある。あれ，でもおばあさんの部屋の窓から見える小屋とそっくり……。独り立ちとは言い難い実家との距離だが，だからこそ頻繁に仕送り品を届けられるのかと納得してしまった。


●ラブラブでちょっとドライな夫婦の会話
　ホーム画面でおじいさんたちのフキダシをタップすると，役立つ情報のほか，夫婦のおしゃべりを聞ける。仲のよい2人だが，夢見がちなおじいさんに対するおばあさんの返しがどこかリアルだ。

　会話のなかで，おばあさんことカグヤさんは「ばあさん」と呼ばれるのを嫌っているのが分かるが，それは桃太郎にも徹底されているようだ。ももLIVEでのツイートを見ると，桃太郎はおじいさんを「じいちゃん」と呼ぶのに，おばあさんのことは「かあちゃん」と言っている。


●お客さんの細かな仕草と，お供のお尻
　本作はアニメーションがとにかく細やかだが，桃太郎のバイト中に遭遇するお客さんの動きも高速なのに特徴がよく出ている。また，ルーレットで仲間になるお供たちがチョコチョコ歩く姿もかわいらしい。桃太郎に似たのか正面を向いてくれないが，その分キュートなお尻で愛らしさを振りまいている。

期間限定イベント「ツルの恩返し」が開催中！
新種開発も解禁

　初の期間限定イベントとなる「ツルの恩返し」が2月2日から2月16日まで開催されている。本イベントは，特別ステージをクリアしながら失われたツルのハネを集め，再び飛べるように手助けするというもの。ハネが一定枚数集まるごとに，お礼としてベジ丸のレシピなどがもらえる。

ツルにデレるおじいさんに，モヤモヤしていたおばあさんだったが……？

　今回のイベントに伴い解禁された「新種開発」は，先述のレシピと指定ぶんるいのベジ丸を組み合わせて新たな種類を生み出すシステムだ。手持ちのベジ丸の代わりに，“ベジの素”という素材を使うことでも開発が可能となっている。ベジの素はステージやイベント報酬で手に入る。定期的にこういったイベントは予定されているとのことで，今後も要チェックだ。

レシピは一度使うと消えてしまう。作ったベジ丸は貴重なので，売却や合成素材にしないよう気をつけよう

　今回，「桃太郎失格」をじっくりプレイしてみて，カジュアルだけど奥が深い，「にゃんこ大戦争」の遺伝子を受け継ぐ作品だと実感した。

　ルールや操作は分かりやすく，丁寧なチュートリアルもある一方で，オニの対処など攻略に関わる部分は，自分で見て工夫する楽しさがある。「頻繁にライン移動するオニは遠距離攻撃で足止めする？　コストの低いベジ丸を各ラインにばら撒く？　スピードの速いベジ丸を突っ込ませて押し出す？」など，その手段は複数考えられるのもやり応えにつながっている。

　また，ビジュアルがさりげなくリッチで，そこかしこで目を楽しませてくれるのもつい遊びたくなる理由の一つかもしれない。現在，メインストーリーは第4章まで配信されているが，あっと言う間にクリアし尽してしまった。イベントも楽しんでいるが，新章の追加が待ち遠しい……。

　筆者はガツガツ進めてしまったが，本作は根をつめて攻略するタイプのゲームではないし，他のプレイヤーと競争するランキング要素もないので，ぜひ気軽に始めてマイペースに遊んでみてほしい。

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