プレイレポート
「グリッチバスターズ」先行プレイレポート。オンラインでもオフラインでも,子供から大人までワイワイ遊べる協力型シューター
開発を手掛けるのは,「新・光神話 パルテナの鏡」や「サイコブレイク」「大乱闘スマッシュブラザーズX」「ニーア レプリカント ver.1.22474487139…」などの開発に携わっているトイロジックで,同社の完全新作IPとしてリリースされる。
本稿では,メディア向けの先行体験会を通してのプレイインプレッションと,同体験会で実施されたミニインタビューの内容をお届けする。
シュールなネット世界で繰り広げられるドタバタアクション
本作の舞台は,近未来のネット世界だ。プレイヤーは,世界を守るために結成されたレスキューチーム“グリッチバスターズ”の一員となって,ウイルスに侵されてしまったAIを救い出すため出撃する。
プレイヤーキャラクターの姿は,SNSなどで使われる顔文字を思わせるデザイン。ステージは,にぎやかな大都市“チューブシティ”や,荒れ狂う火山“レビューマウンテン”など,インターネットの世界をモチーフにした個性的な6つのワールドが登場する。
オンラインやローカルで4人のチームを組み,与えられたミッションを達成していくのだが,メンバーが4人集まらない場合は,CPUが加入してくれるので安心だ。
ポップでかわいいキャラクターたちが,ネット世界で大活躍! |
各ステージは高低差があり,アスレチックのようにメリハリのある地形だ。ステージのあちこちに,移動や攻撃に活用できる様々な仕掛けがあるので,それらを駆使しながら設定された目的地を目指していく。
道中現れる敵は,手に持った武器で撃ち倒していく。基本武器は,連射がきくが威力の小さいハンドガンだが,高い威力を持つランチャーなどを拾って装備することも可能だ。
本作の大きな特徴のひとつとして,プレイヤーキャラクターの下半身が磁石になっていることがある。仲間同士で引き合って瞬時に移動できるほか,4人がトーテムポールのように縦につながったり,鉄製の壁に張り付いて高い場所に移動することもできるのだ。
キャラクターは,体を縦に伸ばすことも可能で,つながった状態でみんなが伸びれば,最上段のキャラクターを高所に送り込むこともできる。
一人では登れない場所に,先に進むためのスイッチやアイテムが用意されていることもあるので,磁力を使った強力プレイが重要になるだろう。
アプリアイコンやUIを思わせるデザインがギュっと詰まった賑やかなステージ |
ライブステージ風のエリア。今回のプレイでは遊べなかったが,ここではどんな戦いが繰り広げられるのだろうか |
ゲーム中は「集まれ」「離れろ」「イイネ!」のサインで,ほかプレイヤーとコミュニケーションがとれる。細かい指示は出せないが,だからこそ,思わぬアクシデントが発生することもあり面白い。
また,キャラクターが攻撃を受けすぎてダウンしてしまった場合は,仲間が近くに駆け寄ることで復活させることができる。復活回数に制限はないのだが,全員がダウンしてしまうとミッション失敗となってしまうので注意しよう。
ステージの最奥に到着すると,ボスとの戦いになる。ただひたすらに攻撃していても倒せはするが,高いところにある弱点を味方とつながることで狙うなどすると,効率よく相手を倒せることもあるようだ。
プレイヤーキャラクターを含めたデザインは,シュールな作風で知られるしりもと氏。本作のキャラたちも,ポップでカワイく,ちょっと不思議 |
敵の波状攻撃を避けたり,捕らわれた市民を指定範囲内に投げ入れて助けたりと,移動や攻撃以外のアクションも求められる。その多くが,4人で協力していく形になっているので,成功した際の喜びも2倍,4倍と増えていく。
リザルト画面では,敵を倒した数やコイン取得数など,いくつかの項目別ランキングが発表されるので,仲間たちとの間に,ほどよいライバル意識も生まれるだろう。
ステージに配置されている敵や出現するアイテムなどを,エディットしたステージで遊ぶこともできる。自分好みのステージを作り上げ,友達やオンラインのプレイヤーと一緒に遊ぶのも楽しそうだ。
ディレクターの落合勇介氏に聞いた開発に対する思い
体験会の後に実施された,合同インタビューの内容を簡単に紹介しよう。
―― 本作は,とてもユニークな世界観だと思います。ウイルスを敵として登場させる……などのアイデアは,どういうところから得たのですか。
ディレクター 落合勇介氏(以下,落合氏):
今の時代は,大人から子供までインターネットを利用しています。そのネットが使えなくなったら嫌だろうなと思って,コンピュータウイルスなどを敵にして戦う世界が生まれました。
ウイルスの“どんどん湧く”というイメージは,「たくさん敵を倒すゲームにしたい」という考えにもマッチしていました
―― プレイをしてみると,配信にも向いているタイトルなのかなと思いました。その辺りも意識して制作しているのですか。
落合氏:
特に配信を意識したわけではないのですが,続々と敵が湧き,いろいろな場所でいろいろな起こっているという状況は,リアルタイムで見ると面白いと思います。
また,プレイヤー同士がしゃべりながら楽しめるような作品を意識しているので,コミュニケーションも生みやすいのではないかなと。
―― 協力プレイのみということですが,対戦モードなどが追加される予定はありますか。
落合氏:
対戦モードは企画段階から考えておらず,いまのところ追加する予定もないです。
―― コアゲーマーなどに向けたやり込み要素などはありますか。
落合氏:
ステージのカスタマイズが楽しめるのではないかと思います。プレイヤーが,敵の湧く頻度,数などを細かく難度設定できるので,腕に自信のある人は,より高難度のステージを作り出しチャレンジしてみてください。
また,キャラクターのカスタマイズパーツを集めていく楽しみもありますね。
―― キャラクターのカスタマイズ要素は,見た目の変更のみですか。例えば,プレイを快適に進めることが出来る強力な武器といったアイテムもあるのでしょうか。
落合氏:
見た目の要素のみです。顔や体のパーツをカスタムできるパーツですね。また,ステージのカスタマイズが行える“シミュレーターモード”で使える敵の種類などは,専用のショップでアンロックしていく形になっています。
―― ステージは,どのくらい細かくカスタマイズできるのですか。
落合氏:
ベースのステージ構成は変えられませんが,ポップする敵の種類や出現する武器の種類などをエディットできます。強い敵だけを登場するようにすれば,ゲームの難度自体を変化させることが出来るでしょう。
―― 絵文字をモチーフにしたキャラクターたちは,どのような経緯で決まったのですか。
落合氏:
インターネットの世界がモチーフなのと,シンプルなキャラクターにしたいという気持ちから生まれました。警察や救助隊などをモチーフにした案もあったのですが,最終的には,誰もが落書きできるくらいのデザインがいいなということもあり,この形になりました。
―― キャラクターデザインにしりもと氏を起用した理由は。
落合氏:
私がしりもとさんのファンだったので,お願いしました。決定稿までにも,多くの可愛い絵を描いてもらったので,何らかの形でファンの皆さんに披露できたらいいなとは考えています。
―― ナビゲート役のキャラクターは人間のような見た目ですが,何者なのでしょうか。
落合氏:
彼女は,グリッチバスターズの武器やワクチンを作ったりしているナビゲート役の“アナ”です。ゲーム中では,彼女がいろいろな案内をしてくれます。この世界では,高度なプログラムを書ける存在ほど人に近い形をしているんです。なお,ほかにも人型のキャラクターは存在します。
―― 今後,クロスプレイ対応の予定はありますか。
落合氏:
PS4とPS5は,後方互換機能で一緒にプレイすることができますが,ほかの機種同士の対応に関しては,現在のところ考えていません。
―― 開発期間と,開発において大変だったことを教えてください。
落合氏:
私を含めた2名だけで企画からプロトタイプの制作を行っていた時期が2年半くらいありました。そこからほかのメンバーを入れて現在の形になるまで,1年半くらいかかった感じでしょうか。
製品として自信を持って出せるレベルにするため,最初に考えていたシステムからずいぶんと作り変えました。そこが苦労した点でしょうか。
―― リリース以降のアップデートやDLC,コラボ企画などの予定はありますか。
落合氏:
アップデートは随時行っていきます。コンテンツの追加は,何かしらやりたいとは思っていますが,具体的にはまだ決まっていません。
大事な自社IPですので,ゆくゆくはコラボやゲームを超えた展開もしたいのですが,まずは年内の発売に向けて,この独自の世界を完成させることに集中しています。
―― 「グリッチバスターズ」が気になっている人に,「まずここを見てほしい」という点を教えてください。
落合氏:
ゲームシステムには関係ないのですが,キャラクターの顔がとても面白くできていますので,その変化に注目してみてください。
本作の3Dモデルは,どの角度から見ても2Dのイラストに見えるように技術的な試行錯誤をしているので,見ているだけでも楽しいと思いますよ。
―― これからのプレイヤーに向けてメッセージをお願いいたします。
落合氏:
みんなでおしゃべりしながら遊ぶことをイメージしていますので,ご家族や友人どとも仲良く遊んでいただければと思います。
―― 本日は,ありがとうございました。
「グリッチバスターズ:スタックオンユー」公式サイト
- 関連タイトル:
グリッチバスターズ:スタックオンユー
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