プレイレポート
[プレイレポ]「龍が如く7外伝 名を消した男」は物語こそコンパクトだが,意外性と遊びの要素を凝縮した“龍が如く”らしい作品
発売前の本作をプレイする機会を得たので,第二章までの物語の紹介と,作品全体のインプレッションをお伝えしよう。
※筆者はPS4版をプレイしています。
「龍が如く7外伝 名を消した男」公式サイト
桐生一馬は尾道での一件(「龍が如く6」)を経て,戦後の日本を裏から動かしてきたフィクサー的組織「大道寺一派」と取り引きし,世間一般の表向きは死んだことになっていた。以降は「浄龍」の名を与えられ,大道寺一派のエージェントとして活動している。
エージェントの管理者・花輪が桐生に伝えた新たな任務。それは某国の反政府組織が所有する金塊の取引現場を警備することだった。他のエージェントと共に横浜の埠頭に向かった桐生だったが,事態は思わぬ方向に展開する。
現場に現れたトレーラーに金塊は積まれておらず,代わりに極道が満載されていたのだ!
奇襲を受けた大道寺のエージェントたちは大混乱となり,花輪は連れ去られそうになる。桐生はそれを阻止するが,相手に顔を見られ,正体を気づかれてしまう。
実は極道たちの真の狙いは桐生一馬であり,花輪はそこにたどり着くための手がかりとして狙われたのだ。
横浜・伊勢佐木異人町で情報を探るうちに,桐生たちを襲撃してきたのは関西の巨大組織・近江連合の実質的トップである渡瀬 勝の組であることが判明する。どうやらある目的のために,桐生に力を借りたいようだ。
だが養護施設アサガオに身を寄せる子供たちを守るため,自分の死を偽装までした桐生にとって,今さら桐生一馬として動くのは筋が通らない話だ。桐生が協力を渋っていると,渡瀬組の若頭・鶴野裕樹たちは花輪を拉致してしまう。
自分の巻き添えになってしまった花輪を救い出すため,桐生は大道寺一派さえも敵に回し,近江連合の本拠地である大阪・蒼天堀に単身乗り込むのだった。
このようにして「龍が如く7外伝」の物語は幕を開ける。2006年の「龍が如く2」以来,久々に蒼天堀にやってきた桐生の案内役を務めるのは,「赤目」と名乗る情報屋だ。
彼女は「赤目ネットワーク」と呼ばれるホームレスを中心にした情報網を持ち,彼らから得た情報を取引したり,客の困りごとを解決したりする“何でも屋”のような商売をしている。
「龍が如く7外伝」では彼女の仕事を手伝うことで,能力強化に必要な「赤目ポイント」や「お金」を稼げる。
また,赤目ネットワークの仕事をある程度進めていくと,ストーリー要素のある「依頼」が発生。これが本作におけるサブストーリーのような位置づけとなる。
依頼は全部で24件あり,ナンバリング作品ほどではないものの,なかなか遊び応えのある要素だ。相変わらずコミカルな話やシュールな話が多く,シリアスかつ殺伐とした本編を進める合間の気分転換になるだろう。
一方,こちらの記事(リンク)でも紹介したエンタメスポット「キャッスル」の闘技場では,シリーズの人気キャラが登場する多人数vs.多人数の「地獄チームランブル」をはじめ,さまざまなバトルが楽しめる。
地獄チームランブルに参加するキャラクターはそれぞれ,「敵にガード不能の大ダメージを与える」「チーム全体の守備力を上げる」「チーム全体を回復させる」などのスキルを持っている。有利に戦える組み合わせを考えて,チームを作ることが大切だ。
とはいえ,勝敗を左右する最も大きな要因はレベル。短時間で効率よく倒せる相手と繰り返し戦い,確実にメンバーのレベルを上げていくのも一つの手だろう。
また,地獄チームランブルは報酬が高額で,500万や1000万といった金もすぐに稼げる。ストーリーを進めていってバトルに勝てない,相手を倒すのに時間がかかると感じたら,キャッスルで稼いで能力を強化したり,装備を買い揃えたりする頃合いだ。
もちろん,闘技場そのものが遊び応えのあるコンテンツになっており,「四天王」と呼ばれる強敵も待ち構えている。すべての敵を倒すと,一体何が起きるのだろうか……?
チームに入れたキャラクターは,誰でも操作できることも地獄チームランブルの大きなポイントだ。真島や冴島大河※といった東城会の大幹部はもちろん,おなじみのG・B・ホームズ,マゾおじさんこと牧之原聡太まで操作できる。
※堂島大吾,真島吾朗,冴島大河が使える「レジェンダリーファイターパック」は11月9日より有償DLCとして販売予定。11月8日までにデジタル版を予約すると,特典として同DLCが付いてくる。
ミニゲームでもお金を稼げるが,赤目ネットワークと闘技場を中心にプレイすることで,効率よく桐生の能力を強化できるはずだ。赤目ネットワークの依頼を解決することで闘技場で戦うメンバーを増やせるなど,両要素は密接に関わっている。
なお,本作の桐生のバトルスタイルは2種類。好きなスタイルを優先して強化するか,どちらもバランスよく使うかはプレイヤーの自由だ。
「応龍」はこれまでの桐生一馬の集大成となるバトルスタイルだ。シリーズ作品で慣れていることもあってか,スムーズに戦えると感じた。技の威力も高めなので,シリーズを初めてプレイする人やアクションゲームが苦手な人におすすめしたい。
一方,「エージェント」はテクニカルな印象だ。広範囲の相手を攻撃する,ワイヤーで敵を武装解除する,こちらの間合いに引き込むといった便利な技もあるが,体力のある敵を相手にすると時間がかかりがち。ただ,技をすべて習得し,プレイヤーが使いこなせるようになれば,その印象も変わるかもしれない。バトルスタイルを探ることも楽しめそうだ。
能力強化はスキルツリーではなく,メニューから選んでアンロックしていく形だ。自分に必要なものを選んで習得できる。いろいろな技を使いたい人はどんどん習得すればいいし,スタイルにかかわらずメリットがある体力や攻撃力を優先的に強化するのもいいだろう。
なお,闘技場の進行度合いに応じて,獲得できる金額が大きく変わってくるので,高額な技を習得したい場合は闘技場のバトルを進めておこう。
とはいえ,お金だけがあっても赤目ポイントが足りないと強化は頭打ちになる。赤目ネットワークと闘技場をバランスよく進めることが,スムーズな攻略のポイントと言えそうだ。
本作の物語のボリュームはナンバリング作品よりコンパクトながら,闘技場の多彩なバトル,赤目ネットワークに集約された街歩きとサブストーリーなど,“龍が如く”らしい遊べる仕組みがしっかりと用意されている。ビリヤード,ミニゴルフ,カラオケ,そしてアーケードゲームやセガ・マスターシステムの名作などもあり,あれやこれやと寄り道していると,あっという間に時間が過ぎ去ってしまう。
気になる物語は最後の最後まで混沌とした状況が続き,シリーズファンであれば興味深く楽しめるはずだ。なお,「龍が如く7」とほぼ同じ時系列なので,横浜の公園で春日一番やナンバの話を聞かされたり,BARサバイバーではマスターと遭遇しそうになる展開もある。
サバイバーのマスターとは出会えていないが,筆者はそれがかえって味わい深く感じられた。名を消して生きているのは,桐生だけではないのかもしれない。
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