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[TGS2023]リメイク版「Ruina 廃都の物語」は,ストーリー&ビジュアルを強化した“今どきのゲームブック風RPG”
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印刷2023/09/24 16:19

プレイレポート

[TGS2023]リメイク版「Ruina 廃都の物語」は,ストーリー&ビジュアルを強化した“今どきのゲームブック風RPG”

 東京ゲームショウ2023のWhisperGamesブースに,PC(Steam)ゲーム「Ruina 廃都の物語」が出展されていた。本作は,同名の名作フリーゲームのリメイク作品で,昨年の東京ゲームショウで発表されたものだ。

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 「RPGツクール2000」で制作され,フリーゲームとして2008年に公開されたオリジナル版は,中世ヨーロッパ風のファンタジー世界を舞台に,広大な地下遺跡を冒険する物語と,“ゲームブック風RPG”とでも言うべきクラシカルなテキストベースの遊びで人気を博した。

 端的に,ゲームブックやTRPG好きならまずウケるだろう。

 そんな同作のリメイク版では,制作者である枯草章吉氏の監修のもと,ストーリーの追加,ビジュアル面の強化,UIや操作性を含むシステム改善などが適用されている。今回のTGS会場ではプレイアブルが展示されていたため,現地で実際に遊んできた

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 なお,リメイク版のデベロップおよびパブリッシングは中国の天聞角川(KADOKAWAグループの中国法人)の領分だ。

 そのため,タイトルを出展していたWhisperGamesは言うなれば場所を間借りさせているだけなのだとか。ただ,各社の担当者間では連携が取れているようで,いろいろな縁があるのだろうと思わされた。

 一応,同社のアピールも添えておくと,「ブースで一番人気です」と勧められたワンボタンで遊ぶミニゲーム集で,世界中の名作のパロディがこれでもかと詰め込まれた「SUPER 56」は,確実に愉快になれる。


 リメイク版のゲームを開始すると,まずは主人公の設定から。ここでは「名前」「性別」「生まれ」「見た目」を好きに選べる。

 とくに生まれは「騎士の嫡子」「賢者の弟子」「罪人の遺児」「神殿に拾われた孤児」のうち,どれを選ぶかでゲーム開始時の背景設定やパラメータなどが変化する。とはいえ,お好みのフレーバーで。

 また,ビジュアル面が強化されたことで見た目も美しい。今でも魅力的に映るオリジナル版のグラフィックスを,真っ当に現代風に再構築したような印象である。今回は男性型を選んでおり,女性型のビジュアルも見ておきたかったものの,操作進行が不可逆だったため諦めた。

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 いざ冒険に出発すると,まずは遺跡内部の入り口付近から物語がはじまる。ゲームの基本的な流れは以下のとおりだ。

・行き先に応じたマップが表示される
・カーソル移動でマップ内の「アイコン」に触れる
・すると物語が進展するか,戦闘や罠が発生する


大きな金色がカーソル。キーボードの↑↓←→で移動し,丸いアイコンを追っていく
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 「ゲームブックやTRPGをデジタル化したらこうなるだろう」という感覚をそのまま落とし込んだようなゲーム進行は,操作性もポイント&クリックアドベンチャーのようにシンプルで,単純に「表示されている次のアイコンを順に押していく」だけでもいい。

 もちろん,順番にポチポチ押していくだけでスムーズに攻略できるわけではない。ときには隠し通路がありそうな暗がりや,道をふさぐ岩など「なにか道具があれば……」と思う関門がちょくちょく立ちふさがる。そのため,知恵を絞って仕掛けを解かなければならない。

 なお,現状は「カーソル移動はキーボードの矢印キー」のみで,マウス操作には対応していない。これはオリジナル版からしてそうで,またリメイク版でもマウス操作を導入する可能性は,あんまりないらしい。

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 主人公の故郷「ホルムの町」には,さまざまな施設や人物が存在する。なかでも赤い屋根の「ひばり亭」は冒険者酒場であり,そこにいる仲間たちから2人までパーティに加えることができる。

 同行している人物次第で,パーティとしての戦力が変化するのはもちろん,町中にいる誰かとの会話内容にも影響したりする。
 特筆すべきは,ビジュアル面の強化により,キャラクターたちがより華やかな見た目を獲得したことであろう。

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 ランタンと,火をともすための油。さらに傷薬などの冒険に必要なアイテムをそろえたら,町の近くの地下遺跡に足を踏み入れる。

 道中ではテキストベースのさまざまなイベントが発生する。基本は硬質な文章表現による“ゲームブック的なフレーバーテキスト”が表示されるが,急な落石でケガを負ったり,ときには下記のように。

「洞窟の先に複数の人影が見えた。そこであなたは――」
・隠れて進む
・襲いかかる
・引き返す


 こうした選択肢を突きつけられることもある。その後の展開はすべて,あなたの指先の成果であり,あるいは責任である。

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 敵と遭遇したときは,オーソドックスなターン制コマンドバトルに移行する。パーティメンバーはレベル,装備,スキルなどを備えており,特徴も十人十色だ。戦闘演出もオリジナル版と比べてアニメーションが多用されており,ちょっとした動きを感じられる。

 またF1を押して「自動:通常攻撃」モードにすると,通常攻撃オンリーでオートアタックしてくれる。サクサク進めたいときは活用しよう。逆に,思考せずにF1を押すと窮地を招きかねないが。

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 この世界は,才気あふれる英雄的存在を筋書きどおりに動かすような,いわばJRPGの類いではない。あくまで,軽い気持ちで一つの判断を間違えただけでも死を呼び込みかねない,ゲームブックないしTRPGの潮流にあるものだ。そのため,危機感も持たずに考えなしに進んでいると,まるで歯が立たない強敵とバッタリ出会ってしまうこともある。

 その結果,一つの未来が閉ざされてしまうこともザラだ。

 だからこそ我々は,適切に,慎重に,後生大事な命だけは守りきるために,恐れる心を忘れずに冒険に出なくてはならない。

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 私たち主人公は,悪友の「パリス」や雑貨屋の娘で幼なじみの「ネル」などとともに遺跡をめぐっていく。けれど,そう遠くないうちに起きる事柄をきっかけに,物語の色合いも変わりはじめる。

 リメイク版の追加ストーリーは,オリジナル版の流れの補足が主となるようだが,関係者はみな「原作のよさを生かす」ことを目標とし,ここまで再構成して,ブラッシュアップしてきたという。

 ゆえに,原作ファンは期待していい。それは現時点でもほぼ約束されていると思っていい。リメイク版はそんなプレイフィールだった。

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  • 関連タイトル:

    Ruina 廃都の物語 リメイク版(仮)

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