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Intel,Raptor Lakeこと「第13世代Coreプロセッサ」のK型番モデルを発表。E-coreの増量や高クロック動作で高いゲーム性能を実現
Raptor Lakeは,現行の第12世代Coreプロセッサ(開発コードネーム Alder Lake)で採用となった,種類の異なるCPUコアを組み合わせる「ハイブリッドアーキテクチャ」を発展させたもので,
- より高い動作クロックの実現
- 高効率コア(E-core)の増量
- L2キャッシュメモリの増量
などによって処理性能を向上させたものだ。
発表となったラインナップは,いずれもCPUコアの倍率ロックを解除した,いわゆる「K SKU」の製品だ(表)。モデルナンバーの末尾に「K」が付いているものは,統合型グラフィックス機能(以下,統合GPU)を内蔵するもので,「KF」と付いているのは,統合GPUを搭載しないモデルである。
Raptor Lakeは,Alder Lakeと同じ「Intel 7」プロセス技術を用いて製造するが,第3世代のIntel SuperFin Transistorを採用するなど,プロセス自体は改良が加えられているそうだ。
Alder Lakeは,P-coreに「Golden Cove」と称するCPUコアを採用していたが,Raptor LakeではP-coreが「Raptor Cove」へとアップデートされた。CPUコアの改良によって動作クロックの向上を実現しており,Alder Lake世代の「Core i9-12900K」のP-core最大動作クロックが5.2GHzだったところ,Raptor Lakeの「Core i9-13900K」では5.8GHzまで高くなっている。
さらに,Raptor LakeのP-coreは,L2キャッシュメモリ容量が,第12世代Coreの1.25MBから,2MBに増えているため,ここでも処理性能が向上しているわけだ。
一方,E-coreは,Alder Lakeと同じCPUコア「Gracemont」を採用しているが,Core i9/i7/i5のすべてにおいて,搭載コア数が2倍に増えたことが大きい。L2キャッシュメモリも,Alder LakeのE-coreでは,4コアごとに2MBだったのに対して,Raptor Lakeでは4コアごとに4MBへ増えている。さらに,動作クロックも,Alder LakeのE-coreから最大600Hz向上しており,トータルでE-core側の性能向上幅は,かなり大きいはずだ。
そのほかにも,共有L3キャッシュメモリの増量やDDR5メモリの高速化,CPUやメモリコントローラ,I/Oインタフェースを接続する内部ファブリックの高速化などをRaptor Lakeでは実施したそうだ。
こうした高速化の積み重ねにより,Core i9-13900KとCore i9-12900Kの性能を比較すると,Core i9-12900Kが最大消費電力241Wで実現したのと同じマルチスレッド性能を,Core i9-13900Kは65Wで実現したという。さらに,Core i9-13900Kの最大消費電力253W(!)で駆動すれば,41%の性能向上を実現しているそうだ。
Raptor Lakeに合わせてIntelは,新しい対応チップセットの「Intel Z790」も発表する。ただ,Raptor Lake自体は,既存のLGA1700パッケージを採用しているので,「Intel 600」シリーズチップセットでも使用できるそうだ。
こうした性能向上が,ゲームにおいてどれだけ効果があるのかはゲームによってまちまちだが,おおむね「競合よりも24%上回る」というのがIntelの主張だ。
次のグラフは,IntelがCore i9-13900KとCore i9-12900Kのゲームにおける性能を比較したものだが,「Horizon Zero Dawn」や「Grand Theft Auto V」のように,ほとんど差がつかないものもあれば,「Rainbow Six Siege」や「League of Legends」のように,20%前後の性能向上を果たすものもある。E-coreの強化が効果を発揮しやすいゲームほど,性能向上の余地が大きいようにも思える。
ただ,Intelによると,ゲームプログラム側が,任意のスレッドを「こちらはP-coreで,それはE-coreで実行してください」といったぐあいに,OSに対して明示的に指定することは可能であるが,同社としては推奨しておらず,Windows 11のスケジューラに任せることが望ましいそうだ。
次に示すグラフは,Core i9-13900KとCore i9-12900K,AMDの「Ryzen 9 5950X」「Ryzen 7 5800X3D」で,ゲームの平均フレームレートを比較したグラフだ。Ryzen 9 5950Xを基準値とした場合,Core i9-13900Kは,6〜58%高いフレームレートを発揮できるという。
もっとも,大容量L3キャッシュによって高い性能を誇るRyzen 7 5800X3Dに対しては,差がかなり縮まっているようだ。
第12世代Coreプロセッサを上回る高性能は期待できそうであるが,その分,第13世代Coreプロセッサのゲームにおける消費電力がどの程度になるのかは,いささか不安を感じなくもない。また,AMDの最新世代CPUである「Ryzen 7000」シリーズとの比較は公表されておらず,純正なゲーム性能でどちらかが上回るのかは気になるところだ。
Intelの「Intel Innovation」特設Webページ
IntelのCoreプロセッサ製品情報ページ
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第13世代Core(Raptor Lake)
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