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“バイオショック”らしさ満載の新作「Judas」の新情報公開。開発をリードするのは元Irrational Gamesのケン・レヴィン氏
「Judas」公式サイト
2022年12月に開催された「The Game Awards」で制作が発表された「Judas」は,Irrational Games在籍中に「System Shock 2」(1999年)や「バイオショック」(2007年),「バイオショック インフィニット」(2013年)などの名作に携わってきた,ケン・レヴィン(Ken Lavine)氏が率いるGhost Story Gamesの最新作だ。30人ほどのメンバーが,7年近くにわたって開発を続けてきたという「Judas」は,そんなレヴィン氏のスタイルが十分に発揮された作品になっているようだ。
物語の舞台となるのは,人類文明が崩壊したあと,その遺産を残すため,まざまな品や資料を搭載して地球に似た環境だと思われる惑星Proxima Centauriへ向かう移民船メイフラワー号だ。主人公のジュダスはあるとき,メイフラワー号の大きな秘密に気がつく。それは,「ビッグスリー」と呼ばれる宇宙船のリーダーたちが全員人間ではなくAIであることで,ジュダス自身さえ,人類の遺産を残すために3Dプリンタで制作された,人間と呼べるかどうかも分からない存在であることを知る。
ビッグスリーは,それぞれ異なる目標を持っており,警護担当のトム(Tom)は,地球文明を復興しようという希望を捨てておらず,生物学者のネファティティ(Nefertiti)は,アンドロイドによる完璧な文明を新たに築こうという野望を抱く,そして心理学者のホープ(Hope)は,自分が人間ではないことを知ったため,自分という存在さえも消し去ろうとしている。メイフラワー号が危険な小惑星帯に突入する中,ジュダスはいずれからのリーダーに協力することで生き残り,宇宙船からの脱出を図ることになる。
手のひらに何かのパワーを放出する装置が装着されていたり,ドラマチックなシーンが展開したりと,まさに“宇宙版バイオショック”といった雰囲気だ。ビッグスリーのうち1人のミッションを遂行すると,ほかの2人からは嫌われてしまうため,3人のリーダーたちの間で駆け引きを続けていくというゲームシステムになっているが,レヴィン氏は「クリエイティブなレゴ」という開発コンセプトを掲げており,物語は半ば自動生成されていくという。
興味深いのは,ジュダスは,暴走したロボットや小惑星の衝突などでキルされても,3Dプリンティングによって複製されるというローグライクなメカニズムだろう。ジュダスはビッグスリーにとって最も反逆的だが,絶対に抹殺できない唯一の存在でもあるのだ。
Ghost Story Gamesは小さなデベロッパであることから,「バイオショック インフィニット」ほどスケールの大きなゲームにはならないとされるものの,時間を費やしてじっくりと作り込んできただけあって,何度もループしながら新しい展開を楽しむというゲームになりそうだ。
一部のメディア向けに開催されたイベントでは,5時間にもおよぶプレイアブルデモが公開されたとのことで,その様子は,「Kotaku」や「PlayStation Lifestyle」「Eurogamer」などで,レヴィン氏へのインタビューを交えて紹介されている。
発売日などは発表されていないものの,気になる人はSteamのストアページでウィッシュリストに登録しておこう。