インタビュー
[インタビュー]バンダイナムコスタジオの新人研修作品4本が配信中。未経験の状態から4か月でゲーム作りを学ぶ取り組みについて聞く
これらのタイトルは,バンダイナムコスタジオが実施している新人研修プロジェクトによって作られたもので,4タイトルすべてを2022年度に入社した新入社員が約4か月で開発しているという。
新人研修で開発したゲームをSteamで配信するという取り組みは,2022年の「Goonect」からスタートしており,今年は上記4タイトルを2023年4月7日から毎週1本ずつ配信する形となった。
今回4Gamerでは,バンダイナムコスタジオの研修担当者と新人研修タイトルのプランナーに,研修プロジェクトの狙いや,研修を通じてゲーム作りに対する考えがどのように変わったかなどを語ってもらった。
「フックと怪獣」ディレクター 金子 新氏 |
「ENDRAYS」ディレクター 中村一登氏 |
「EXCYCLE」ディレクター 和波俊亮氏 |
「しげるプラネット」リーダー兼プロジェクトマネージャー十文字 樹氏 |
■新人研修プロジェクトタイトル一覧
●「フックと鎧獣」
敵は巨大な鎧獣(かいじゅう)。飛空船を操り,鎧獣にフックを引っかけて転ばせる。チャンスは鎧獣が攻撃のためにバランスを崩した瞬間。どこにフックを引っかけるかを考えてプレイする必要がある。
●「ENDRAYS」
宇宙から来た観測機を操作し,押し寄せてくる地球軍を次々と倒していく。武器であるレーザーは強力でまさに滅びの光(ENDRAYS)だが,敵の数はあまりに多い。侵攻ルートを見極め,一筆書きのように効率よくレーザーを撃つのが攻略のポイント。
●「EXCYCLE」
可愛いキャラクターが繰り広げる一輪車のレースに参戦。マウスホイールをコロコロ転がし,奇想天外なコースを走り抜ける。マルチプレイに対応しており,友人同士で一輪車同士の障害物レースを楽しめる。
●「しげるプラネット」
UFOからキモカワ系人面植物に水をやり,繁殖させるのが目的だ。人面植物を増やしていくと,どんどん新種が登場するのが楽しい。植物たちは,ボヤいたり叫んだりといずれも濃い連中ばかりで,ゲームが進むごとに画面がにぎやかに。プレイ後には,ゲーム内の「シゲッター」でほかのプレイヤーにコメントを共有できる。
開発未経験のメンバーが多い新人グループが,4か月でゲームを作り上げる
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。バンダイナムコスタジオは2022年から新人研修プロジェクトのタイトルをSteamで配信するということを始めています。この取り組みを行うことになった経緯を教えてください。
小澤至論氏(以下,小澤氏):
もともと弊社では,数年前から“新人研修でゲームを1本作る”という取り組みを進めていました。そうした中で2021年からは,作るだけではなくSteamで実際にリリースするところまでやってみようということになったんです。
4Gamer:
2022年のタイトルは「Goonect」のみでしたが,今回は4本に増えていますね。
小澤氏:
昨年リリースした「Goonect」は,お客様や実況者の方にプレイしていただき,SNSやSteamのストアで書かれた感想が,新人にとっても良いフィードバックになりました。今回は,研修中に制作した4タイトルすべてのクオリティが高かったのはもちろん,こうした気づきをより多くの新人に経験させたいということで,4本リリースすることになりました。
4Gamer:
開発の規模と体制について教えてください。先輩社員が作業を手伝うということもあったのでしょうか。
小澤氏:
開発規模は1チーム10人ほどで,期間は約4か月です。新人1人に対し,先輩メンター1人ずつつけ,チームにはゲーム制作に関する相談役のチームメンターを1人ずつつけるという体制で,開発を進めました。ただ先輩社員はお兄さん,お姉さんのポジションです。相談には乗りますが,実際の作業は致しません。
4Gamer:
Steamでリリースされた4本以外の新人研修タイトルもあるのでしょうか。
小澤氏:
企画立案の段階では挙がっていましたが,本採用にはなっていません。「5分ぐらいで面白さが分かるような企画」「1チーム10人が,4か月で作れる範囲の企画」をテーマに,全部で13の企画が上がりました。その中から“新しい遊び”を基準に,企画を絞り込んだのがこの4本なんです。
4Gamer:
それぞれのチーム内に,ゲーム開発の経験者はいたのでしょうか。新人の方が4か月で作ったクオリティには思えないのですが。
小澤氏:
各チームに経験者が数名いる程度です。8割くらいはゲーム開発未経験者ですね。
4Gamer:
予想以上にゲーム開発未経験の方が多いという印象です。プレイするとどのタイトルも独創性があり,“ウリのポイント”がハッキリしていると感じられました。こういったコンセプトの作り方は新人研修で学ぶものなのでしょうか。
小澤氏:
はい。企画研修では,主に先輩社員によるゲームメカニクス作り全般のカリキュラムが組まれています。企画づくりの考え方を学ぶ研修の中には,“コンセプトステートメント研修”というものがあり,そこで「アイデアとベネフィットを使い,どういった価値をお客様に提供するのか」ということを教えています。
金子 新氏(以下,金子氏):
「フックと鎧獣」は,まさにコンセプトステートメント研修がきっかけになり生まれた企画です。その時に考え付いたゲームのアイデアとベネフィットは,
アイデア:
・鎧獣の体の形とバランスを観察し,物理的に転ばせる
・小さな飛空船を操作し,巨大な鎧獣の体にフックを引っ掛けて転ばせる
・鎧獣のバランスが不安定になる攻撃の瞬間を見極めて転ばせる
ベネフィット:
・創意工夫によって転ばせることで,クレバーな気分になれる
・巨大な存在を翻弄する優越感に浸れる
・リスクとリターンの掛け引きにより,大きな「してやったり!」のリターンを得る
というもので,これを元にして本制作に取り組んでいきました。
4Gamer:
なるほど。ほかのタイトルのアイデアやベネフィットについても聞かせてください。
中村一登氏(以下,中村氏):
「ENDRAYS」は,アイデア主導なタイトルで,「レーザーを使った遊び」「物を壊す遊び」を作りたいという出発点から,さまざまな要素を足して作りました。「アニメや映画に登場する,薙ぎ払うようなレーザーを存分に振り回したい」「圧倒的な力を持つ侵略者の立場で,蹂躙を楽しみたい」といった,自分がやりたいことを,どう形にしてプレイヤーに訴求していくのかを常に考えていました。
和波俊亮氏(以下,和波氏):
「EXCYCLE」のアイデアは「マウスホイールを使うレースゲーム」「動きを止めたり,バランスを崩したりすると自機が倒れる」というものでした。初期はピエロが玉乗りをするというアイデアでしたが,何度か練り直して,一輪車に乗ったキャラクターが障害物が配置されたコースを走るという形になりました。
ベネフィットは「思わず叫んでしまうような緊張感と,そこからの解放感を手軽に味わえる」というものを設定しています。
十文字 樹氏(以下,十文字氏):
「しげるプラネット」は初期の構想からずっと変化をし続けて完成したタイトルです。「キモかわいい人面植物を繁殖させる」というアイデアと「シュールな笑いを届ける」というベネフィットは唯一変わらない軸でしたが,具体的なゲームシステムが決まっていませんでした。
なので,メンターの先輩に「こういう遊びを考えたので,どうでしょう」と企画を話す“壁打ち”を週1〜2回程度繰り返していき,シュールな笑いの体験を気持ち良く届けるためには,人面植物の数を増やしていくゲームにしてはどうかという新たなアイデアが生まれ,現在の形になりました。
4Gamer:
企画を作る際には,遊んでもらうターゲット層を意識したのでしょうか。
十文字氏:
コンセプトステートメント研修の中で,ある程度ターゲットは決めていこうという話はありました。「しげるプラネット」は,20代中盤から30代にかけての年齢層がターゲットになっています。
本作は,スマホゲームなどで流行した“画面をフリックして収穫するゲーム”を下敷きにしているのですが,そのゲームを遊んでいた世代がちょうどこのくらいの世代になるんです。チームのメンバーもそういったゲームに慣れ親しんだ世代ですし,自分たちがシュールで面白いと感じられるものを突き詰めていきました。
和波氏:
「EXCYCLE」も,ターゲットは企画の段階から決めていました。具体的には,Discordでボイスチャットをしながらゲームを遊ぶコミュニティを持つ人,皆で集まった際に悪ふざけをするような人たちです。そういった人たちに,相手を邪魔し合うレースゲームを届ければ,ワイワイ盛り上がれて面白いんじゃないかと。
中村氏:
「ENDRAYS」は,インストラクターから提示してもらった「1サイクル5分」という時間を考え,ストレス解消を狙ったゲームがいいんじゃないかと思いつきました。ここから,日常生活でストレスを溜めている学生さんや社会人をターゲットとしています。
金子氏:
「フックと鎧獣」は,頭脳を使って攻略の糸口を見つけるのが好きな人をターゲットに置いています。アクションゲームは反射神経勝負なものが多いですが,鎧獣がバランスを崩したところにフックをひっかけて転ばせるといった大きな相手を自分の頭脳で倒せるという要素を入れました。
4Gamer:
しっかりとアイデア,ベネフィット,ターゲットを決めて開発に臨まれたと。チームには,ゲーム開発未経験者が多かったとのことですが,開発において苦労した点と,心に残っているエピソードを教えてください。
金子氏:
鎧獣を転倒させるシステムをゲームとしてどう成り立たせるかに苦労しましたね。限られた工数で転倒させる面白さと気持ち良さを実現するため,試行錯誤を繰り返しつつ,ブラッシュアップしていきました。
開発を通じて心に残った点は,みんなが自分の強みを生かし,私の想像を超えたものを仕上げてくれたことです。キモの“鎧獣を転倒させる”アイデアも優秀なプログラマーが実現してくれましたし,プラスアルファとなるアイデアも出してくれました。
4Gamer:
ルールが直感的に理解でき,いろいろと試行錯誤したくなるゲームでした。アートワークもかなりエッジがあって目を引きますよね。
金子氏:
そうですね。あの鎧獣のビジュアルについても,私は機能的なところだけを伝えていたんですが,デザイナーがすごく頑張ってくれたんです。デザインとしての魅力とゲームとしての機能性を兼ね備えたものが出てきて,私も見たときに驚きました。
4Gamer:
鎧獣が紙人形劇っぽい表現になっていて,怖さがあると同時に「フックがどこに引っかかるか」が一目で分かるのが,見事だなと思いました。「ENDRAYS」チームはどうでしょうか。
中村氏:
ゲーム開発の経験者と未経験者でそれぞれ知識のベースが違うので,コミュニケーションと足並みを揃えるのには,かなり苦労しました。
私もディレクターとしての経験がなかったので,「なんかこう,グワーン!という感じにしてほしいです」といった,抽象的であまり良くない指示を出したこともありました(笑)。そこをうまく読み取ってゲームに反映してくれたり,UIのデザインが間に合わないという時はエンジニアが制作してくれたり,チームの皆にはとても助けられましたね。
心に残っているのは,ボス級の敵が出る際に流れるムービーシーンを実装できたことです。技術的に実現できるかどうか怪しい状況でしたが,シネマティックな表現をしたかったスタッフがいたので,「やろう」となったんです。先輩に質問しつつ,なんとかスタッフの時間を捻出して実装にこぎつけたのは嬉しかったですね。
4Gamer:
アイデアの話でもあった「アニメや映画で見るレーザーを使いたい!」という思いから実現したタイトルということでしたが,ゲーム内にあるスタッフコメントもパッションにあふれていたのが印象的でした。そういった熱い思いを持った人が多いチームだったのでしょうか。
中村氏:
そうですね。映画で敵が使う技など“今までプレイヤー側は使えなかったものを使える”という点を実現させるために,皆さん力を出してくれました。“ロマンを実現したい”という思いが強い人が集まったいいチームだったからこそ,ムービーシーンも実装できたんだと思います。
4Gamer:
「EXCYCLE」は,マウスホイールを一輪車の車輪に見立てるなど,独特なアイデアが詰まっていますが,その辺りの苦労はなかったのでしょうか。
和波氏:
マウスホイールで一輪車を動かすという点は一番苦労しましたね。操作性が独特でしたし,「物理演算にするのか。見かけだけの動きにするのか」といったところから検証を行い,並行してコースやギミックも作らなければなりませんでした。
開発の中で心に残っているのは,キャラクターに動きやサウンドがついて賑やかになったときですね。自分のアイデアがどんどん形になっていく過程を見たときに,「ゲーム会社に入って本当に良かったな」と思いました。
4Gamer:
「EXCYCLE」は,BGMにボーカル曲が入っていたところに驚きました。4か月という開発期間ならその辺は妥協してしまいそうな部分ですが。
和波氏:
その点は,サウンドにかけるチームの情熱ですね。ボーカルは「EXCYCLE」チームのメンバーが担当しているんですが,4人のキャラクターすべてにソロバージョンを用意しています。
1位を獲得してタイトル画面に戻ると,レースで使っていたキャラクターのソロバージョンが流れるんですよ。細かいところまですごく情熱をかけて作ってくれて,ディレクターの私も感動したポイントです。
4Gamer:
「しげるプラネット」は先ほど初期の構想からずっと変化を続けたという話がありましたが,苦労したポイントはやはりそこなのでしょうか。
十文字氏:
そうですね。遊びの軸となる決定打のアイデアがなかなか出なかったんです。「大量の人面植物をウジャウジャさせれば,絶対に気持ち良い」という確信はあって,ジャンルもシミュレーションと仮決めしていたんですが,そこからなかなか進みませんでした。
4Gamer:
先ほど先輩とアイデアの壁打ちをしていたという話もありましたが,どのくらいの期間練っていたのでしょうか。
十文字氏:
4か月の中の2か月ぐらいはコネコネしていましたね。ただ,この間にアイデアをプランナーとプログラマー,ビジュアルアーティストが一緒に考えていたこともあり,デザインが決まって動き始めてからはスムーズに進みました。「こうしたらもっと面白くなる」「モデルをもっと気持ち悪くしよう」と,どんどん盛り上がって,文化祭のような楽しさがありました。
4Gamer:
「しげるプラネット」は人面植物のボイスも味がありましたよね。自機の強化を忘れた時も「強化してください」とたしなめられるのではなく,「あれ? 強化しないんだ」といった等身大の言葉になっているので,笑ってしまいました。
十文字氏:
あの声については,音声担当が声に自信がある先輩社員を募ってくれて実現したんですよ(笑)。
小澤氏:
インストラクターの私が感動したのは,“出来ることは何でもチャレンジしよう”としているのが見えた瞬間でした。「しげるプラネット」と「EXCYCLE」のボイスを入れるというのは良い例で,収録や音の調整は大変ですし気持ち良いタイミングで声を出すのも難しい。
限られた時間の中で,新しいチャレンジをするというのは本当に難しいことでして,ベテランの開発者ほどリスク回避の思考からストップをかけていると思います。ただ,今回は新人たちがやりたいんだ,僕たちならやれるんだと制作に燃えていたのでインストラクターは見守ることにしました。
4Gamer:
新人たちのチャレンジ精神に賭けたわけですね。
小澤氏:
結果としてストップをかけなかったことがプラスに働き,予想をはるかに超えたクオリティの作品を作ってくれました。彼らの挑戦する姿勢から逆に我々も学ばされましたね。
4Gamer:
ほかのタイトルでもこうしたチャレンジはあったのでしょうか。
小澤氏:
「ENDRAYS」は,厳しい期日の中で,エンディングのスタッフロールまで入れてくれました。おかげで満足感が味わえる1つの作品としてまとまったなと思います。
「フックと鎧獣」では制作の後半に,鎧獣に貼りついて,フックの引っかけを邪魔するクラゲ型の敵を入れることになりました。金子がチームを説得して何とか実装し,プレイヤーにじょじょにスキルを高めてもらうためのレベルデザインが用意されました。
4Gamer:
どの要素もプレイをすれば分かる印象的な部分ですね。研修で現実的な着地点を教えるという考え方もあると思いますが,今回チャレンジに賭けた理由は何だったのでしょうか。
小澤氏:
経験上,現場が好きな物をノリノリで作ってるプロジェクトと,意気消沈しているプロジェクトでは,やはり出来高が違うんですよね。実際に作り手がこだわったポイントがターゲットに刺さり,SNSやレビューで評価され,それが波及するのは理想的だと思っています。
せっかく新人たちがノリノリになっているのだから,彼らのモチベーションを折ることはしたくなかったんです。
企画マンにとって重要なのはリーダーシップ。研修を経て変わったゲームの見方
4Gamer:
ゲームの作り方としては,大きく分けてアーティスト的な作り方とロジカルな作り方の2つがあると思います。
前者はアーティスト的にビジュアルイメージを広げていき,そこにゲームデザインを当てはめていく。後者はターゲットとなるユーザー属性や,自作のウリを考えてロジカルに作っていく。バンダイナムコスタジオとしては,どちらの人材を育てていきたいのでしょうか。
小澤氏:
ゲームはチームを組んで作るものなので,どちらか一方を育てたいということはないです。例えば,ロジカルに考えられる人は,積み上げ式で期間内に確実に仕上げてくれる強みがありますが,逆にデータ収集に捕らわれるとスタートがちょっと遅れたりします。そうしたチームにアーティスト志向の企画マンが入ってくれると,その方のヒラメキがチームの刺激となって,プロジェクト初期から加速することがあるんです。
4Gamer:
人材同士を組み合わせるやり方というのは,経験則から導き出されるところも大きそうですね。新人研修でどういった経験やスキルを得て欲しいかという明確な狙いはあるのでしょうか。
小澤氏:
職種ごとにいろいろあるのですが,今回インタビューに参加している企画マンに絞って答えると,“リーダーシップ”を伸ばしてほしいと思っています。リーダーシップとは「問題に立ち向かい,他者をプラスの方向へ導く手腕」と考えています。これは企画マンには欠かせない能力です。
4Gamer:
リーダーシップについては“天性の資質”のように言われることも多いですが,経験を積めば身につけられるものなのでしょうか。
小澤氏:
私はそう考えています。リーダーシップについて “手腕”と表現したのは,後天的に学べるからなんです。ただ,リーダーシップが芽生えるまでには時間がかかりますので,欲を言えば企画マン志望の方は,学生時代に何かしらのリーダー経験をして多くの人と接する機会があると勉強になるのではないかなと。
4Gamer:
なるほど。新人の皆さんに聞きたいのですが,新人研修プロジェクトを終えての学びや,現在取り組んでいる仕事で生かせている部分はありますか。
金子氏:
ゲームを1本リリースするまでの工程を経験したことで,プロジェクトを全体的に見られるようになったことは大きいです。ほかにも,他人が作ったゲームに対しての見方も変わりました。ゲームを作るのは楽しいけれど難しくて,大きなチームを率いているディレクターを改めて尊敬するようになりましたね。
中村氏:
同じく,ゲームの見方が変わりました。ゲームを遊ぶ際に「なんでこういう仕様にしてるんだろう」「ここはどうして面白いと感じるんだろう」といったところを重点的に見るようになったのは,入社して変わったところなのかなと思います。世の中やゲーム以外のコンテンツに触れる時も,実現性まで含めて物事を見るようになったなと感じますね。
和波氏:
一番変わったのは,ほかの職種の人と円滑なコミュニケーションが取れるようになった点です。私はゲーム作りが初めてだったので,エンジニアやデザイナーといったほかの職種の方と関わったことがありませんでした。最初のうちは彼らの考え方が分からなくてすれ違ったことも多かったんですが,学んでいくことでスムーズにコミュニケーションできるようになりました。
企画を作るにしても,それまではターゲット層を意識したことがなかったんですが,今はあらゆる商品やコンテンツに対して分析をするようになっています。
十文字氏:
PCをあまり触らないような文系学部の院卒で入社時は不安だったのですが,新人研修では「メンバーそれぞれの特長を活かすことができれば,自分では考えられないようなことを思いついてくれる」ということを学びました。
ゲームを遊ぶと,いろいろな職種の人が,自分なりの視点でゲームを見ているということを理解できるようになりましたし,優れたゲームを遊ぶと「悔しい!」と思うようになりました。ゲームに対する思考が変わったなと自分でも思います。
4Gamer:
研修を経てこれから皆さんがどのようなゲームを作るのか期待しています。さて,最後に読者に向けて,改めて開発したゲームのアピールポイントを聞かせてもらえないでしょうか。
金子氏:
「フックと鎧獣」は,飛空船を操り,巨大な鎧獣にフックを引っ掛けて物理的に転倒させるゲームです。荒廃した世界で人類は,鎧獣という圧倒的理不尽な存在に対して知恵と工夫で戦います。敵を転ばせて倒すという独特な体験は,ほかのゲームにはない唯一無二の快感を感じる快感を味わうことができるはずです。ぜひ遊んでみてください!
中村氏:
「ENDRAYS」はとっても気軽に“人類を滅亡させることができる”タイトルです。以前から人類を滅亡させたかった方や好き勝手にレーザーを撃ちたかった方にはぴったりの体験が提供できるかと思います。20分あれば遊べるゲームなので,ぜひ勉強の合間や浮いた昼休みを使って,あなたの手で人類を滅亡に追いやってください!
和波氏:
「EXCYCLE」は,思わず「うわっ!」と声が出てしまう最大4人対戦の一輪車レースゲームです。マウスホイールをコロコロさせて一輪車を操作する感覚が最大の特徴で,スクロールでぶっ飛ぶ大砲やタイヤ1つ分もない綱渡りゾーンなど,ギミックも盛りだくさんです。ぜひ,友達同士でギャーギャー騒ぎながら楽しんでほしいです。
十文字氏:
しげるはカワイイ人面植物です。水をかけてポコポコ生まれるしげるを見ると,どんどん気持ち良くなれますよ。UFOをパワーアップさせると,より繁殖させやすくなります。「シゲッター」で入力したコメントを話す個体も生まれます。そんなカワイイしげるを母星爆発による絶滅の危機から救ってください。「しげるプラネット」をよろしくお願いします!
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