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印刷2023/09/06 14:42

イベント

「エンシェント・ナレッジ」など,新作発表も行われたCMON JAPANボードゲーム体験会レポート。「Battletech」復活の兆しも?

 CMON JAPAN主催のボードゲーム体験イベントが2023年9月3日,東京のとしま区民センターで開催された。
 同イベントでは,CMON JAPANから発売されているさまざまなボードゲームが遊べたほか,未発表の新作や,発売前のタイトルの卓も設けられており,実際にプレイして体験できた。本稿では新作情報を中心に,当日の模様をレポートする。

画像集 No.025のサムネイル画像 / 「エンシェント・ナレッジ」など,新作発表も行われたCMON JAPANボードゲーム体験会レポート。「Battletech」復活の兆しも?

CMON JAPAN公式サイト



新作「エンシェント・ナレッジ」「エルサレム:アンノ・ドミニ」などが発表に


 イベントが開場した11:00,会場にはすでにおおよそ30人ほどのプレイヤーが集まっており,ゲームのスタートを待っていた。卓の数は7卓ほどあって,いずれも盛況。スタッフからのルール説明を受けながら,思い思いにゲームを楽しんでいた。

参加者は思い思いにさまざまなタイトルを楽しんでいた
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 今回,会場で発表された新作は「GAP」「OUCH!」「エンシェント・ナレッジ」「エルサレム:アンノ・ドミニ」の4タイトルだ。

 「GAP」は,2022年にドイツで発売された2〜6人用のカードゲームの日本語版だ。場に置かれたカードから,手札にあるカードの数字と近い(ギャップが少ない)カードを集めていき,獲得したカードの数で勝敗を決する。得点の計算方法に若干のクセがあるものの,ルールがシンプルでプレイ時間も短いので,“重い”ゲームの合間に遊ぶパーティゲームとしてちょうどいいかもしれない。

「GAP」
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 「OUCH!」は,スペインのDevir Gamesが2022年に発売した子供向けのカードゲームだ。サボテンの花(これが得点になる)が描かれたカードを場に6枚配置し,その中から取得したいカードを選択。その後,選んだカードを上下左右のどちら側にめくるかを決めて,裏返したときめくった方向にサボテンが描かれていなければ,そのカードを獲得できる。
 ルールはシンプルだが特殊な効果のカードがあるなど,ちょっとした駆け引き要素もある。プレイ人数は2〜5人で,プレイ時間は10分とのことだった。

こちらは「OUCH!」。砂漠を探索し,サボテンの花を集めていく
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 「エンシェント・ナレッジ」は,フランスのパブリッシャであるIELLOから発売された,2〜4人向けのボードゲームだ。公称プレイ時間75分というなかなかの重量級で,今回は翻訳前のパッケージの展示のみが行われていた。
 ゲームとしては,カードプレイによって文明の象徴たるモニュメントを建築し,維持していくカードベースのゲームのようで,より多くの古代の知識(=勝利点)を後世に残したプレイヤーが勝ちとなる。プレイはできなかったので詳細は分からないが,EU圏の優良作品表示であるSeal of Excellenceを獲得した実績もあり,発売が楽しみなタイトルと言える。なお,発売は2023年末予定とのことだ。

文明ストラテジーの「エンシェント・ナレッジ」。アメリカのレビューサイト,The Dice Towerでも高く評価されたタイトルとのこと
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 「エルサレム:アンノ・ドミニ」は,「OUCH!」と同じくDevir Gamesが,2023年に発売したタイトルだ。イエス・キリストの“最後の晩餐”をモチーフとしており,ゲームの目的はイエスと12の使徒に取り入って,晩餐における席を確保すること。それも,イエスや使徒に近い席がいい。何せ,そのほうが得点が高いのだから。
 より良い席を確保するためには,献金を行い,イエスの説話に耳を傾け,全員からの好意を集めなくてはならない。プレイ人数は1〜4人で公称プレイ時間90分と,これまた重量級のタイトル。発売時期は未定のため,こちらも続報に期待したい。

こちらも英語版が展示されていた「エルサレム:アンノ・ドミニ」。発売時期は未定のようだ
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 また,6月に予約受付がスタートした「メタルギア ソリッド: ザ・ボードゲーム インテグラル・エディション」のミニチュア展示もあって,こちらも盛況だった。現在はコナミ・デジタルエンタテイメントの監修を受けている状態で,まだ全世界で3セットしか製造されていないそうである。

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 ボードゲーム出版社CMONの日本法人であるCMONJAPANは本日(2023年6月22日),KONAMIによる「メタルギアソリッド」シリーズを原作とするボードゲームの日本語版「メタルギア ソリッド: ザ・ボードゲーム インテグラル・エディション」予約受付を開始した。

[2023/06/22 12:52]

「メタルギア ソリッド: ザ・ボードゲーム インテグラル・エディション」。メタルギアならではのステルス・アクションとストーリーを体験できる
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こちらは予約特典の「メタルギアREX」フィギュア。全長13センチとなかなかの大きさだ
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こちらも未発売の「インペリアル・マイナーズ」。ポーランドに拠点を置くPORTAL GAMESの作品で,「インペリアル・セトラーズ」のバリエーションにあたる。9月25日に発売される予定だ
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ボドゲ好きコスプレイヤーも参戦し,賑わいを見せた体験イベント


 新作のみならず,CMON JAPANの展開するさまざまなボードゲームがプレイされていた今回のイベントだが,そこにゲストとして参加していたのが,ボードゲーム好きのコスプレイヤーとして知られるくらるさん@KRaR007)だ。
 くらるさんはインスト(ルール説明)のために一人でボードゲームを遊ぶほどの愛好家だそうで,この日も一般参加者に交じって,先に紹介した「OUCH!」や「GAP」,また発売済の「カラー・フラッシュ」などを楽しんでいた。

ボドゲ好きコスプレイヤーのくらるさん
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くらるさんは「カラー・フラッシュ」卓でインストを務めていた
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 さまざまなボードゲームが展開されていた中で目を引いたのが,1970年代のアニメ「チキチキマシン猛レース」を原作としたミニチュアゲーム「Wacky Races Deluxe」だ。原作どおり個性的なマシンに乗り込んだキャラクター達によるレースが楽しめる同作だが,なによりDeluxe版ということで,同梱されているミニチュアがすべて塗装済。これで1万1000円(税別)というのは,かなりお得に感じる。
 なお本作は蔵出し品のため,完売後の再入荷は予定していないという。輸入品なので英語版のみではあるが,公式サイトでは日本語版マニュアルが公開されているので,プレイに支障はない。気になる人は公式サイトをチェックしてみよう。

原作通りのドタバタレースが再現できる「Wacky Races Deluxe」
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こちらはブラック魔王とケンケンのコンビだ。シシシシ
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全11台のマシンが塗装済みで同梱されている
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こちらはBoard&Diceの「ブック・オブ・タイム」。カードを使って人類史を三冊の本として編纂し,後世へと残すことを目指す
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Devir Gamesの「ラクリモーサ」は,モーツァルトの死をモチーフとしたボードゲーム。プレイヤーはモーツァルトのパトロンの一人となり,資金援助を行うことで未完の鎮魂歌(レクイエム)の完成を目指す
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Pandasaurus Gamesの「ウルヴズ」。狼の群れを率いるリーダーとして縄張りをつくり,一匹狼を取り込み,獲物を狩って最も巨大な群れを作っていく
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復活の兆しか? 大盛況だった「Battletech」卓


 最後に立体型の巨大マップ(テレイン)を持ち込んで,当日会場の耳目を集めていたミニチュアゲーム「Battletech」について,個人的な趣味も交えつつ紹介させてもらいたい。

絶えず盛況だった「Battletech」の卓。中央奥の黒いTシャツの男性は卓の準備を整えた,たいたい竹流氏(@torgtaitai)。オンラインセッションツール「どどんとふ」の開発者としても知られる
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 1984年にアメリカで発表された「Battletech」は,バトルメックと呼ばれるロボットを操り,レーザーやミサイルといった武装を駆使して戦うミニチュアゲームだ。1990年代には日本でも紹介や翻訳が行われ,同じ世界観を扱うテーブルトークRPGの「メックウォーリアー」と共に,小説やリプレイの展開が行われていたが,1990年代後半に収束。以降は一部有志の個人輸入に頼るくらいしか,プレイする機会はなかったのではなかろうか。

かつて日本で発売されていた「Battletech」のルールブックや小説がこちら(筆者の私物)。4Gamer読者の中には,PCゲームの「BattleTech」で知る人が多いかもしれない
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 一方,海外ではライセンス管理会社を変更しながらも継続した展開が行われており,ルールブックやソースブック,ミニチュアが続々と発売され続けている。CMON JAPANでは,この英語版の輸入販売を9月1日に開始,現在は公式サイトから購入できるようになっている。英語版なので翻訳はされていないものの,個人輸入に頼らなくてもプレイできるようになったのだ!

英語版のルールブック。ここにあるものはほんの一部だ
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 現在のバトルテックは,若干のルール変更と武器の攻撃力が増えたことにより,プレイ時間が短くなっているのが特徴だ。とくに今回会場でも採用されていた「グラインダー」というバトルロイヤルルールでは,プレイヤーの操機を1機のみに絞り,かつ途中参加を可能にすることで,初心者でも参加しやすい環境となっていた。

こちらのテレインは,たいたい竹流氏の自作のものとのこと。複雑な地形も分かりやすく,対戦が捗る
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グラインダールールでは,誰かのメックを倒したらポイントを獲得でき,自分が倒されたときは強力なメックに乗り換えて再参戦できる
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 この日も遅れて会場入りした参加者が続々と途中参戦し,戦いを盛り上げていた。中には一日「Battletech」ばかりプレイしていた人もいたくらいなので,CMON JAPANにはぜひ,日本語版ルールブックの発売を検討してもらいたい。

しばしば激しい乱戦が繰り広げられていた
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海外ではぬいぐるみやフィギュアも発売されている。日本での再展開を切に願いたい
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 なおCMON JAPANのボードゲーム体験イベントは,来たる11月12日に第2回の開催が予定されている。もし本稿で興味を持った人がいたら,参加してみるといいだろう。きっと新しい発見があるはずだ。

CMON JAPAN公式サイト

  • 関連タイトル:

    エンシェント・ナレッジ

  • 関連タイトル:

    Metal Gear Solid: The Board Game

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