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  • Joure & Joe
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  • 発売日:2023/10/28
  • 価格:1200円(税込)
    ※2023年10月28日アーリーアクセス開始
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印刷2024/03/21 11:00

企画記事

絶叫の先にあるのは死!? 密かに流行中のマイク必須ホラーゲーム。この恐怖に耐えられる?

 生と死の狭間で味わう緊張感。恐怖に蝕まれるメンタル。風船のように膨れ上がった恐怖心は,やがて絶叫とともにはじけ飛ぶ。ホラーと言えば絶叫,絶叫と言えばホラー。その関係はゲームにおいても切っても切れない関係にある。

 そんな悲鳴を上げがちなホラーゲーム界隈で,「マイク使用推奨」のタイトルが流行している。マルチプレイのボイスチャットではなく,プレイヤーの声そのものをゲームプレイの一部とする,音声入力の要素を有したタイトルが増えてきているのだ。
 幽霊調査ゲーム「Phasmophobia」がそのいい例で,同作にはマイクを使ってゴーストに質問するシステムや,ゴーストがボイスチャットの音声を聞きつけ襲撃してくる仕様が盛り込まれている。

ゴーストハントを行う「Phasmophobia」では,ゲーム中にボイスチャットで騒いでいると,隠れていたとしても位置バレして襲われる。死にたくなければ口をつぐまなければならない
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 ホラーゲームと音声入力は非常に相性がよく,同作のヒット以降にも多くの音声入力系のタイトルがリリースされてきた。叫ばないと前が見えない,叫ぶとゲームオーバー,叫んで異形を追い払う,叫んで犬を探す,叫ぶと襲撃されるなど,純粋に怖いものからネタっぽいものまで,その方向性はさまざまだ。本稿では音声入力の要素が盛り込まれたホラーゲームの中から,4作品を紹介しよう。
 
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叫んだら,そこで試合終了ですよ

DON'T SCREAM

配信日:2023年10月28日アーリーアクセス開始
価格:1200円(税込)
メーカー:Joure & Jo
※日本語対応


 「DON'T SCREAM(叫んではいけない)」というゲーム名のとおり,叫ぶと即ゲームオーバーになる“悲鳴厳禁”のタイトル。ルールはいたってシンプルで,18分間叫ばずに不気味な森をさまようだけだ。

 探索中,絶叫判定にあたる大きな音を出すと“死”と判定されて,スタート地点からやり直しになる。叫ぶ=ゲームオーバーという分かりやすさからか,それとも実況向きではないルールを逆手に取ったのか,なぜか実況者界隈で大流行した。

1990年代のビデオ映像をイメージしているらしく,画面には時折ノイズが入りこむ。これが心臓に悪くて,まぁ怖い
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 叫んではいけないゲームプレイに重きを置いているため,本作では迫り来るクリーチャーを撃退したり,謎解きに挑戦したりすることはない。18分耐えるだけなら難なくクリアできそうなものだが,そう簡単な話でもないのが「DON'T SCREAM」のニクイところ。なんと時間のカウントは移動中にしか進まない意地悪仕様になっており,クリアするには自らの足で恐怖の待つ森を進み続けなければならないのだ。鬼ぃ!

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 「叫ぶ=ゲームオーバー」と前述したが,実際の絶叫判定は,「プレイヤーが一定以上のボリュームで音を発したかどうか」でジャッジされる。叫び声だけでなく,「ヒッ」と息をのむ音や,かわいい感じのくしゃみなど,マイクが拾うすべての音が対象だ。
 となればマイクの感度設定が重要になるところだが,そのあたりはゲーム内設定でマイクのキャリブレーションを調整できるので,心配ご無用! マイクテストをしつつアウトになる声量を把握しておけば,不本意なリスタートを防げるはずだ。

感度を低くするほどクリアは容易になるが,それではゲームとしての面白さが損なわれてしまう。スリルを存分に味わいたいなら,小声がしきい値を超えないギリギリラインを攻めよう
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 ちなみに,本作は不正防止機能付き! 仲間内でシェアプレイする際に役立ちそうな機能で,マイクがミュート状態になると画面にデカデカとミュートアイコンが表示される。
 ただ,使用するマイクによってはミュート状態にしていなくともアイコンが表示されてしまうようで,これが結構邪魔になる。あらかじめ「DISABLE MUTE ICON」にチェックを入れておくのがよさそうだ。

 音声入力機能を巧みに取り入れ,決して叫んではいけないという状況を見事に演出した本作。まさに発想の勝利といえる1本だが,その怖さは折り紙付き。怖いか怖くないかで言ったら確実に怖い。
 ただ,一度完走すると“来る瞬間”が雰囲気で分かってしまい,恐怖の度合いが下がってしまう。新鮮な恐怖体験は一度きりと考えたほうがよさそうだ。クリア後は,家族にヘッドセットを託して,絶叫するさまをニヨニヨと観察するシェアプレイを楽しもう。



あなたが呼んだのは愛犬ですか? それともこちらの……

「Rotten Flesh」

配信日:2024年1月22日
価格:1400円(税込)
メーカー:Steelkrill Studio
※日本語一部対応


 叫んではいけないホラーゲームがあれば,叫んでクリアを目指すホラーゲームもある。「Rotten Flesh」は,マイクで愛犬に呼びかけながら仄暗い下水道を探索するサバイバルホラー。これがただの下水道であればよかったのだが,不運にもそこは人ならざるものたちの巣窟だった……Oh,ロイまじかよ。

ランタン必須の下水道は雰囲気たっぷり。暗いだけならまだ耐えられるが,キャラの瞬きに合わせて暗転する演出が地味に怖い
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 行先はおろか,自分の現在地さえも分からない中,愛犬を探しだす唯一の手掛かりとなるのは,飼い主の声に応えるロイの鳴き声だ。プレイヤーがマイクを使って呼びかけると,ロイは「ワンワン」と吠え返しアピールしてくれる。呼びかけのワードはなんでもいいようで,「おーい」でも「どこー?」でも「うわああっ」でも問題ナシ。重要なのは声のボリュームで,プレイヤーが一定以上の音を出すと犬のマークが表示され,ロイからの反応が返ってくる。
 あくまで筆者の環境下での話だが,わりと大きめの声を出さないとロイに声が届かない印象だった。ゲーム内にマイク感度を調整する項目はないので,感度が気になる人はPC側の設定で調整するほかなさそうだ。

新種のてるてる坊主,かな……?
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 ロイへの呼びかけは迷ったときのヒントになるが,声を出す行為が命取りになる場合もある。なぜなら,プレイヤーの出す音は下水道を跋扈する異形たちを引き寄せるトリガーにもなっているからだ。愛犬に呼びかけたいのに,生存率を高めるには叫んではいけない。それって,現実だったら捜索難度高すぎじゃない!?

 探索中に銃を入手できるが,これはネズミ退治用のアイテムらしく,大型の異形には効果がない。そのため基本的には声を殺し,物音を立てないようステルスプレイに徹することになるだろう。幸いなことに呼びかけが必要な場面はそれほど多くはなかったが,異形の気配におびえながらロイを呼ぶプレイは,終始緊張しっぱなしで動悸がやばかった。

ギィエェェェッ! ロイを呼んだら違うヤツが来たーっ! このあとめちゃくちゃ追いかけられた
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 余談だが,本作ではマイクなしのプレイも可能。マイクを使わない場合はスペースキーでロイへの呼びかけを行える。とはいえ,濃度120%のスリルを味わうなら,マイクでのプレイが断然オススメだ。



すべての恐怖を味わうまで帰れない

「Shhh!」

配信日:2023年12月11日
価格:235円(税込)
メーカー:616 GAMES
※日本語非対応


 ビデオカメラを片手に心霊スポットを探索し,20分間叫ばずに完走を目指す「DON'T SCREAM」ライクタイトルだ。ルールもゲーム性もほぼそのままで,プレイヤーが一定以上の声量で声を発すると,探索状況がリセットされスタートから仕切り直しになる。音声入力でプレイヤーの死をジャッジする系のタイトルってことですな。

舞台はシナリオごとに異なり,第1弾の「MORGAN'S HOUSE」では呪われた屋敷を,第2弾の「WITCH FOREST」では不気味な魔女が現れる恐ろしい森を探索する
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 異形の撃退や謎解きといった要素がなく,立ち止まっている間は時間もカウントされなくなる仕様までは「DON'T SCREAM」と同様。じゃあ元祖を遊べばよくない? となるところだが,本作なりのオリジナリティもちゃんとある。

 比較的自由に森を探索できる「DON'T SCREAM」に対し,本作での探索は基本的に一本道。ルート上のすべての演出を目撃しない限り,次のエリアに進むことができず,プレイヤーはどうあがいても恐怖から逃れられない設計になっている。目安時間の20分を超えても探索は打ち切られず,ゴール地点に到達するまで恐怖の心霊スポットツアーは続くということだ。怖がりさんに厳しい仕様ですな。

心霊現象が起きている場所は,これ見よがしにチカチカと光を放っている。恐怖演出のタイミングが一目瞭然なので,不意に脅かされる心配はない
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 本作ではジャンプスケアを多用せず,恐怖演出のタイミングを予告するスタイルがとられているため,息もつかせぬ恐怖のラッシュを欲している人だと物足りなさを感じるかもしれない。「ホラーゲームは遊びたいけど,怖さはほどほどがいい」という人向けのタイトルといえそうだ。

音声入力まわりの設定は,探索開始前のセットアップ画面にて変更できる。環境音で不本意なNG判定を食らわないよう,感度の調整は入念に!
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怖いのにリトライがやめられない

「The Classrooms」


配信日:2022年10月29日アーリーアクセス開始
価格: 920円(税込)
メーカー:Hillcrest Games,Xefier Games
※日本語非対応


 「The Backrooms」みたいな不穏な雰囲気が好き! 「SCP財団」みたいな世界観が好物! リプレイ性のあるタイトルを探してた! という人にピッタリなのが,この「The Classrooms」だ。

 本作は,海外の都市伝説「The Backrooms」とシェアード・ワールド「SCP財団」を掛け合わせたような作風が特徴で,プレイヤーはとある失踪事件を調査するため,生徒が姿を消したいわくつきの学校へと侵入することになる。しかも,学校内には「エンティティ」と呼ばれる不可思議な存在が徘徊しており,彼らに捕まったら最後,プレイヤーは命を刈り取られてしまう。

馴染みの学校に足を踏み入れたはずが,眼前に広がるのは不穏な空気が立ち込める見知らぬ校舎だった。ここはどこだ……?
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 本作では,音声入力機能がプレイヤーの生死を左右する要素として取り入れられている。音声による直接的な死亡判定や特殊な操作はないが,悲鳴をあげることはエンティティにプレイヤーの位置を露呈するリスクの高い行為にあたる。

 「見つかりたくなければ声を殺して静かに行動せよ」ということなのだが,すべてのエンティティが音に敏感なわけではなく,現状での音声入力の活躍どころは限定的。初回の階層ではマイクの存在意義を実感できず,肩透かしを食らうかもしれない。だが,おしゃべり厳禁の図書館まで進めば,音に敏感なエンティティとのスリル満点なステルス合戦を楽しめるはずだ。かすかな音すら許されない図書館での攻防は,手に汗握る緊張感を味わえまっせ。

エンティティには種ごとに特徴があり,それぞれ対処法が異なる。彼らはARC-○○というナンバーで管理され,道中で拾えるジャーナルにその特徴が記録されている。このジャーナルがとてもSCPっぽい(ただし英語)
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 なお,ステージはリトライのたびにプロシージャル生成され,エリア内の構造が変化する。ステージのレイアウトのほか,アイテムやエンティティの場所も都度変わるため,プレイのたびに違ったゲーム展開を楽しめるのも魅力の1つだろう。ほかの3作品に比べると怖さは控えめだが,一度きりのプレイでは終わらないリプレイ性の高い恐怖をお望みなら,ぜひ本作を手に取ってみてほしい。

本作はマイクなしでのプレイにも対応しているが,エンティティと繰り広げるデスおにごっこのスリルを存分に味うなら,マイクありでのプレイを推奨したい
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    DON'T SCREAM

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