プレイレポート
「FAIRY TAIL2」はリアルタイム性を取り入れ,バトルシステムが大きく進化。躍動感が増したナツたちの活躍をさらに楽しめる[TGS2024]
妖精の尻尾(フェアリーテイル)最後の戦いを迫力のバトルシステムで楽しめる
「FAIRY TAIL2」は,2020年7月に発売されたRPG「FAIRY TAIL」の続編となるタイトルだ。アニメ「FAIRY TAIL」の最終章である「アルバレス帝国編」を題材に,“妖精の尻尾(フェアリーテイル)最後の戦いを完全な形で描く”ことがコンセプトとなっており,2024年12月11日に発売が予定されている。
TGS 2024の出展バージョンは,ゲームの序盤と思しき部分の探索とバトルを20分間プレイできる。なお,今回のプレイレポートは,開発中のPC版にXboxコントローラをつないだ環境でプレイしており,キー表記もこれに準じたものとなる。
時系列はアジィールに追撃されたマカロフがナツやラクサスらとともに脱出したあとで,場所は妖精の尻尾の本拠地があるマグノリアだ。マグノリアに突如としてモンスターが来襲し,ナツたちは巻き込まれた人々を救うために戦うことになる。
「アルバレス帝国」の実力者「スプリガン12」の一員であるアジィールは妖精の尻尾のマスターであるマカロフを追撃。ナツたちも戦うが敵わず,仲間たちの助けで辛うじて脱出した
前作はワールドマップを介して各エリアのマップへと赴くエリア形式だったが,今回はマグノリアを中心にエリアがシームレスにつながった構成になっている。マグノリアから外に出るとそのまま森や川が広がるフィールドを探検することができ,世界の広がりを体感できる。
フィールドは美しく,そこかしこに宝箱が隠されているため,探索しているだけで楽しい。フォトモードもあるので,製品版では絶景をバックにスクリーンショットを撮るのも楽しいはずだ。
歩き回っているとパーティメンバーがいろいろなテーマで雑談を始めるので,道中は実に賑やか。また,あちこちには野宿できる「焚火」があり,仲間たちが過去を振り返ったり,語らったりするイベント「仲間とのひととき」を楽しめる。
ゲームが原作の終盤からスタートするため,さまざまなキャラクターの名前や用語が出てくるが,Tipsを開いてその場で意味を調べられるうえ,これまでのナツたちの冒険のあらすじも見られる。本作から「FAIRY TAIL」に入門するのもアリだろう。
フィールドには獣やモンスターがうろついており,接触することでバトルに突入する。前作のバトルは敵が9マスの戦闘マップ上に配置され,その位置関係を見ながら戦略的にスキルを使っていくというもので,思考重視のスタイルだった。
一方,本作はリアルタイムでバトルが進む中,タイミング良くボタンを押してスキルの使用や防御を行っていくダイナミックなシステムとなっている。
バトル中はリアルタイムでキャラクターの「行動力」が増えていき,満タンになると行動可能になる。それぞれのキャラクターは[X]に「通常攻撃」,[Y][B]に「スキル」が割り振られている。
ナツなら[Y]に単体攻撃である「火竜の鉄拳」,[B]に範囲攻撃の「火竜の咆哮」。ウェンディは[Y]に回復の「ヒール」,[B]に単体攻撃「天竜の鉤爪」と,キャラクターによって使えるスキルはさまざまだ。
通常攻撃は3発まで連続して放て,敵にヒットさせるとスキルを使うリソースである「SP」が増加する。普通のコマンド選択式RPGであれば,通常攻撃を放った場合,スキルを使うのに次のターンまで待たなければならないが,本作では通常攻撃からそのままスキルにつなげられる。
そのスキルからはSPが続く限り,さらにスキルを出せるので,ナツなら通常攻撃3発の後,そのまま火竜の鉄拳→火竜の咆哮→火竜の咆哮とつなげられる。相手をブン殴った後にガンガン追撃を繰り出すのは見ていて爽快だ。ボタン入力も[X][X][X]→[Y]→[B][B]と連続で入力するので,ちょっとしたアクションゲームのような気持ち良さがある。
TGS 2024バージョンではナツ,ルーシィ,エルザ,ウェンディ,グレイ,ジュビア,ガジルの7人がプレイアブルキャラとして登場し,それぞれが前述したようなコンビネーションを派手に繰り出してくれる。モーションもアニメさながらの迫力で,ファンであればいろいろなキャラクターを使ってみたくなるはずだ。
スキルを当てて敵の「ブレイクゲージ」を削っていくと,連携技「リンクアタック」が発動可能になる。これは戦闘に参加しているメンバー2人からどちらかを選ぶと大技を放ってくれるというもの。
たとえば,エルザの「三位の剣」(トリニティーソード)なら攻撃+味方の攻撃力UP,グレイの「氷聖剣」(コールドエクスカリバー)は攻撃+「凍結」の状態異常を敵に与えるなど,メンバーによって威力や属性が変わる。
そして,すべてのブレイクゲージを削りきると,さらに強力な連携「ユニゾンレイド」が可能になる。こちらはメンバーの組み合わせによっては特殊な技も発動するので,迫力満点だ。
敵にスキルやリンクアタックを当てると「フェアリーランク」が上がり,SPが増えやすくなるうえに上限値もアップする。戦えば戦うほど派手なスキルやリンクアタック,さらに派手なユニゾンレイドが使いやすくなるという仕様になっており,バトルの迫力は加速度的にアップしていく。
もちろん敵もリアルタイムに攻撃を仕掛けてくるため,[LB]を押してガードすることも重要だ。自分が攻撃している最中はガードできないし,かといってガードしっぱなしでは行動力が増えずに自分のターンが回ってこない。攻撃の前には予兆が表示されるため,時にはあえて攻撃せずにガードを選ぶことも重要になるだろう。
また,ボス級の敵は強力な大技を出すこともある。大技の準備をしている間に,相性の良い属性を持つ味方のスキルを使って「リスキーゲージ」を削りきれば,発動を阻止できる。
以上のように,本作のバトルは派手さと戦略性を併せ持つものとなっている。ナツたちのダイナミックな動きやキャラクターどうしの連携を楽しみつつ,敵の行動にあわせてガードしたり,弱点を突いたりと戦略性もあり,なかなかに奥深い。キャラクターの表情もイベントやバトルでさまざまに変化するので,原作ファンにはたまらない作品となりそうだ。
前作をプレイした人はもちろん,今回ゲームに初めて触れる「FAIRY TAIL」ファンも楽しめるであろう「FAIRY TAIL2」,TGS 2024のコーエーテクモゲームスブースでプレイできるので,試遊予定の人は誰を使うか考えつつ会場へ足を運んでみよう。
「FAIRY TAIL2」公式サイト
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