連載
動きを学ぶブロック生命体の進化を,神視点でただ眺める「ANLIFE: Motion-Learning Life Evolution」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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誰も教えてはいない。それでも,失敗を繰り返すうちに彼らは少しずつ前へ進み始める。
世代が変わるたびに,その星だけの進化の歴史が静かに積み重なっていく。
本日は,Attructureが手掛ける「ANLIFE: Motion-Learning Life Evolution」を紹介しよう。
本作は人工生命の進化をテーマにした観察シミュレーションゲームだ。プレイヤーは直接生命体を操作することなく,神の視点で小さな球体惑星を見守りながら,そこに住むブロック生命体の進化を観察していく。
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このゲームの特徴は,生命体の動きがAIベースの独自アルゴリズムによってリアルタイムで学習される点にある。ブロックを組み合わせた生命体は,エサにたどり着くためにどう身体を動かせばよいかを,物理エンジン上で試行錯誤しながら自力で習得していく。
最初はその場でばたつくだけの不格好な動きも,世代を重ねるうちに歩行,這い,ジャンプ,泳ぎ,さらには飛行へと変化していく。これらすべての移動パターンは,同一の学習アルゴリズムから生み出されるものだ。
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進化のメカニクスはシンプルだ。エサを食べた個体はその体の構造を次世代に引き継ぎ,食べられなかった個体は淘汰される。
プレイヤーはエサの量や配置,気候,突然変異エサの使用といった環境条件を自由に調整することで,どんな形の生命が生き残るかに干渉できる。突然変異エサを食べた個体の子孫はブロック数がランダムに増減し,これまで見たことのない形状や動きの系統が生まれやすくなる。
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隕石を落として世界をひっくり返すような介入も可能で,進化の方向をがらりと変えることもできる。明確なクリア条件やミッションは存在せず,自分のペースで進化の実験を楽しむサンドボックスとして設計されている。
毎回違う動きが生まれる学習の面白さ
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生命体の動きは事前に用意されたアニメーションではなく,ゲームプレイ中にリアルタイムで学習されるものだ。
そのため「理屈はわからないが前には進んでいる」ような奇妙な歩き方や転がり方が頻繁に生まれ,同じ設定でも毎回異なる動きの系統が出現する。この予測のつかなさが,ただ眺めているだけで時間を忘れさせる理由になっている。
創造主として環境を手放しに操る
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プレイヤーが持つのは生命体を直接動かす手段ではなく,環境そのものを設定する権限だ。エサの豊富さ,突然変異の頻度,隕石落下といった条件を変えるだけで,まったく異なる進化の結果を引き出せる。
資源を絞れば効率よく動ける個体だけが残り,突然変異エサを増やせば見たこともない体形が現れる。こうした設定の違いが,プレイのたびに異なる「その星の歴史」を生み出している。
ながら見でも,じっくり見ても成立する
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本作は戦闘もスコアもタイムアタックも持たず,BGMやビジュアルのトーンも落ち着いたものに統一されている。プレイヤーは環境をいじりたいときだけ手を動かせばよく,あとはただ惑星を眺めていれば時間が流れていく。
積極的に操作しなくても生命体は勝手に学習し,勝手に世代を重ねていく一方で,エサ配置を細かく調整して狙った進化を引き出そうとすれば,それはそれで没頭できる。関与の深さを自分で決められる設計になっている。
「ANLIFE」は,目標もエンディングも持たないゲームだ。ただ,ブロックでできた生き物たちが転んで,学んで,少しずつうまく動けるようになっていく過程を眺めているだけで,不思議と時間が過ぎていく。
環境設定を変えてどんな形の生き物が生まれるか試したり,変な動きをする個体を見つけて思わず笑ったり。そういう,のんびりした実験を好む人にとっては,ほかにない体験を提供してくれる一本だ。
- 関連タイトル:
ANLIFE: Motion-Learning Life Evolution
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