連載
マフィア梶田の二次元が来い!:第524回「PS5とチョッパーにこんにちは。そしてヘルキャットにさよならを」
とてもショックですが,プロからそう言われてしまうと納得するしかありません。保険金が支払われても,思い出に値段はつかないのです。いつかまた,心が晴れた頃に再びダッジ・チャレンジャーを所有したいと思っていますが,今はまだかつての愛車に思い入れがありすぎて,すぐに乗り換える気持ちにはなれないというのが正直なところです。たとえ同じ形をしていても,それは俺が愛していたクルマではありません。別のクルマなのです。
しかしながら,そんな状況下で救いがあるとすれば,随分前から購入すると話していた2台目のクルマがいよいよ今月末か来月頭にも納車されるということです。元々は2台持ちにするつもりだったので,予定は狂ってしまいましたが……それでも,今後「乗るクルマが無い」という事態を避けられるのは不幸中の幸いと言えます。ヘルキャットのことはしばらく傷になってしまいそうですが,2台目もかなり面白いクルマなので納車されたら紹介させてください。
みなさんも,事故には十分にご注意を。人生一寸先は闇。この世界には理不尽が溢れております。誰かを傷つけるのは論外として,読者のみなさんが理不尽に傷つけられないことを祈るばかりです。
4GamerSPチャンネルにて好評配信中の「マフィア梶田のYouTuber始めました(仮)」。直近の更新では,2020年11月12日に満を持して発売された「PlayStation 5」をじっくりねっとり触ってきました。
マフィア梶田はPS5の抽選に全敗し,入手できなかったので,今回使用したのは編集部所有のPS5となります。嫉妬に燃える心を抑え込みつつ,本体デザインから純正コントローラーの握り心地まで詳細にレビューしてきましたが,PS4までに培ってきたノウハウが余すところなく活かされた高い完成度に驚き,ますます欲しくなりました。なるべく早く安定供給されるようになるといいですねぇ……。
ついに憧れのショベルヘッド・チョッパーが完成しました。元の車両からしてコフィンタンクにガーターフォークと,なかなか趣味性の強いチョッパーだったのですが,それが気に入ったのでなるべくテイストを活かしつつ,乗り味を自分好みに変えるオーダーをいろいろしていたら長い長い時間がかかってしまいましたね……。
目立った変更点としては,俺のガタイでは窮屈ということでミッドコントロールをフォワードコントロールに換装。また,そもそも足のサイズが大きいうえに常時エンジニアブーツを履いているものですから,思い切ってステップバーからフロアボードに変えて足回りのスペースを確保しました。取り付けに際し,削り出しでパーツを作成するなど,地味に大掛かりなカスタムポイントです。
また,ベルト剥き出しのオープンプライマリーに関してはそのワイルドさが気に入っていたのですが,念の為,最も危険な前半分だけカバーを取り付けました。これも地味にワンオフパーツです。そもそも命が惜しければチョッパーなんか乗るなという話なので自分は良いのですが……今後,動画や何かの企画で不慣れな素人に跨がらせた際,裾を巻き込んだり踝(くるぶし)を削り取られでもしたら大事ですよね。そんなわけで,スタイルと安全性の両立を狙った妥協点がコレです。シンプルなデザインながらカッコよく仕上がっているので,後々カバーにエングレービングなんかを入れてもらっても良いかもしれません。
そして実にチョッパーらしいラビットハンドルですが,個人的にはあまり好みじゃなかったのでエイプバーに換装。ガバっとワキを開いて腕を前に突き出すワイルドな乗車姿勢を実現しました。グリップも色合いにアクセントが欲しかったので,ブラスを取り入れてみました。今はピカピカですが,時間が経てば良い味が出てくるんじゃないかと。
それから気持ち程度の積載性を持たせるためにサドルバッグを取り付けたり,バイク用品ではないけど家にあったレザーポーチで飾り付けてみたり。こういった身近にある適当なモノでドレスアップできてしまうのも,チョッパーの良いところではないでしょうか。世の中にはガラクタからバイクのパーツを作ってしまう人もいるらしいですからね……。
ちなみに,チョッパーというのは「ぶった切る」という意味のチョップが語源です。その名の通り,余計なモノを削ぎ落としてしまうのがチョッパーの美学だと言われています。あえて乗り辛くすることを誇るような文化まであります。ですが,俺はチョッパーのルックスは好きでも,そういった既成概念にはまったく興味がありません。自分なりの考えで乗りやすいカスタムを施したことで,チョッパー愛好家からすれば邪道のバイク。一般的なバイク乗りからしても,外道のバイクです。つまり誰から見ても中途半端で妙ちきりんなバイクなんですが,それこそ最高に「俺のバイク」という感じがして嬉しいんですよね。これからも,どんどん俺好みのカスタムを施していくつもりです。
さて,ルックスはともかく,なにせサスペンションの無い“リジッドフレーム”のバイクですから,さぞかし乗り心地が悪かろう……と,みなさん思われているんじゃないでしょうか。これが実際に走ってみると,そうでもないんですよ。もちろん人によるものでしょうが,少なくとも俺はまったく不快じゃありませんでした。むしろリジッドだからこそ全身に伝わってくるダイレクトな衝撃に,心地良さすら感じています。
納車されてから数日後には朝からウキウキで栃木〜群馬あたりまで走り,そのまま仕事先にも行きました。1日でちょうど200kmくらい走りましたね。とにかく自分が乗りやすいようにカスタムしたので,高速走行も楽々です。ミッションは4速ですが,このタイプのバイクは60〜80km/hくらいで走るのが1番キモチイイので不満はありません。
長距離乗ってもノントラブルで楽勝……などと思っていたのですが,仕事終わりに帰ろうとしたらエンジンがかからず。「ははぁ,これがカブるというやつか」と,不安半分ワクワク半分でプラグを引っこ抜き,映画の見様見真似で磨いてからフキフキ。組み直して,見事にエンジンが始動した時の感動たるや。慣れてしまえばなんてことない経験なんでしょうけれども,初体験だったのでとても誇らしい気持ちになりました。古いバイクを買うということはつまり,こういった経験も含めて買っているんでしょうね。
で,不思議とこういったトラブルは重なるもんです。帰り道にはクラッチがおかしくなり,翌日,クラッチカバーを開けてみたところ,なんと中から大量の金属片が……。よく見てみると1本だけボルトが飛び出しており,それがクラッチカバーの裏側をガリガリに削っておりました。恐らくですが,リジッドフレーム特有の振動でボルトが緩んでしまったのでしょう。
バイクショップに連絡したところ,危ないということですぐレッカーしに来ました。というわけで,せっかく納車されたチョッパーですが初の長距離運転後に再入院。またしばらくお別れです。
しかしながら,実際にトラブルを経験したことで得たものも大きかったです。プラグもクラッチもバラしてみることでその構造が非常にシンプルだということを理解できましたし,ハイテクじゃないからこそ,いざとなればズブの素人である俺でも応急処置ができてしまう。自らの力でトラブルを特定し,直せた時の感動は筆舌に尽くし難いものがあります。テクノロジーが複雑化した最新のバイクでは決して味わえない要素じゃないでしょうか。
人によってはこういったトラブルが重なると嫌になってしまうのでしょうが,俺はむしろ逆。ますます好きになりましたね。しばらく乗ることができないのは辛いですが,経験を重ねていくことで対処できるスキルも身に付けていき,故障が愛おしくすらなっていくんだろうという確かな実感を得られました。こんなオンボロ,自らの命を天秤にかけるほどかと思われる人もいるでしょうが,追突事故の件からも分かるように,どう生きようが人生の保障なんて世界中どこにもありません。極論を言えば,今この瞬間にも隕石が自分に向かって落ちてくることすらありえます。だからこそ,俺にとっては楽しいと思えることが最優先。刹那主義が信条です。今後も人生というリセットボタンの無いゲームを全力で楽しんでいく所存でございます。
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