業界動向
NetEaseがBlizzard Entertainmentを提訴。中国でのゲーム配信契約停止による紛争で,約58億の未払い返還を求めた
中国経済メディア「第一財経」の4月24日の記事によると,Blizzard Entertainmentがライセンス契約に違反したとして3億元(約58.3億円)の未払い返還を求め,NetEaseが中国上海で訴訟を起こした。
その金額の内訳としては,NetEaseが支払った「World of Warcraft」などサービス停止したゲームに対するユーザー返金や,未発売ゲームの前払い金,未開発ゲームの手付け金などが含まれている。「World of Warcraft」など中国で代理パブリシングしたゲームの関連契約に,Blizzard Entertainmentの一方的な権利と利益を優先する不平等の条項が含まれ,関連条項の合法性および執行可能性に不適切があると主張した。
NetEaseがBlizzard Entertainmentを提訴した主な理由は,Blizzard Entertainmentが中国プレイヤーの返金義務を負うことを拒否し,中国サーバーのプレイヤーへ支払った返金に関連する前払金を,NetEaseに支払うことを拒否したからだと伝えられている。 1月24日に「World of Warcraft」「ハースストーン」「オーバーウォッチ」などのBlizzardタイトルのサービス停止後,NetEaseは112万人以上のプレイヤーへの返金を全額で支払ったとのこと。
今回の提訴は,Blizzardのゲーム運営を担当するNetEase上海(上海网之易网络科技发展有限公司)によって提起された。契約中止後,同社は経営解散し,10人ほど後処理をする社員のみまだ残されていると報じている。
なお,海外の大手メディアPCGamerからActivision Blizzardに詳細確認したところ,Activision Blizzardは「まだNetEaseから訴訟や関連書類を受け取っていない」とし,「NetEaseが運営(返金など)について責任を負うべくと契約に定めている」と付け加えていた。
Blizzard Entertainment,中国でのゲーム配信を2023年1月までに停止。NetEaseとの契約更新が合意に至らず
Blizzard Entertainmentは,NetEaseとのライセンス契約期間が終了する2023年1月23日までに,中国本土で展開するゲームタイトルの配信を停止すると発表した。2008年に契約を締結して以来,協力関係にあったBlizzard EntertainmentとNetEaseだが,今回,契約更新について合意に至らなかったという。
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