ニュース
低遅延,可変フレームレートなどに対応したHDMI 2.1が仕様確定で正式リリース。対応製品は2019年?
HDMI 2.1は今年1月のCES 2017のタイミングで発表されていたもので,当初は2017年Q2でのリリース予定だった。現在Q3後半なので,予定から少し遅れているが,無事に規格がまとまったようだ。
HDMI 2.1は信号の帯域幅を拡大し,最大10K解像度にまで対応した新規格となっている。新機能についてはリリースでまとめられているので詳細は省くが,ゲーマー的には,解像度とリフレッシュレートの拡大と低遅延化,そして可変フレームレートに対応したことがトピックと言えるだろう。
また,HDMI 2.1では48Gbpsに対応したケーブルも導入される。48Gbpsは8K/60Hzの映像信号(24bitカラー)を無圧縮で送信するために必要な47.78Gbpsを上回る帯域幅である。
広帯域幅な信号は,VRデバイスにとっても重要だ。HDMI 2.1は,4K解像度で120Hzの表示が可能とされているが,それに必要な帯域幅は23.89Gbpsであり,48Gbpsならば両眼分のデータを送信できることが分かる。
仕様の確定とは別に,現在テスト仕様書が作られており,今後,2018年第1四半期から第3四半期にかけて段階的に提供されていく模様だ。HDMI Forumメンバー各社が設置しているHDMI Authorized Test Centerにテスト仕様書が届けられ,テスト仕様書が届いてから検証が始まり,合格した機器がHDMI 2.1対応製品として世に出ることになるので,実際の製品は早くても2019年に登場だろうか。新たな映像デバイスの登場に期待しよう。
HDMI Forum公式サイト
HDMI フォーラム、 HDMI 規格のバージョン 2.1 をリリース飛躍的進化を遂げた新 HDMI 2.1、 最高 10K の解像度およびダイナミック HDR をサポートし新しい超高速 HDMI ケーブルを導入
カリフォルニア州、サンノゼ - HDMI Forum, Inc.Forum, Inc.は、本日、 HDMI2.0 採用するあらゆる企業に向けて HDMIR規格バージョン 2.1 のリリースを発表しました。この最新の HDMI 規格は、 10K までの解像度をサポートし、 より高い動画解像度とリフレッシュレート(8K60、 4K120 など) を実現します。 本規格は、 ダイナミック HDR フォーマットに対応し、 最高 48Gbps の帯域幅をサポートします。
■ HDMI 規格バージョン 2.1 に関するプレゼンテーション:
https://www.hdmi.org/download/hdmi_2_1/HDMI_Forum_2.1_Launch_EN_JA.pdf
新しい超高速 HDMI ケーブルは、 この 48Gbps 帯域幅まで対応し、 HDR の非圧縮 8K 動画を含む高帯域幅を必要とする機能の提供を保証します。周辺のワイヤレスデバイスとの干渉を軽減する、非常に低い EMI(電磁波妨害)がその特徴です。 本ケーブルは後方互換性を有し、既存の HDMI 機器で使用可能です。旧バージョンとの後方互換性を有する HDMI 規格のバージョン 2.1 は、 HDMI フォーラムのテクニカルワーキンググループによって開発されました。同グループは、家庭電化製品、 PC、モバイル端末、ケーブル、コンポーネントの世界有数のメーカーを代表するメンバーで構成されています。
HDMI フォーラムの会長であるソニー・エレクトロニクスのロバート・ブランチャード氏は「マーケット需要や、より高性能への要求を満たす規格を策定し、 次世代の製品にチャンスを与えることが HDMI フォーラムの使命です」と述べています。
HDMI 規格 2.1 の機能:
- より高い動画解像度は、没入型視聴やで素早いアクションのスムーズな表示を可能にするために、より高度な解析度と、より高速なリフレッシュレート(8K60Hz と 4K120Hz を含む)をサポートします。最高 10K の解像度は民生 AV、および産業利用やプロフェッショナルによる利用も対応可能です。-ダイナミック HDR サポートは、 動画のすべての瞬間で(シーンごと、あるいはフレームごとに)深度、ディテール、明るさ、コントラスト、幅広い色域が最適に表示されることを確実にします。
- 超高速 HDMI ケーブルは非圧縮 HDMI2.1 機能サポート用の 48G 帯域幅をサポートします。また、このケーブルはかなり低い EMI を特徴とし、 HDMI 規格の旧バージョンとの後方互換性を有することで、既存の HDMI 機器で使用可能です。
- eARC は接続を簡素化し、より優れた使いやすさを提供し、最も高度なオーディオフォーマットや最高のオーディオ品質をサポートします。オーディオデバイスと発表予定の HDMI 2.1 製品との完全な互換性を保証します。
- 向上したリフレッシュレート機能はゲーミング、映画、 動画視聴向けに、 スムーズかつシームレスなモーションやトランジションをさらに高い次元で実現します。 このリフレッシュレート機能には、以下が含まれています:
- 可変リフレッシュレート(VRR)は、ラグ、スタッター、フレームティアリングを軽減または排除し、よりなめらかでディテールに優れたゲームプレイを実現します。
- 映画や動画のクイックメディア切替(QMS)は、コンテンツが表示される前のブラックスクリーンになり得る遅延を排除します。
- クイックフレームトランスポート(QFT)は遅延を軽減し、よりスムーズでタイムラグのないゲーミングやリアルタイムインタラクティブ・バーチャルリアリティーを実現します。 .
- 自動低レイテンシーモード(ALLM)によって、最適なレイテンシー設定が自動で行われることにより、スムーズでラグのない、途切れのない視聴やインタラクションが可能になります。
HDMI 2.1 コンプライアンステスト仕様書(CTS)は、 2018 年第 1 四半期〜第 3 四半期にかけて段階的に提供され、 HDMI アダプターはリリースに合わせて告知されます。
HDMI フォーラムのグローバル会員拡大に向けた取り組み
HDMI フォーラムは、 HDMI テクノロジーを未来へと導き、 HDMI 規格の新しいバージョンを開発するオープントレードアソシエーションです。現在 92 社の会員企業を擁する HDMI フォーラムでは、さらに多くの企業会員を募集しており、 HDMI テクノロジーの未来への貢献を積極的に呼び掛けています。また、 HDMI 対応の製品とソリューションの世界的な普及が進んでいる中、より多くの企業に参加を呼び掛けています。HDMI 2.1 規格または HDMI フォーラムのメンバーシップの詳細についてお問い合わせになりたい場合は、次のイベントのブースまでお越しください: 2018 年 CES 会場「LVCC South Hall 1」、 「HDMI LicensingAdministrator, Inc.」のブース(ブース番号 20542) 。 vrobbins@hdmi.org に連絡を取り、 CES ミーティングをセッティングしていただくこともできます。
HDMI Forum, Inc.について
HDMI Forum, Inc.は非営利の共益団体であり、家庭電化製品、 PC、モバイル端末、ケーブル、コンポーネントの世界有数のメーカーで構成されています。 オープントレードアソシエーションである HDMI フォーラムの使命は、業界のより多くの企業が HDMI 規格の将来のバージョンの開発に携わるよう促し、 HDMI 対応製品の互換性とエコシステムをさらに拡大することです。 HDMI フォーラムまたはメンバー登録の詳細はwww.hdmiforum.org をご覧ください。
HDMI Licensing Administrator, Inc.について
HDMI Licensing Administrator, Inc.(HDMI LA)は、 HDMI 規格のバージョン 2.x のライセンス供与を行うために HDMI フォーラムが指定した代理業者であり、またすべての旧バージョンの HDMI 規格のライセンス供与を行うために HDMI ファウンダーズが指定した代理業者です。 HDMI LA はマーケティング、販売促進、ライセンス供与、管理サービスだけでなく、 HDMI 規格のメリットについての情報を規格採用企業、小売業者、消費者に提供しています。詳細は www.hdmi.org をご覧ください。
HDMI と HDMI High-Definition Multimedia Interface、 HDMI ロゴは、米国およびその他の国における商標または登録商標です。
- この記事のURL: