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[TGS 2019]精密金属部品メーカーがゲーマー向け製品に参戦!? メタルマウスパッド「NINJA RATMAT」の工業製品っぷりに痺れた
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印刷2019/09/14 11:58

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[TGS 2019]精密金属部品メーカーがゲーマー向け製品に参戦!? メタルマウスパッド「NINJA RATMAT」の工業製品っぷりに痺れた

 ゲーマーが普段目にすることの少ない分野の製品を披露していた「ジェルトロン×明成商会」ブースのように,ゲーマー向け製品への参入を目指してTGSに初出展した意欲的な企業はほかにもある。ホール9にブースを設けた電子部品用の金型部品メーカーである竹内型材研究所もその1つだ。

金属板が並ぶ竹内型材研究所ブース
画像集 No.002のサムネイル画像 / [TGS 2019]精密金属部品メーカーがゲーマー向け製品に参戦!? メタルマウスパッド「NINJA RATMAT」の工業製品っぷりに痺れた

画像集 No.009のサムネイル画像 / [TGS 2019]精密金属部品メーカーがゲーマー向け製品に参戦!? メタルマウスパッド「NINJA RATMAT」の工業製品っぷりに痺れた
 思いっきり異業種である竹内型材研究所が展示しているものは,4種類の超平面メタルマウスパッド「NINJA RATMAT」シリーズだ。スタートは同社の若手が中心となった社内スタートアップだそうで,2018年からTwitterでリサーチを進めて,2019年10月からに受注生産を開始するというアナウンスとともに,TGS 2019に出展といった流れである。

 マウスパッドを開発したそもそものきっかけは,市販の製品は事実上使い捨てで,使用している間にごく短期間で性能が低下してしまうことが気になったからであるという。そこで,eスポーツシーンをターゲットに,自社のものづくりノウハウを活かせないかと考えたそうだ。
 上述したように,同社は金属加工を得意とするメーカーであり,耐久性の高いマウスパッドとして,得意とする金属の採用に至ったということだった。

 現在ラインナップしているメタルマウスパッドは,「臨[RIN]」「兵[PYO]」「闘[TOU]」「者[SHA]」の4種類。いずれも工業製品品質で生産しているそうで,JIS1〜2級レベルの平滑度と平行度を持ち,表面処理によって極めて低い摩擦係数を実現したという。これにより,マウス操作時の滑り始めの良さと止めやすさを生み出しているということだった。
 製品名から察した読者もいるだろうが,メタルマウスパッドの命名は,九字護身法が元ネタだ。スタッフは,今後のラインナップとして皆・陣・烈・在・前もあると予告していた。ただ,金属とは不思議なもので,素材の含有量を変えれば別物になるし,表面処理の効果もまた変化するため,将来的には製品名が九字護身法に留まらないこともあるそうだ。

 4製品の中でも,特徴的なのが臨[RIN]だ。鋼を材料として,焼き入れ工程や圧延加工を駆使して生産するそうで,強度は鉄の5倍。日本刀の製法で,強度は鉄の6倍と聞くが,マウスパッドとしては圧倒的な強度だ。ただ,想像がつくとおり,重量は約3kgと重い。

臨[RIN](型番:NR001)。日本の伝統技術であるきさげ加工を意識したもの。ちょうどいい滑り具合が印象的だった。サイズは400(W)×300(D)×3(H)mm
画像集 No.004のサムネイル画像 / [TGS 2019]精密金属部品メーカーがゲーマー向け製品に参戦!? メタルマウスパッド「NINJA RATMAT」の工業製品っぷりに痺れた

 兵[PYO]も臨[RIN]と同様に鋼を材料としている。一方,闘[TOU]と者[SYA]はマグネシウム合金を使用したもので,それぞれ素材の含有量が異なるそうだ。臨[RIN]や兵[PYO]は鋼なので,マウスに磁石があると磁力の影響が生じてしまうが,闘[TOU]と者[SHA]なら,その心配がない。

 4種類のメタルマウスパッドは,それぞれ表面処理も異なるそうで,それによってフィールやマウスとの相性を生み出している。たとえば,臨[RIN]の表面には,縦横に細かい溝がある。溝の深さはわずか5μm以下とのこと。この溝はマウスのくっつきを防止することと,トラッキング精度を高めることの2点を目的に採用したそうだ。

臨[RIN]の表面。マクロレンズを持ってこれば良かったのだが,細かい溝で覆われた表面の雰囲気は分かるかと思う
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兵[PYO](型番:NR002)。細かい波紋形状を設けて,表面処理で低摩擦化したもの。臨[RIN]よりも滑りやすいという。なお,いずれもサイズは臨[RIN]と同じだ
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闘[TOU](型番:NR003)。マグネシウム合金を採用したバランス型。鋼の2製品よりもマウスを止めやすく感じた
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者[SHA](型番:NR004)。静摩擦係数は約0.1μ,動摩擦係数0.05μとのことだが,数値の意味は分からなくても,マウスがよく滑るのは分かる。ただ,表面処理がデリケートであるため,取り扱い方法の確認は重要だ
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 NINJA RATMATの公式Webサイトでは,各メーカーのマウスを用いて,第三者機関に委託したマウステスターの計測データを公開している。第三者機関で検証するといったあたりはいかにも工業製品の手法だが,それだけに留まらず,ゲーマー視点での評価も行っている点にも注目したい。

 価格は6〜9万程度と安いものではないが,耐久性の高さから長く使えることを考えると,必然的とも言えよう。工業製品を手がける竹内型材研究所からすれば,当たり前のことかもしれない。ちなみに説明を受けている過程で,作り方が実直でとても泥臭い(もちろん褒め言葉の意味で)と感じたのだが,実際,NINJA RATMATの「RAT」は,泥臭いという意味も含んでいるそうだ。

非売品だがメタルマウスパッド用の除菌ウェットティッシュもあった。銀イオンと植物由来アルコール配合とのこと
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 気になる耐久性についてだが,いくつかのマウスソールを使用してテストしてみたものの,先にソールのほうがダメになるばかりで,今のところどれくらい表面処理が耐えるのかは不明なのだそうだ。材質的に考えれば,6〜9万円のもとは余裕で取れるくらい耐えてくれそうに思える。試験評価結果を公開していることを考えると,ある程度のデータが揃った時点で発表されるかもしれない。
 余談気味だが,展示品の下には,マウスパッドと同サイズの滑り止めシートが貼り付けられていた。また,冬場はキンキンに冷えてしまうため,滑り止め機能のあるヒーターも開発中なのだそうだ。

 高価な製品でもあるので,実際に触れてみてから検討すべきアイテムだ。TGS 2019へ行くのであればチェックをお勧めする。なお,竹内型材研究所でも試すことができるそうだが,要問いあわせとのこと。今後はゲーム関連イベントにも積極的に参加していくそうなので,NINJA RATMATの文字や輝くマウスパッドを見かけたらチェックしてみよう。

NINJA RATMAT公式Webサイト

竹内型材研究所 公式Webサイト


4Gamerの東京ゲームショウ2019特設サイト

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