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ThunderboltでファイルやデスクトップをPC同士で共有する「Thunderbolt Share」をIntelが発表
Thunderbolt Shareを利用するには,Thunderbolt 5/4を搭載する2台のPCと,「Thunderbolt Shareアプリ」が必要になる。Thunderbolt Shareアプリは,ライセンスを受けたPCメーカーや周辺機器メーカーが,PCにプリインストールしたり,ダウンロードサービスで提供したりすることになるそうだ。
なお,Thunderbolt Shareアプリが提供されるOSはWindowsのみだが,Intel製CPUだけに制限されているわけではないという。IntelがThunderbolt Shareの動作保証を行うことはないものの,たとえばAMD製CPUを搭載するPCに,PCメーカーがThunderbolt Shareを提供することは可能とのことだった。
リモートPCでゲームをプレイすることも可能
Thunderbolt Shareで共有を行うPC同士の接続は,Thunderboltポートの直接接続のほかに,Thunderbolt Dockを介した接続も可能だ。Thunderboltの仕様上,ケーブル長は2m以内という制限があるので,離れたPC同士をThunderbolt Shareでつなぐことはできないが,代わりに一般的なGigabit Ethernetによる有線LANの10倍以上という広帯域で共有が可能ということが利点と考えていいだろう。
Thunderbolt Shareアプリは,デスクトップやファイル共有のほかにも,ファイルの同期や新規PCへのデータ転送も可能だ。これらには,「Thunderboltネットワーク」と呼ばれるネットワーク技術が使われており,「一般的なネットワーク共有に比べて,高いセキュリティが特徴」と,Intelはアピールしていた。Windowsファイアウォールが機能するほか,ファイル共有はWindows SMBプロトコルが使用されるそうなので,物理層としてThunderboltを使用するネットワークの一種だろう。
ただし,サードパーティのネットワークアプリケーションを利用したりはできないと,Intelは説明している。つまり,Thunderbolt Shareを介して2台のPCでゲームのネットワーク対戦を行うことは,現状ではできないようだ。
有線LANなどによるネットワーク共有に対する利点としては,40Gbpsという超高速伝送に加えて,デスクトップ共有の映像伝送が非圧縮で行われるため,極めて遅延が小さいという点を,Intelは挙げている。
Intelによると,解像度1920×1080ドットのデスクトップ共有ならば,60fpsのフレームレートで表示可能で,マウスやキーボードの遅延もほとんどないとのこと。そのためリモートPCでゲームを快適にプレイできるそうだ。有線LANなどを使ったデスクトップ共有だと,遅延やフレーム落ちが大きすぎてゲームにならないことが多いので,ここは確かにアドバンテージと言えるかもしれない。
たとえば,高性能GPUを搭載したゲーム用のPCのデスクトップをノートPCで共有し,ノートPCでゲームをプレイするとか,2台のPCを使って2つのゲームを同時にプレイするといった応用が考えられるだろう。いちいち画面やキーボード,マウスを切り替える必要がないので,プレイアビリティが向上しそうだ。
もっとも,ケーブル長が2m以内という制限はあるが。
Thunderbolt Shareは,2024年第2四半期からの提供を予定している。Thunderbolt Shareを利用したいPCユーザーはロゴを目印に,Thunderbolt対応PCを購入するといいだろう。
IntelのThunderbolt情報ページ
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