業界動向
Xbox事業を率いてきたドン・マトリック氏が,ZyngaのCEOに就任。創業者であるマーク・ピンカス氏は,会長および製品担当のCPOに
これまでZyngaのCEOだった創業者のマーク・ピンカス(Mark Pincus)氏は,今後は会長兼チーフ・プロダクト・オフィサーというポストに就くことになり,経営からは一歩退くものの,製品開発には関わっていくこととなる。
Zynga公式Blog「Excited To Be Here」
マトリック氏は1982年,17歳のときにカナダのバンクーバーにゲームメーカー,Distinctive Softwareを設立し,「Test Drive」を発売。1991年にDistinctive SoftwareがElectronic Artsに買収されてEA Canadaに名称変更されると,「Need for Speed」シリーズの開発を担当した。1996年以降はEAのワールドワイドスタジオの社長に就任し,その後約10年にわたってEAブランドに携わってきたという経歴を持つ人物。
2007年以降は外部顧問としてMicrosoftのXbox事業に関わるようになり,2010年にインタラクティブエンターテイメントビジネス部門の社長に就任。Microsoft在職中の6年あまりで,Xbox 360の販売台数を約1000万台から約7800万台に,Xbox LIVEの会員数を約600万人から約4800万人にまで引き上げた功績があるという。
Zyngaは,2011年12月の株式公開以降,業績が低迷し,社員の18%をリストラするなど厳しい運営が続いていた。ピンカス氏の去就も内外で取り沙汰されてきたが,企業経営に豊富な経験があり,ハードやソフト,ネットワークなど複数のプロジェクトをこなしてきたマトリック氏をCEOに迎えることで,経営の刷新を狙ったものと思われる。
Xbox Oneの北米ローンチを前にマトリック氏を失うことになったMicrosoftの損失は小さくないはずで,その影響も気になるところだ。
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