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アナログゲームの祭典「ゲームマーケット2017春」レポート。「SAO ボードゲーム」やTCG「レギオンズ!」など人気タイトルは開場と同時に大行列
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印刷2017/05/27 00:00

イベント

アナログゲームの祭典「ゲームマーケット2017春」レポート。「SAO ボードゲーム」やTCG「レギオンズ!」など人気タイトルは開場と同時に大行列

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 2017年5月14日,アークライト主催によるアナログゲーム即売会イベント「ゲームマーケット2017春」が,東京ビッグサイトの東1・2ホールで開催された。
 アナログゲームの祭典としてすっかり定着した本イベント。「春」のゲームマーケットは例年のゴールデンウィークの開催だったが今年は少し時期がずれて,GW明け一週間後の日曜日となった。

 2016年12月に開催された「〜2016秋」は東7・8ホールで開催されたが,今回はさらに広い東1・2ホールで行われ,ブース数は40ほど増加して570ブースに。来場者数も前回比1000人アップの1万3000人だったが,通路はゆったりめに確保されていたため,ボードゲームを大量に購入して両手に大荷物を持っていても十分に歩きやすかった。

開場前は相変わらずの大行列。カタログを見て本日チェックするボードゲームの最終確認をしながら待っている人が多かった
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10時の開場と同時にお目当てのブースへダッシュ……は禁じられているので,気持ち早歩きで向かう
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東1・2ホールを広々と使っており,通路も全体的に広めになっていた
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人気ゲームは開場と同時に行列! 会場の外まで列ができる“壁サークル”も


 開場すると各自お目当てのブースへと向かっていくのはいつもの光景だが,今回はとくに目立ったゲームがいくつかあったので紹介しておこう。
 まずは,企画・開発アークライト/発売・販売KADOKAWAの「ソードアート・オンライン ボードゲーム ソード・オブ・フェローズ」だ。「ラブレター」でおなじみカナイセイジ氏がゲームデザインを手がけ,2017年6月29日に発売するところを,会場では1か月半ほど先行発売されるということで早くから行列ができていたようだ。
 たくさんのダイスを使って,1〜4人で遊ぶ協力ゲームで,ボードゲーム初心者でも遊びやすい内容となっている。筆者は開場30分後にアークライトブースに到着したが,ちょうど売り切れたタイミングだった。

「ソードアート・オンライン,ただいま売り切れましたー!」との声が聞こえ,慌てて売り場に近づくとこのとおり。個人的にも今回のタイミングで欲しかったのだが……
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「ソードアート・オンライン ボードゲーム ソード・オブ・フェローズ」公式サイト


 もうひとつは「Heart of Crown〜ハートオブクラウン〜」(以下,ハトクラ)でお馴染み,FLIPFLOPsが満を持して放つ「レギオンズ!」だ。「ゲームマーケット2016秋」では試遊卓が用意されていただけだったが,今回ついにゲームマーケットでの先行発売が行われた。
 ハトクラはデッキ構築型ゲームだったのに対し,「レギオンズ!」はトレーディングカードゲームということもあって,カードショップでの販売も行われるとのこと。スターターセットは2人ぶんのデッキが入っており,ブースターパックは1パック10枚封入。まずは全110種ということで,これからトレーディングカードゲームを始める人にも手頃なボリュームと言えそうだ。

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待機列は会場の外まで続いていたFLIPFLOPsの「レギオンズ!」。先行発売ということなので,今回買えなかった人は6月の正式発売を待とう
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「レギオンズ!」公式サイト



ホビージャパンがオリジナルゲーム開発を本格始動


 ホビージャパンブースは新作先行販売やダメージ品の格安販売などがあって,いつもにぎわっているのだが,今回は「ホビージャパン ゲーム開発部」というブースを別途構えており,ホビージャパンが独自に開発したボードゲームを展示・販売していた。
 というわけで,オリジナルゲーム開発に至った経緯をホビージャパン ゲーム事業部 部長の一戸健史氏に話を聞いた。

ホビージャパンの一戸健史氏(右)と,「ペアっと!」のゲームデザインを手がけた岡田 耕氏
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 これまでスクウェア・エニックスと共同開発という形で「ファイナルファンタジー・トレーディングカードゲーム」や「チョコボのクリスタルハント」を展開していく中で,日本のボードゲーム市場の盛り上がりもあって「ボードゲーム開発チームを編成して,国内市場向けにオリジナルタイトルを作っていくことになった」そうだ。
 ホビージャパンによるオリジナルタイトルとしては,2016年12月に発売された「たたらばと森」が最初となるが,これは手作りボードゲームチーム「たなごころ」がゲームマーケットで試遊展示したものをホビージャパンが製品化したという経緯で発売されたもの。今回出展した「ペアっと!」がホビージャパン完全オリジナルゲーム1作目となる。
 「今後も半年に1本のペースで新作をリリースしていく予定です」とのことなので,これからの展開にも期待したい。

「ペアっと!」はトランプの神経衰弱をベースに特殊効果が発動するタイプのゲーム。プレイ人数3〜5人,プレイ時間5〜15分と手軽に遊べるタイプだ
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伝統ゲームコーナーに「クリベッジ」登場
イギリス生まれのトランプを使ったパブゲーム


 伝統ゲームコーナーは,その名のとおり昔から伝わる伝統的なゲームを紹介・試遊できるコーナー。これまでも「ドミノ」「バックギャモン」「テキサス・ホールデム」「ごいた」といった王道なゲームが多く出展されている。有名なゲームだから名前は聞いたことあるけど遊んだことない……なんて人でも,ルールを教わって体験できるという貴重なコーナーだ。
 今回,扱われていたタイトルはトランプの「クリベッジ」。17世紀ごろ,イギリスで産まれたゲームで,現在もイギリスのパブなどで広く遊ばれている。ゲームプレイ時はクリベッジボード(専用のスコアボード)を使うと雰囲気が出るのだが,これは必須ではないので紙に「正」の字を書いてスコアを記録してもいい。

クリベッジボードを使ってスコアを記録する
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 ゲームは2人プレイで進行し,だいたい1ゲーム30分程度で決着が着く。プレイ中にスコアが加算され,先に121点以上獲得したほうが勝ちとなる。抜きつ抜かれつの接戦が続くため,最後までどっちが勝つかわからないのが「クリベッジ」の魅力だ。

コーナーは終日賑わっており,説明をするインストラクターもあちこちとテーブルを回って終始忙しかったそう
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 今回,このゲームを伝統ゲームコーナーに推した日本ゲーム協会(JAGA)の諸隈 純氏によると,「日本ではまだまだ広まってないと思います。私がJAGAの例会でみんなに教えて広めているくらいですね」とのことで,日本のプレイヤー人口はそれほど多くなさそうだ。ボードゲーム業界全体が国内で注目されるようになって,少しずつではあるが「クリベッジ」のゲーム性に注目するファンも増えてきたという。
 トランプとプレイヤー2人さえ揃えばいつでもどこでもプレイ可能であり,ルールもネット検索で調べることができる。手っ取り早く遊びたいと思ったら,「JAGAの例会に来てくだされば教えますし,プレイヤーもいます」とのことなので,興味がある人はJAGA公式サイトをチェックしてみてほしい。

クリベッジボードを持つJAGAの諸隈 純氏。さまざまなデザインがあり,コレクション性も高いという。伝統ゲームである証と言える
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5分でプレゼンテーションを行う「ライトニングトーク大会」


 特設コーナーでは,12時から16時まで4時間にわたりライトニングトーク大会が行われていた。ライトニングトークとは,5分という短い時間でプレゼンテーションを行うもので,何人もの人が入れ替わり立ち替わりでプレゼンを行う。
 気になる内容は,というと,「自分なりのカードゲームの作り方」「ボドゲ仲間をどう作る?」「初心者が楽しめるゲーム会とは」といった,日頃何となく疑問に思っているようなことをテーマに,ギュッと濃縮した形でプレゼンが行われた。基本的にはプレゼン5分,質疑応答5分といった形で進行した。

ライトニングトーク一覧。コーナーの出入りは自由なので,興味のある登壇者のときにフラリと観にくる人が多かった
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 このライトニングトーク大会でいちばんギャラリーを集めていたのは,Antoine Bauza氏による「PLAYTESTING」(テストプレイについて)だった。「最低50回,できれば100回はテストプレイすべき」「テストプレイヤーに関して,最初は友人に,次は友人の友人に,最終的にはまったく知らない人たちに遊んでもらう」と,テストプレイの重要性を力説し,ルールブックに関してもできれば同様に多くの人に読んでもらうべきだとしていた。

Antoine Bauza氏は「世界の七不思議」や「HANABI」など,大人気有名ゲームを数多く手がけたゲームデザイナーだ
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 そのほか,いくつか気になったライトニングトークをピックアップしておこう。

「英語が分からなくても!BGGの役に立つ使い方」(飯野俊兵氏) ボードゲームサイト「BoardGameGeek」をチェックするとき,どこを見ればいいかを伝授
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「ゲームマーケットの会場で面白いゲームを見つけるコツ」(蕪木P) 試遊しているスペースがあれば,遊んでいる人たちのリアクションも参考になるという
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「重量級ゲームのゲームデザインの役に立つ(かもしれない)3つの秘訣」(林尚志氏/OKAZU brand) 開発途中,思い切って別の要素を足してみることもある,というのは重ゲーならではのコツだろう
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「なぜキャプテンダイスは旧作イーウォーズとまったく同じゲームなのに5倍も売れて注目されたのか。〜ゲムマで注目してもらう方法論〜」(大門聖史氏/グランドアゲームズ) 5倍も売れて注目された要因は,楽しそうなプレイ動画にあるという
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次回「ゲームマーケット2017秋」は12月2日(土)と3日(日)の2日間開催!


 さて,次回の「ゲームマーケット2017秋」は,サークル数増加などさまざまな状況を鑑みて,12月2日(土)と3日(日)の2日間開催となった。サークルは申し込み時に土曜か日曜,もしくは両日を選ぶことになるが,基本的にはどちらかのみの参加サークルが多いと見込んで,今回の6割ほどのスペースとなる東7ホールでの開催となる。1日では難しかった大小いろいろなイベントを企画検討中ということなので楽しみにしたい。
 また,今回のカタログでは「ゲームマーケット2018神戸は2018年2月予定」と書かれていたが,キャパシティを増やすために日程と場所が変更された。「ゲームマーケット2018神戸」は,「ゲームマーケット2018大阪」となり,2018年4月1日(日)にインテックス大阪で開催される。こちらも徐々に規模が大きくなっており,西日本でもボードゲーム熱が高まっていることがうかがえる。

 以下,筆者が気になったブースをまとめて写真で紹介する。会場に足を運べなかった読者も,雰囲気を少しでも味わってもらえたらと思う。
 
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「ゲームマーケット」公式サイト

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