［CJ2023］大好きなあのキャラクターの声を出せるかも。「Dubbing Voice Engine」というAIボイスチェンジャーを試してみた

　2023年7月28日から31日にかけて，中国・上海にて開催されているゲームショウ「ChinaJoy 2023」。そのB2B（Buisiness to Buisiness）エリアに，AIボイスチェンジャーを使った興味深いサービスを紹介しているブースがあったので立ち寄ってみた。


　HALO Gerzzという会社のブースで，出展されていたのは，AIボイスチェンジャー「Dubbing Voice Engine」を使ったサービスだ。。AIを利用して誰でも同じ声を出せるというソフトウェアで，ごく自然な形で音声を変換してくれる。

　このサービスの面白いところは，ゲームのキャラクターといった特定のボイスを再現できるところだ。一般的なボイスチェンジャーでは，自分で数値を調整して音声を変えるプリセットを用意するが，このサービスでは用意されているAIで学習済みのボイスを使用することで，自然な音声変換を可能にしている。


　実際に試してみたが，リアルタイムでかなり自然な音声変換ができていることに正直驚いた。かなり前にボイスチェンジャーを試したことがあるが，声の性別を変えるのは難しく，なかなか自然な声質にならなかった記憶がある。しかし，AIボイスチェンジャーでは，男性から女性への変換も違和感なく行われていた。これは，アニメ「名探偵コナン」に出てくる「蝶ネクタイ型変声機」レベルと言っても過言ではないかもしれない。
　また，音声変換以外には文章を読み上げる機能もあり，これも自然な感じで読み上げられていた。

　現在はゲームとのコラボレーションも行われており，ゲームの登場キャラクターの声を学習して，ゲーム内でのボイスチャットをそのキャラクターの声でできるようなシステムを提供しているそうだ。会場のシステムには，「原神」などのキャラクター音声が登録されていた。

　誰でも特定のボイスを再現できるAIボイスチェンジャーだが，メリットはほかにもある。それは，発音の補正機能だ。例えば，英語の発音がちょっと苦手だった場合でも，ネイティブのような発音に変換してくれるという。
　担当者から，その機能の話を聞いたときに思い浮かんだのが，SFで出てくる翻訳機（あるいはドラえもんのほんやくコンニャク）のような「リアルタイムの音声自動翻訳発声」だ。それも可能になるのでは？　と聞いてみたところ，将来的にそうした機能の実装も目指しているとのことだった。


　AIボイスチェンジャーを実際に試してみると，いろいろな可能性が広がる夢のあるソフトウェアだと感じられた。Dubbing Voice Engineは中国でβテスト中だが，グローバル展開を考えているとのこと。AIボイスチェンジャーの技術自体はすでにいくつか存在しているが，新たなツールとして中国以外でも使える日を楽しみに待ちたい。

「ChinaJoy 2023」公式サイト

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