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大自然の中でゲームを開発したっていいじゃない。「奥多摩ゲームジャム」に参加して見えてきた,クリエイターの「新しい生き方」
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印刷2024/02/28 08:00

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大自然の中でゲームを開発したっていいじゃない。「奥多摩ゲームジャム」に参加して見えてきた,クリエイターの「新しい生き方」

画像集 No.011のサムネイル画像 / 大自然の中でゲームを開発したっていいじゃない。「奥多摩ゲームジャム」に参加して見えてきた,クリエイターの「新しい生き方」

 ビデオゲーム開発にはどんなイメージがあるだろうか? 都市部のオフィスに集まるスタッフの風景? パーテーションで区切られたスペースのなかでもくもくと作業する光景? 高層ビルの一階層を陣取り,綺麗にデザインされたインテリアに彩られた企業の眺望? 

 いずれにせよ平均的なイメージはインドアな印象が強いだろう。しかし,それらは広大なビデオゲーム開発現場の一面に過ぎない。

 現代におけるゲーム開発で暮らしていくための道は,企業に所属するだけではない。独立した個人や小さなチームでもやっていけるような多様な道が築かれている。同じように,クリエイターの生き方だって数多の道がある。その中には大自然の中で暮らし,ビデオゲームを作る道を選択した人たちがいるのだ。

 つい先日,そんな数多の道を体験するかのようなイベントが行われた。「奥多摩ゲームジャム」である。これは全世界で開催されるゲームジャム「Global Game Jam 2024」(以下,GGJ2024)に参加しているイベントのひとつで,今年の1月26日から28日にかけて行われた。今回はこちらのゲームジャムに実際に参加して,見えてきたものを紹介しよう。これは単なるイベントに終わらず,ここには東京の最西部に広がる自然の中で暮らし,ゲームを開発するという可能性があった。

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生成AI(DALL·E 3)で出力たゲームジャムのイメージ。ところどころ極端すぎるが……まあインドアなイメージということだろう

 ゲームジャムとは参加者が限られた日数のうちに,チームで特定のテーマに沿って1作のゲームを開発するイベントのことだ。開発の制限日数やテーマ設定,チームがランダムで組まれるか,決まったチームかで行うかはイベントによって違う。今回のGGJ2024の場合は “Make Me Laugh (私を笑わせて)”をテーマに,参加者からランダムに組まれたチームが3日以内に1作を制作するものである。

 ゲームジャムの利点は,短い開発期間ながらゲーム開発で必要な一連のプロセスを体験できることだ。チームで役割を決めて開発し,リリースまで行う。このプロセスのみに絞れば,基本的に小さなタイトルからAAAタイトルまで違いはない。一般的に「ゲームを一本完成させる」ことは,なによりもクリエイターの経験値を大きく上げてくれる。だからこそゲームジャムは世界で定期的に開催されているのである。

 ただその中でも奥多摩ゲームジャムは特殊だった。一般的なゲームジャムでは,指定された貸しオフィスや貸しスペースに集まり,その場でチームを決めてから開発が始まることが多い。参加者がチームごとに分けられれば,その後は時間いっぱいまで開発に専念する。それは実際のゲーム開発現場の要素をぎゅっと凝縮したみたいなインドアなものだろう。

 それに対して奥多摩ゲームジャムの場合,イベントのほとんどがアウトドアで進む。イベントの1日目こそ,Discordでチーム分けを行うというゲームジャムでありふれたものだ。僕はライターとしてテキストが書けることもあってか,ノベルゲーム・ADV系のチームに割り振られた。2日目から他にない流れになる。この日から奥多摩の現地に参加者が集まるのだけれど,最初にやるのはラップトップを持ち寄って企画を考えることじゃない。自然散策である。

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都内在住で,昼夜が逆転しがちな生活を送りがちだと早起きして到着するまでが大変

 参加者たちは朝の10時から奥多摩にある駅のひとつ,鳩ノ巣駅に降り立った。早い時間で,都内からは電車の本数が少ないせいもあったのか遅れてしまった方もいたが,主催者の濱田隆史さんに導かれながら近隣の散策が始まった。

 「この散策も,ゲームのアイディアに生かしてもらってもいいですからね」そう濱田さんはみんなに声をかける。濱田さんはどこかおおらかな雰囲気がある方で,朗らかに参加者たちを導いてゆく。

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 濱田さんはかつてハル研究所に所属していたクリエイターだったが,2015年に独立。大学時代の仲間とギフトテンインダストリを立ちあげた。代表作は実際に家の間取り図を見ながら謎を解くADV「マドリカ不動産」シリーズなど,特殊なアプローチによるビデオゲーム開発を得意としている。現在は新作のADV「MR. ELEVATOR」を開発中だ。

「3年前に,子供の小学校入学を機に,国分寺市から引っ越しました。奥多摩に引っ越したのは,子供を自然の多い場所で中で育てたい,小学校が少人数学級だから,というのが大きいかもです」濱田さんはいまの生き方を選んだわけをそう語る。

「あとは,会社がある国分寺まで電車で通えることや,妻が東京都の職員なので,東京都内に通うことが前提,というところもあります。今は,奥多摩の自宅,奥多摩で借りている事務所,国分寺の会社,もしくは町の図書館で仕事をしています」

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山に囲まれた環境で,車が走る音や電車の音のようなノイズはまったく聞こえなくなる。静かで住んだ空気が流れる

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そんな環境のなかだと、飼い犬もこころなしか元気そうに見える

 そんな濱田さんが奥多摩でゲームジャムを開催するのも今回で3回目だという。「奥多摩はご存知のとおり東京都のはじっこで,何かイベントに参加するにしても遠いです。そうであれば自分でイベントを企画して人を呼んでしまおう,という狙いで始めた気がします」

 このように濱田さんはイベント開催に慣れているゆえに,自然体を崩さずに参加者たちを導けるのかもしれない。参加者たちは周りを山が覆う風景を眺めながら多摩川のそばを歩いてゆく。

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川が流れる谷底を眺めたりすることも

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自然に流れる水を利用したワサビ栽培の風景。「奥多摩ゲームジャムの制限時間が3日ではなく3年なら自然栽培版『Factorio』を作れないかなあ」とぼんやり思ったが,それはすでにゲームジャムではない

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草木が生い茂るなかに,唐突に氷の塊が姿を現わす。「これ『アナと雪の女王』みたいでしょ?」(濱田氏)奥多摩が少しも寒くないわなんてことはない

 時刻は11時を回ったころだろうか。GGJ2024のほかの会場では,すでに各チームが開発に取り掛かっているであろう時間だ。一方,奥多摩ゲームジャムの参加者たちは,自然に湧き上がる水で栽培されるワサビや,水道管から噴き出す水が凍りついた氷塊を眺めていた。

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 やがて一行は朽ちた廃墟の工場や旅館の側を歩くことになる。濱田さんによれば,工場は昭和の頃に稼働していたそうだが,今ではすべて人もいなくなった場所だという。濱田さんは奥多摩のランドマークについてもよく知っており,参加者が通りかかるとその歴史を教えてくれた。

 それにしても濱田さんの解説を聴きながら,廃墟のそばを歩いていくなんて,やっていることはまるで「Dear Esther」みたいなウォーキングシミュレータである。これでは得られるアイディアがナラティブベースなゲームばかりになるではないか……? それで「笑わせろ」をテーマにしたゲームを作ることなんてできるのか……? 「The Stanley Parable」みたいな笑いのゲームみたいなアイディアばかり浮かぶが作れるのか……? いろいろな不安がぐるぐると頭の中を渦巻くが,まあとりあえず空気がきれいなのでなんでもいいかとも思った。

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 「霊感が強い人はいます?」唐突に濱田さんが参加者に向かってそう言った。朽ちた旅館のあたりに差し掛かったときだ。「このあたり,自殺を考えて訪れる人がいるんですよね〜」濱田さんはさらっとそう言う。参加者たちの笑顔は消えていた。

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かつて奥多摩での観光が盛んだったころ、旅館のビジネスは活発だった。しかし活況が去ったほかに、さまざまな理由が重なり、旅館の一帯が廃墟になった

 気が付かないうちに,笑いのゲームを発想している場合じゃない笑えないシチュエーションに引きずり込まれていた。おい,「実はこの参加者たちが集まることは偶然ではなく仕組まれていたんだ」なんて言わないでくれよ?  誰かが消えていくとかやめてくれよな? もはやデスゲームとかクローズド・サークルのミステリみたいなシチュエーションである。そういうゲームを作る予定は最初からなかったのだが。

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普段インドア作業でラップトップやタブレットばかり触ることが多いだけに,まき割りをしたりするのは新鮮

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「いつか,たき火をやるゲームを作りたいんですよね」(濱田氏)

 もちろん誰かがひとりひとり消えていくこともなく,散策にひと段落をつけ,一行は民宿へとたどり着いた。時刻は15時を回ったあたりだろうか。ここでようやくチームでゲームの企画を話し合うのだが,なんと外で焚き火を起こしながらの相談となった。

 燃え盛る火のそばを人々が取り囲み,冷え込んだ手を温めながら話し合うだなんて,原始的で情緒的な風景だ。しかし,参加者たちが話し合っているのは「笑わせるってテーマでどういうふうにしますかね」「やっぱり一言でコンセプトがわかるゲームにしなきゃ」と開発に関する切羽詰まった話である。この企画会議のなかでチームメンバーの役割も決まっていく。僕はというと、簡単なシナリオや登場キャラのセリフを書くことになった。

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山本光男氏。長年,アナログゲームを開発し続けた経験で,他の参加者にヒントを与えていた

 そんな風にみんなが企画を話し合う中,濱田さんよりも早く奥多摩でゲームを作り続ける先達もゲームジャムに参加していたことに気づく。それがギフトボックス代表として,開発したゲームを個人出版するLOGY GAMESを運営する山本光男さんだ。

 山本さんのキャリアもまた,ゲームクリエイターとしては異色の経歴を持っていた。山本さんはもともとタイルに絵付けをする装飾工芸家を本業としていたが,1994年にアナログゲーム作家として活動をスタートし,やがて奥多摩へ移り住んだ。今回のゲームジャムも,アナログゲームを開発するチームに参加している。

「引っ越す前は荻窪でアトリエを構えていましたが,住まいのアパートとアトリエの家賃を足すと高額なので,アトリエ兼住まいを作ることにして奥多摩に家を建てて引っ越しました」

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山本氏が出がけてきたアナログゲームの数々(画像はLOGY GAMES公式サイトより)

 山本さんは本業のタイルに絵付けする加工を生かすことで,あまり大きなコストをかけずにアナログゲームを開発をするスタイルを作り上げていた。それゆえに30年近くにも及び,ゲーム開発を続けられているという。

 現在はゲーム開発でKickstarterを利用することで,活動の幅を広げている。興味深いのは、資金調達以外の利点に注目していることだった。「Kickstarterは言わば予約販売なので,プロジェクトでの購入数に応じて製品製作が出来ます。ほぼ無駄なストック0での展開が可能なので無駄な資金を必要とせずとても助かっています」というのが利用する理由である。

 山本さんがKickstarterを知ったのも数奇な縁があってのことだ。「2015年の初めに,奥多摩に移住されたオーストラリア人のデヴィットさんと知り合いました。雑誌編集の仕事をされていた方です。その方に僕のゲームを遊んでもらい,『Kickstarterと言うのがあって,沢山のゲームがプロジェクトを行って何千万も資金を獲得しているよ』と紹介してくれました。『英語は彼が担当するから,一緒にやってみないか』と誘われたのが最初です」

 山本さんはそれ以来,8年にわたり,毎年4作品の新作をリリースして暮らしている。これもまたゲームクリエイターの生き方のひとつなのだ。

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 たき火が終われば,民宿にこもり,参加者がラップトップをもちよって,ようやく実際の開発がスタートした。時刻は16時を回っていた。チームで話し合いながらみんな遮二無二で開発を進めていく。

 ただ僕としては「果たして間に合うのか……?」という思いで参加していた。開発のタイムリミットは翌日の午後3時,使える時間はかなり限られている。ゲームの完成形に悩んでいるうちに,あっという間に21時を回ってしまう。なんとか方向性が決まった,つぎはグラフィックスなどをどう絞っていくか……。そうあくせくしていると,「もうそろそろ就寝ですよ〜」という声が聞こえる。濱田さんからの言葉だ。時刻は22時を回っていた。

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画像は生成AIで出力したゲームジャム中盤〜終盤のイメージ。だいたいこういう心象風景。寝ずに開発するところもある

 えっ早すぎない? いま寝て間に合うの? 僕まだシナリオを書き終わってないんだけど?  もはや発想が納期を前にしたデスマーチの渦中にいるクリエイターみたいになっていたが,濱田さんによれば,今回就寝時間が決まっているのは「無理して開発するより,ちゃんと寝たほうが成果がありますよ」という理由からだった。このまっとうな意見,何度もゲームジャムを開催した経験ゆえだろうか。それとも自然のなかで暮らしてきたなかで見つけた考えだろうか……。

 ラップトップを片付け,参加者みんなで布団を敷いていると,なんだか中学や高校のころの修学旅行を思い出す。奥多摩ゲームジャムは,けっこういい歳になってから合宿とか修学旅行の感じを体験できるところも隠れた魅力かもしれない。30代を過ぎてからそんな体験は激減するので,その意味でも貴重な気もする。

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開発作業自体はインドアではあるが,民宿なのでどこか修学旅行気分だ

 確かに早起きした方が調子がよかった。とはいえ,最終日はそこまで時間も残っておらず,タイムアップまで民宿に籠って作り続ける。

 最後のほうになると,前日のたき火で企画を練っていた当初のもう少し大きめの構想だとか,グラフィックスや演出だとかは時間が無いので捨てていき,ゲームとして体験させたい最低限のポイントをブラッシュアップさせる方向でまとめていくようになる。僕の仕事で言うと、開発の残り時間が3時間を切るころには、ゲームに実装できるシナリオの文量は限られているのが分かり、最後のほうにはあらかた捨てることになった。このあたりも開発の末期らしい雰囲気かもしれない。

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 開発したゲームの発表は奥多摩のコミュニティセンターで行われた。発表会には地元の新聞記者も取材に来るなど,意外な注目度があった。

 参加者みんなが開発したゲームを見ると,この3日間の記憶が蘇るかようだ……。都内とまったく違う広大な自然。工場の廃墟や,無人と化した旅館。「霊感ある人はいます?」という一言の恐怖。焚き火を囲んで企画の話し合い……。そのどれもが今はエモーショナルだ。そんな体験のなか,開発されたゲームはどんなものだろうか? やはり自然やウォーキングシミュレーターやデスゲームものなのだろうか?

 ふたを開けてみると,全チームがそれらと無関係な作品を作っていた。

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笑い声を録音し,その声の力で対戦する「Laughing Battle」。プレイヤーが録音の時にめちゃくちゃに笑うというゲームプレイが異様だ

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山本さんも参加したチームによるボードゲーム「DREAMY BABY ADVENTURE」。生まれてくる赤ちゃんの顔を描くのが目的。目や鼻などの部位を,すごろくのマスで止まったところで獲得していく

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最後に僕が関わった『太鼓持ちが異世界で魔族たちを褒め殺す冒険』。ねじくれた異世界ものながら,ChatGPTの機能を利用した,「褒める」セリフを直接入力のRPGとなっている。僕は一部アイディアとシナリオ,セリフを担当。こちらはPC・スマートフォンのブラウザでプレイ可能。ぜひ魔王まで褒めたおすイエスマンとして異世界を生き延びてほしい

 “Make Me Laugh”をテーマにしたゲームはどれもユニークなものが揃った。相手をおだてる言葉を直接入力するトークバトルRPGや,笑い声を録音してバトルするアクションのほか,赤ちゃんの笑顔を作っていくボードゲームと,普通の体験ではないものが出来上がっていた。開発時間が少なめなど、いろいろ大変なところもあったが,全チームが完成することができたし,最後は参加者みんなで笑って終われたと思う。

 ゲームジャムをすべてのゲーム開発現場の性質が凝縮されたものとして見るならば,奥多摩ゲームジャムとは,都市部から離れて,なにか余白のようなものを持たせた開発環境を見せてくれる場所であったようにも思う。クリエイターが都市部の開発現場のような方法に縛られず生きる道があることも,実際にイベントを体験することで理解できた。

 ゲームジャムはゲーム開発の経験値を上げる。だけどそれだけではない。新しいクリエイターとの出会いもあるし,クリエイティブを発揮して生きていく新しい道を発見する機会でもある。

 今回の奥多摩ゲームジャムでは,実際にそこに住み,ゲームを作り続けるクリエイターに直接会い,一緒にゲームを開発することで,見えていなかった多様な道の存在に身をもって気づけたのだ。ゲーム開発が多様であり,そこから数多のゲームが誕生するのと同様に,クリエイターの生き方もまた多様である。

 「これをきっかけにゲーム開発者が近くに引っ越してくれたら嬉しいのですが,そんな方は,まだいません……!」濱田さんは最後にそう言った。とはいえ濱田さんや山本さんと同じ道を選ぶ人もいつか現れることだろう。新たな道がゲームジャムのなかで示されたのだから。

奥多摩ゲームジャム 公式サイト


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