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アナログゲーマーは眠らない。夜通し遊べるゲームコンベンション「Gen Con 2024」の夜を覗いてみた
多くのホテルと隣接し,夜通しで開催されるコンベンションであるGen Conでは,昼の時間帯では見ることのできない“夜の顔”もまた存在する。本稿ではそんな夜のGen Conをレポートしてみたい。
D&D50周年に沸いた「Gen Con 2024」会場レポート。新作や企画で賑わう現地の模様を写真と共に紹介
2024年8月1日から4日まで開催された北米最大のアナログゲームイベント「Gen Con 2024」の会場レポートをお届けする。いよいよ本番を迎え,さまざまなジャンルの新作に沸く現地の模様を,写真を交えながらお伝えしていこう。
「Gen Con」公式サイト(英語)
夜通し遊ぶ,タフなアナログゲーマーたち
アナログゲームを遊ぶための場としてスタートしたGen Conの目的は,なんといってもゲームを遊ぶことにある。それがテーブルトークRPGやミニチュアゲームであればなおのこと,がっつり遊ぼうとすればどうしても時間がかかってしまうもの。であればこその夜通し開催なのだが,そうは言ってもすべてのスペースが24時間開放されているわけではない。
物販会場であるエグジビットホールは18:00で閉まってしまうし,トークセッションなども昼間に開催されるものがほとんどだ。しかし,それ以外の会場スペースは,自由に出入りができる。ホテルはもちろん,巨大なプレイスペースとして利用されているLucas Oil Stadiumも同様で,そのあちこちでゲームが楽しまれていた。
筆者らが夜の会場を散策したのはイベント3日目の8月3日だったが,エグジビットホールが閉まってから2時間ほどが経過しているにも関わらず,Gen Con会場のIndiana Convention Centerには赤々と明かりが灯り,大勢の人が行き交っていた。
買い物が主目的の参加者がとっくに帰っている時間で,インディアナポリス中心部のショッピングモールの店もほとんどが閉店しているのに,ここだけは昼と変わらない活況ぶりである。
またIndiana Convention Center内の廊下では,椅子を円状に並べて人狼ゲームを遊んでいるグループも。昼は往来を妨げないよう開けたスペースになっていたが,同じ場所でも夜はまた異なる雰囲気に様変わりするようだ。
一方,夜間ならではのイベントも催されていた。Indiana Convention Centerの正面ゲート付近では,来場者から寄付された不要なカードゲーム用カードを用いて塔などのオブジェを作る「Cardhalla(カードハラ)」が行われていたが,この日はその最終日となっていた。
チャリティーを目的としたCardhallaでは,その締めくくりとして観客がお金を投げ,完成したオブジェを破壊することになっている。そのお金が寄付金になるわけだ。この日も歓声と共に1ドル札が飛び交い,大変な賑わいとなっていた。
ゲーマーのお腹を満たす夜の軽食スペースや物販ブース
夜通しゲームに興じていては,お腹が減るのも当然というもの。インディアナポリスの飲食店は夕方には閉まる店も少なくないが,会場には軽食や飲み物の売店があり,かなり遅い時間まで営業が続けられていたようだ。
一方,イベントには付きもののキッチンカーが集まるblock partyエリアは,昼には行列ができていたものだが,残念ながら夜までは営業していない様子。会場外では隣接するホテル内のバーやファストフード店が比較的遅い時間まで開いており,そこで食事をとる人も多かったようだ。ただし酒類を扱う店はあまりなく,実際にゲームで遊ぶ参加者の中でも,お酒を飲んでいる人は驚くほど少なかった印象だ。
また物販ブースが集まるエグジビットホールは閉まってしまうものの,ホール外であればゲームの購入も可能だった。例えば軽量級のゲームを多く扱うパブリッシャのallplayは,自社のプレイブースを夜間も開放しており,そこでゲームの販売も行っていた。そのほかTCGの試遊スペースに併設されたカードショップもあって,21:00頃までは関連製品が購入できるようになっていた。
世界に類を見ない巨大アナログゲームイベント
メイン会場のコンベンションセンターのみならず,付近のホテルやスタジアムまで使って遊びの場を提供するGen Conは,アナログゲームのイベントとしては間違いなく世界最大規模のものと言える。
規模だけで言うならドイツの「Spiel Essen」も同等だし,以前に取材したフランス・カンヌの「Festival International des Juex」では,深夜帯に開催される催しも用意されていた。しかし,それはあくまで例外であり,ここまで一貫して“遊び”に重心を置いているのは,ほかではなかなか見られない。まさにファンコミュニティから生まれたイベントならではの特色と言えるのではないだろうか。
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2024年2月23日から25日までの3日間,フランスのカンヌにて大規模なアナログゲーム見本市「Festival International des Jeux 2024」が開催された。日本ではあまり知られていないが,世界的にも指折りの大規模なイベントだ。日本最大のゲームマーケットと比べても,実に4倍。現地の様子をお伝えしていこう。
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- ライター:Im Karton/Omochicard
ホテルを貸し切ったコンベンションには,ほかにもアメリカ・ダラスの「BGG.CON」や,日本でも静岡は御殿場で開催されている「ボードゲーム大祭 in TOKINOSUMIKA」などがあるが,こういったイベントがもっと増えてくれるとアナログゲーム文化が豊かになる気がする。もちろん越えるべきハードルはいろいろとありそうだが,本邦でも特色を持ったイベントが増えることに期待したい。
著者紹介:Im Karton
海外アナログゲームイベントを訪ねて旅する3人組。読み方は「イム・カートン」。これまでに世界最大のアナログゲームイベントであるドイツ「SPIEL Essen」をはじめ,アメリカ「Gen Con」,フランス「Festival International des Juex」などを訪問。昨年はSPIEL Essenに行きたい旅行者向けのガイド「Essen Spiel Guidebook 2023」を同人誌として刊行。
Omochicard
Im Kartonメンバー。訪問時は旅行の計画や日本へボードゲームを送る宅配便の発送などを担当。海外ボードゲームが大好き。好きなボードゲームは「アーク・ノヴァ 新たなる方舟」や「Kemet: Blood And Sand」。
「Gen Con」公式サイト(英語)
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