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[AGDC 08#02]「ゲームデザインの禅」のDamien Schubert氏が語る「Elder Gameplay」とは?
Schubert氏は,最古のMMORPGといえる「Meridian 59」にリードデザイナーとして関わり,その後も「Shadowbane」や「Ultima Online 2」など,どちらかといえば「とっても不幸」な結末を迎えたゲームに携わってきた。SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の成功などでカジュアル派に転向している多くのオンラインゲーム開発者とは異なり,「とにかくゲーム好きなコアゲーマーを優先すべき」という,ある種攻撃的な論調で多くのMMOGファンの支持を獲得しているのは,去年のセミナーの取材記事でもお伝えしたとおりである。
Schubert氏は,エンドゲームという言葉のほかにも,「エルダー・ゲームプレイ」(Elder Gameplay)という用語を作り出して,今回の講義に臨んでいる。これは,例えば「World of Warcraft」のプレイヤーの中でも“Lv70を越えたゲーマー”を満足させるようなゲームのことであり, 20人以上のプレイヤーが力をあわせて巨大なモンスターを倒したり,それをほかのサーバーに先駆けて行ったりすることで得られる達成感を,うまく演出しているかどうかを問うているわけだ。
それは,不死身とされていた「EverQuest」の最強ドラゴンThe Sleeperを,200人のプレイヤーが4時間かけて1000億あるHPを削り,倒したというようなイベントのことであろう。EverQuestにおいては,一般的なドラゴンでHP1万程度,ゴッドレベルのドラゴンでもHPは200万もなかった。The Sleeperを倒したコアファン達の熱狂は,計り知れないものだったであろう。
Schubert氏らBioWare Austinのプロジェクトは,スター・ウォーズ系の「Knights of the Old Republic」を題材にしたMMORPGとウワサされている。筆者自身は,この講演で実際にSchubert氏がどんなコンバットデザインを行っているのかを説明してもらいたかったのだが,詳細はElectronic Artsの正式発表まで待たなければならないようだ。
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