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RWC2007 日本代表ギルド決定戦の初日を突撃取材。強豪ギルドも油断できないレベルの高さ
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印刷2007/06/20 22:39

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RWC2007 日本代表ギルド決定戦の初日を突撃取材。強豪ギルドも油断できないレベルの高さ

イズルード中央は,買物や精錬を試みるプレイヤーキャラクターでごった返している。この日は対戦予定のないギルドのエンブレムも,いくつか見かけた
 RWC2007 日本代表ギルド決定戦の予選トーナメントが,6月16日(土)に開始された。そこで今回,ガンホー本社にお邪魔し,この予選トーナメント初日の様子を取材した。試合結果の公式発表はすでに随時なされているが,より詳しい経過を通して,予選トーナメントの雰囲気を感じ取ってもらえれば幸いだ。

 6月8日からオープンした練習用ワールドはプロンテラであったが,予選が行われたのは,より移動しやすいイズルード。通常のワールドであれば「にく」や「ミルク」などの回復アイテムが売られている街の中央だが,日本特設ワールド「RWC2007」では装備品,カード,回復アイテム,精錬,スキルリセットを担当するNPCがズラリと並んでいた。
 試合には第一会場と第二会場が用意され,対戦ギルドはGMキャラクターの誘導でそれぞれの会場へ移動する。二つの試合がほぼ同時に行われるというタイムスケジュールになっていた。このため,すべての試合を観ることはできなかったのだが,観戦できた試合の様子や,試合終了後,参加ギルドに聞いた話を併せてお伝えしよう。
 もっとも,予選は現在も継続中であって,各ギルドの詳しいメンバー構成や戦術に触れられない点はご了承いただきたい。

予選トーナメントの運営は,ガンホー社内の会議室にPCや撮影機材,さまざまな情報ファイルを運び込む形で行われた。サーバー管理はもちろんここではなく,進行上で生じた問題の解決は,随時別の部署と連絡をとる形で進められた


第2会場 第2試合:Stella cadente vs. ☆FOREST OF 100 ACRES☆

 「ファイト!」のメッセージが流れると同時に,中央へ素早く飛び出したのはStella cadente。対する☆FOREST OF 100 ACRES☆は警戒しつつの行動だったのか,だいぶ遅れて姿を現した。互いにランドプロテクターを張って距離を保ちつつ,しばらくは小競り合いが続いたが,徐々にStella cadenteが押し始め,☆FOREST OF 100 ACRES☆のプロフェッサーを倒した。
 ランドプロテクターの保護を失うと同時に,☆FOREST OF 100 ACRES☆はアサシンクロスを除く全メンバーが凍結し,クラウン,チャンピオン,ハイウィザード……と一人ずつ戦闘不能となった。途中,アサシンクロスがクローキングからのソニックブローでStella cadenteのプロフェッサーを狙う場面も見られたが,この試みは実らず,Stella cadenteが一人も失うことなく試合を制した。

■Stella cadente ミニインタビュー

Q.第1試合終了後の感想をお願いします。事前の練習や打ち合わせどおりに動けましたか?

A.緊張しましたが,試合そのものは余裕がありました。立ち回りについては,次回にうまくつなげられるかどうか微妙です。

Q.それは練習量の問題ですか。それとも単純に緊張からくるものでしょうか?

A.両方ありますが,練習量の問題が大きいですね。練習期間中になかなかメンバーが集まれませんでした。対戦相手には不足せず,いろいろと試せたのはとてもよかったのですが,練習ルームが3部屋しかなかったため回転が遅く,時間の割に回数がこなせなかったのが問題でした。

Q.2回戦へ向けて,抱負をお願いします。

A.相手も強そうですが,最善を尽くして頑張ります!



第1会場 第3試合:Northern Code vs. ただいま勇者募集中

 Northern CodeはRJC2007の決勝トーナメントまで勝ち上がった実力派ギルドで,RWC2007 日本代表決定戦でも決勝まで残るのではと予想されていたギルドの一つである。
 両ギルドはお互いのランドプロテクターが,重なるか重ならないかというギリギリの位置をキープしたまま,戦闘を開始。ガンバンテインとストームガストという定石を取る,ただいま勇者募集中に対して,Nortern Codeはアサシンクロスがソウルブレイカーを,スナイパーが凍結した相手にファルコンアサルト,アローシャワーを多用して火力全開といった様子であった。
 しかし,最初に落ちたのはNorthern Codeのアサシンクロス。続いてクラウンを失い,さらにはプロフェッサーが戦闘不能になった時点で勝負はほぼ決着。いったん距離をおいて戦線を立て直そうとするも,ただいま勇者募集中が最後に残ったパラディンを倒して試合終了となった。

■Northern Code ミニインタビュー

Q.残念ながらこの試合負けてしまいましたが,思い当たる敗因を教えていただければと思います

A.我々の動きは決して悪くありませんでしたが,今回相手となったただいま勇者募集中が,練習で一度も当たったことのないメンバー構成だったことが敗因の一つだと思います。

Q.とくに苦戦したのはどんなところでしょう?

A.全員が転生2次職というRWCのルールだからこそ,ただいま勇者募集中の選んだメンバー構成が,生きたんだと思います。



第2会場 第4試合:ありえまーん! vs. punch

 punchは“若葉マーク”をエンブレムにしたギルドだが,結果から先に述べてしまえば,初心者のマークとは正反対に,みごとに統率の取れた動きで勝利を手にした。ありえまーん!はメンバーにジプシーを加え,ハイウィザードを核に火力最重視の戦いを狙ったのか,試合開始後も積極的に前に出る姿勢が見られた。ランドプロテクターを挟んでストームガストの撃ち合いが続くなか,ガンバンテインを撃つためなのだろうか,やや前に出たありえまーん!のハイウィザードをpunchが戦闘不能に追い込み,続けてジプシーも倒したところで戦局は一気に傾く。
 ありえまーん!のチャンピオン,ハイプリースト,クラウンがいったん後退したため,あまり防御の厚くないプロフェッサーが前に出る形になってしまい,そのチャンスを逃さずpunchがプロフェッサーを沈めた。最後まで残ったありえまーん!のクラウンは寒いジョークで必死に粘るも衆寡敵せず,冒頭で述べたとおりpunchの勝利となった。

■punch ミニインタビュー

Q.お疲れ様でした。まずは第1試合の感想をお願いします

A.もっと苦戦するかと思いきや,余裕でした。

Q.その余裕は練習量からくるものですか? それとも相手側のギルドに何か弱い部分があったのでしょうか。

A.練習期間中ありえまーん!さんはいつも見かけていましたし,練習量は同じぐらいのはずです。ただ,献身を行うパラディンとプロフェッサーが少し前に出すぎていたような。うちの連携がうまくいったという感じで,相手が弱かったわけではないと思います。

Q.連携がきっちり取れたのは,RWC2007の練習期間だけではなく,ふだんからの活動もあってこそですか?

A.メンバー同士が長年ROで一緒に活動していますし,PvPは週に3,4回やってますからね。だいぶ息は合っているでしょう。

Q.ほかのギルドのメンバー構成や使用スキルを見て,意外なところはありましたか。それとも,割と予想どおりでしょうか。

A.クリエイター(のアシッドデモンストレーション)が意外に少ないですね。それ以外,とくに変わった構成は見ません。

Q.最後にRWC国内予選突破の自信などを,一言お願いします。

A.寝坊する人が出なければ,次の試合も大丈夫そうです。ギルドの宣伝もしたいのですが,いいですか?

Q.ぜひお願いします(笑)。

A.RJCやRWCのようなイベントが,月に1度くらいオンラインであったら楽しいと思うので,punchが国内予選で1位になれたら,punch企画として所属ワールド全体のPvPトーナメントを行います!



第2会場 第4試合:ぺロ…これは青酸カリ! vs. Loas Memory

 非常にインパクトあるギルド名もあって,ぺロ…これは青酸カリ!がRJC2007の予選で,強豪「Cafeteria」を降したギルドであることを憶えている人も多いのではないだろうか。対するLoas MemoryはRWCにおいては数少ない,クリエイターをメンバーに含むギルドだ。しかしメンバーの都合がつかなかったのか,会場に現れたのは6名のみ。最初から不利な戦いであったことは間違いない。
 試合が始まると,ぺロ…これは青酸カリ!はクリエイターのアシッドデモンストレーションを警戒してか出足は鈍く,ほかの試合に比べて距離をおいての戦闘開始となった。前に出てアシッドデモンストレーションを投げるチャンスをうかがうLoas Memoryのクリエイターと,そこにガンバンテインで穴を開け,倒そうと狙うぺロ…これは青酸カリ!側の慎重な駆け引きにより,試合はしばらく膠着状態が続いた。
 試合の流れを変えたのはぺロ…これは青酸カリ!のチャンピオン。隙を突いてクリエイターに接近し,阿修羅覇凰拳の一撃で戦闘不能にした。脅威を取り除いたぺロ…これは青酸カリ!は一気に攻めに転じ,次々とLoas Memoryのメンバーを倒して,7名全員生存のまま勝ちを収めた。

■ぺロ…これは青酸カリ! ミニインタビュー

Q.スタート直後は相手の出足をうかがうようなゆっくりとした動きでしたね。かなり警戒していたのですか?

A.Loas Memoryのクリエイターがアシッドデモンストレーションをどのタイミングで撃ってくるか分からなかったので,少し様子を見ていました。

Q.やはりクリエイターがいるギルドは脅威ですか。

A.今回は相手が6名だったので勝てましたが,パラディンやジプシーが加わった状態で7名揃っていたら,かなり怖い存在ですね。

Q.この試合で一番頑張ったメンバーを一人挙げるとしたら,どなたでしょう。

A.一度もストームガストを喰らわなかった,チェイサー担当のメンバーが今回のMVPです。



第2会場 第6試合:☆★☆STAR DUST☆★☆ vs. ひよこ

 この試合,☆★☆STAR DUST☆★☆はRJC2007の準優勝ギルドの名にふさわしい力を見せてくれた。奇策を狙ったのか,ひよこは正面ではなく☆★☆STAR DUST☆★☆の斜め向かいに構えるが,ファイト!のログが消えぬうちから☆★☆STAR DUST☆★☆の猛攻撃に押され気味であった。
 ひよこはランドプロテクターの張り替えも素早く,決して大きく実力が劣っているわけではないが,やはり経験の差が物を言うのか。☆★☆STAR DUST☆★☆側クラウンの「寒いジョーク」に,ひよこの全メンバーが凍結。☆★☆STAR DUST☆★☆はひよこのスナイパーから順番に,落ち着いた動作で戦闘不能に追い込んでいった。最後にクローキングでせめて一矢を……とばかりに斬り込んだアサシンクロスも,接近する前に「寒いジョーク」の凍結で居場所がばれてしまい,アッサリと倒される。試合時間は1分少々というあまりに速い展開で実力を見せつけつつ,☆★☆STAR DUST☆★☆が勝利を手にした。

■ひよこ ミニインタビュー

Q.前評判も高い☆★☆STAR DUST☆★☆と実際に対戦してみて,いかがでしたか?

A.RJC2007準優勝ギルドということで覚悟はしていましたが,社会人が多いこともあって準備不足でした。

Q.練習時間は十分に取れませんでしたか。所属ワールドでふだんPvP活動はしていますか。

A.今回ほとんど練習できていません。所属ワールドでもGvGがメインで,PvPまでしているのは,ごく一部のメンバーです。

Q.☆★☆STAR DUST☆★☆の動きを見て,とくに優れていると感じたのはどこでしたか。

A.こちらの動きにすかさず反応して,「寒いジョーク」で切り返してきたりと,状況判断の素早さと連携がすごいです。

Q.ちなみに,……ひよこというギルド名とエンブレムが可愛らしいですが,どなたのアイデアですか。

A.ギルド設立時に候補から選んで,メンバーが描いてくれたエンブレムです。正式サービス直後ぐらいからあるギルドなんですよ。

Q.こういったイベントが行われたら,また参加したいですか?

A.はい,RJCは毎回予選に出場していますし,お祭りとしてぜひ出たいです。



第1会場 第7試合:Team DT vs. Eternal Snow

 Eternal Snowと,今回の出場ギルドのなかでも知名度が高く,優勝候補とも目されるTeam DTの一戦は,5分を超える意外な長丁場となった。試合開始から3分前後はEternal Snowもかなり巧みな戦いぶりを見せ,もしかしたらTeam DTを破るかも……と思わせてくれる強さだった。しかし実力が均衡しているだけに,戦いの流れは一瞬で変わる。
 激しい攻防のなか,まずはEternal Snowのプロフェッサーが戦闘不能に。たちまち凍結で身動きがとれなくなったEternal Snowのメンバーを,Team DTのチャンピオンが一人一人阿修羅覇凰拳で沈めていき,最後は散り散りに逃げ惑うEternal Snowを隅に追い詰めて順次倒す結果となった。ともあれ,事実上残り2分まで試合が続いたことを考えると,Eternal Snowは善戦したというべきだろう。

■Team DT ミニインタビュー

Q.序盤は両ギルドともなかなかいい動きを見せていたようですが,相手ギルドの強さはいかがでした?

A.いえ,圧勝すぎました。

Q.その余裕なら,国内予選突破にも相当自信がありそうですね。

A.もちろん世界大会を目指します。運の要素も絡んできますが,最後には勝つべきところが勝つでしょう。そして私達Team DTには,それに足るだけの練習量があると思っています。

Q.韓国で行われるRWC2007本選へ出場する気満々なんですね。

A.前回のトーナメントをぶっちぎった私達にそれを聞くのは愚問ですね。でも今回はRWC2007に行けるよう,極力調整はしました。

Q.最後にRWC2007 日本代表ギルド決定戦への意気込みなどをお願いします。

A.負けるゲームは趣味じゃありませんから。そういうことです。



第2会場 第8試合:Ruf Prism vs. -Silent Majority-

 16日に行われた予選のうち,最短最速で終了したのがこのRuf Prism 対 -Silent Majority-の試合だ。マップ中央へ最初に出てきたのは-Silent Majority-で,互いのランドプロテクターが重なるほどの接近戦へともつれ込む。
 そのなかで-Silent Majority-のパラディンが単身Ruf Prism陣営に斬り込んだものの,後続のメンバーはランドプロテクターの張り直しと連携に乱れが見え,逆にパラディンを失ってしまった。慌てて退いて距離を空けたが,続いて要のプロフェッサーが戦闘不能に。対するRuf Prismは落ち着き払った,一糸乱れぬ行動ぶりで,相手のチャンピオン,ハイプリーストを順番に沈めてこの試合を制した。
 -Silent Majority-には残念な結果となってしまったが、Ruf Prismの見事な連携ぶりは,観戦しているこちら側も思わず見入ってしまうほどであった。

■Ruf Prism ミニインタビュー

Q.今回の試合は,かなり短い時間で決着がつきましたが,感想などを聞かせてください。予定どおり,打ち合わせどおりの動きでしたか?

A.相手ギルドをいかに早く崩すかが,RWC2007の鍵だと思いますが,予定どおりの動きができました。とくに,うちのジプシーはいい動きを見せて頑張ってくれましたよ。

Q.予選で最も注目していたギルドがあったら教えて下さい。

A.ありえまーん!を意識していたのですが,どうやら先の試合で負けてしまったようで,とってもありえまーんです。

Q.……ええと,本選出場への意気込みなどをお願いします。

A.ベストを尽くして頑張ります。



 当初の予定において,第1試合の開始時刻は正午だったのだが,予選トーナメントは思わぬアクシデントで予定より30分ほど遅れて始まった。武器精錬用アイテム「オリデオコン」を購入し,スナイパーの「矢作成」スキルで「オリデオコンの矢」を作ってNPCに販売すると利益が出てしまうというバグが,第1試合直前になって発覚したのである。
 RWCのルールでは,制限時間7分で勝敗が着かなかった場合,両ギルドのZeny(ゲーム内通貨)残額で判定する。必要なものを見極め,いかに無駄遣いをしないかも各ギルドの戦術だったわけだが,このアクシデントでZenyによる判定は事実上不可能になった。
 協議の結果,試合が引き分けになった場合はハイプリースト抜きの6対6で再戦,最初に戦闘不能キャラクターを出したギルドが負けというルールを設定。参加者への告知を徹底させる作業も含めて,前述のとおり第1試合は予定より30分ほど遅れて開始された。

 RWC2007の日本代表ギルドは,来週の6月23日,24日の決勝リーグを経て決まるが,どのギルドが日本代表の座に着くか,正直予測が難しい状況である。実際,16日の試合経過を見ても,安定した実力を持つと想定されていたギルドが,しばしば苦杯を嘗めている。
 限られた観戦数ではあったものの,個々の試合をとおして痛感したのは,その技量レベルの底堅さだ。キャラクターの動きや,駆使する戦術を見るにつけ,RJCが日本におけるGvG戦闘の基本的なレベルを引き上げてきたことを実感した。
 とはいえ,この2年で戦術の研究が進んだRJCとは異なる条件を,限られた時間のなかで使いこなせたギルドこそが,栄冠に向けて歩みを進めることとなるわけであり,これがそのまま韓国での本戦における日本ギルドの活躍可能性につながる。
 残る予選トーナメント並びに決勝リーグにおいても,新たな戦術の工夫やメンバー間の連携など,持てる力のすべてを尽くした,素晴らしい試合が展開されることを,祈ってやまない。(ライター:麻生ちはや)

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