インタビュー
「テイルズウィーバー」過去最大級のアップデートが7月に実施。開発スタッフにその見どころを聞いた
同作において過去最大級になるという本アップデートの見どころを,開発元である韓国NEXTORICのスタッフに話を聞く機会を得たので,その模様をお伝えしよう。今回お答えいただいたのは以下の3名だ。
- NEXTORIC 開発本部 開発1室 テイルズウィーバー開発チーム長 シム・キフン氏
- NEXTORIC 開発本部 開発1室 テイルズウィーバーチーム 開発1パート長 イ・スンポ氏
- NEXTORIC 開発本部 開発1室 テイルズウィーバーチーム 開発2パート長 ヨ・サンウ氏
シム・キフン氏 |
イ・スンポ氏 |
ヨ・サンウ氏 |
新たな舞台「サンスルリア」のストーリーは二部構成
7月は第一章を実装
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。先日のオフライン感謝祭2011では,2011年7月に,今までにない大規模なアップデートが行われることが発表されました。まずはその意図するところと方向性を教えてください。
シム・キフン氏(以下,シム氏):
テイルズウィーバーの日本でのサービスは,2011年で7周年を迎えます。7年というと相当長い期間です。ですので,プレイヤーの皆さんへの感謝の意味も込めて,インパクトのあるアップデートをお届けしたいと考えました。そのために,かなりボリュームのある内容となっています。
そういった方向性のアップデートですので,追加される内容は高レベルキャラ向けのコンテンツが中心です。ベテランプレイヤーの方が「もう遊び尽くしてやることがない」「飽きた」という思いを抱くことのないよう,開発チーム一同,力を入れました。
4Gamer:
それでは,アップデートの各要素についてお聞きします。
今回の目玉となるのは,やはりサンスルリア地域の実装ですよね。
ヨ・サンウ氏(以下,ヨ氏):
はい。これまでのアップデートにおいても,ゲーム内にサンスルリアという地名はたびたび登場してきましたが,とくにプレイヤーにとっては,昨年実装されたプレイアブルキャラクター“イサック”の故郷として印象に残る土地だと思います。
実は,イサック導入の頃から,サンスルリアの設定は詳細まで決定していたんですよ。今回は,それらをゲーム内にしっかりと実装したという形です。
4Gamer:
ということは,今回のストーリーでは,とくにイサックが大きく取り上げられることになるのでしょうか?
必ずしもそうではありません。サンスルリアには,主人公達それぞれのエピソードが用意されます。サンスルリアのメインストーリーは二章構成になっていて,7月には第一章が実装される予定です。
4Gamer:
では,第一章の注目ポイントはどういったものになるのでしょう? あるいは,どこに注目していると,第二章がより楽しくなりますか?
ヨ氏:
第一章ではストーリー進行上,まだサンスルリアの神殿に入ることができません。第二章で神殿に進入すると,何が起きるのか。第一章はその伏線になっていますので,ぜひいろいろと想像を膨らませながら遊んでみてください。
4Gamer:
神殿の中に入れないということは,イサックの奥さんであるメルゼベド女王は,第一章には登場しないのですか? サンスルリアのストーリーではキーとなるキャラクターですよね。
ヨ氏:
カットシーンでは登場しますし,さまざまなNPCとの会話の中でも頻繁に名前が出てきます。ドットキャラについては第二章からの登場になりますね。
ゲーム内世界の歴史をベースにした新コンテンツ「時の寺院」とは?
4Gamer:
今回はメインストーリー以外にも,数百に及ぶフリークエストやインスタンスダンジョン「時の寺院」を追加したということで,これも相当なボリュームがありそうですね。
ええ。これもアップデートのインパクトを強めるために企画したものです。
時の寺院では,プレイヤーがいる時代の数十年前に起こった歴史的な事件を体験できるので,テイルズウィーバーの背景を理解していただくのにも役立つはずですよ。
ヨ氏:
テイルズウィーバーは,ストーリーに沿って進行していくゲームです。ストーリーはテキストでも伝えることができますが,やはりゲームですから実際にプレイして体験できたほうが面白いと考えて,今回の時の寺院を考えました。
4Gamer:
今回は「オルリー防衛戦」と「革命の花火」がコンテンツ化されましたが,この二つのエピソードを選んだ理由は何でしょう?
ヨ氏:
実はどちらも,今回実装されるサンスルリアに深く関わるエピソードなんですよ。
それと,これまでのテイルズウィーバーにはない遊びや物語を提供したかったという狙いもあります。例えばオルリー防衛戦の場合は,先に“ディフェンス戦のコンテンツ”を作りたいというアイデアがあって,それに合ったエピソードを探した結果,これがよいということで決まりました。
4Gamer:
ディフェンス戦ですか。オルリー防衛戦は,30回にわたって波状攻撃を仕掛けてくる敵軍を仲間と協力して撃退する,という内容なんですよね。
ヨ氏:
ええ。防衛戦における敵の攻撃目標は“結界”なので,プレイヤーではなく結界を狙ってきます。ほかの目標を目指して進んでくる敵と戦うのは,これまでのテイルズウィーバーにはなかったフィーチャーですね。
4Gamer:
長丁場な戦いになりそうですけど,難度は高めに設定されているんですか?
ヨ氏:
難度は2段階用意しました。最初はノーマルモードで挑戦してみてください。レベル200台前半のプレイヤーなら,十分に楽しめます。ハードモードは……腕に覚えのある方は,ぜひ頑張ってください(笑)。
4Gamer:
かなり厳しそうですね(笑)。オルリー防衛線で,最も作り込んだ部分はどこでしょう?
歯応えがなくては面白くありませんから,常に適度な緊張感が存在するように,敵の数と強さは何度も調整しました。
また最終ボスは30回目の攻撃で登場するバンダレックス・ダ・アノマラド(アノマラド国王)ですが,10回目と20回目には中ボスとしてアノマラド軍の精鋭が登場します。中ボスは4種類の中から2種類がランダムで選ばれるのですが,それぞれ攻略法が異なりますので,ぜひいろいろ試してください。
4Gamer:
なるほど。もう一つの革命の花火というのも,サンスルリアで起きた歴史的な事件,という位置付けになるんですか?
ヨ氏:
ええ。革命の花火は,革命軍の話を描きたかったので取り上げたのですが,こちらもオルリー防衛戦と同じく重要なエピソードになっていますよ。
シム氏:
最終ボスは,オルリー防衛戦と同じバンダレックスで,彼を倒すと革命成功というわけです。
4Gamer:
革命の花火は,三つあるステージの中から一つを選択して攻略するんですよね。それぞれの特徴や,攻略のヒントなどを教えてください。
シム氏:
「ケルティカ貴族街」には,モンスターがたくさん出てきます。ですので範囲攻撃を得意とするクラスが有利でしょう。
「地下水路」は4か所を爆破するという内容なので,設置した爆弾をモンスターから守らなければなりません。回復系のクラスが活躍すると思います。
「秘密の道」は……とくにどのクラスが有利ということはないはずです。
4Gamer:
分かりました。あまり詳しく聞いてしまうと,実際に遊ぶときに面白くないのでこのくらいにしておきましょう。
ちなみに,ステージごとに報酬は異なるのですか?
ステージの報酬には,あまり差はありません。ただし,いい結果を出してクリアしたときにだけ入れるボーナスステージの中ボスは,ステージごとに異なっていて,報酬も違ったものになっています。ですので,ぜひ3回以上プレイして,全部のステージを試してください。
また,プレイ中に登場する革命軍の英雄 ウルリッヒ・シュペンハウアーは,設定からドットキャラのモーションに至るまでかなり作り込んだキャラクターです。注目してもらえると嬉しいです。
シム氏:
ステージをクリアしたときには,成績に応じて“ランク”が表示されるので,いい結果が残せるよう頑張ってみてください。
4Gamer:
今後のアップデートでも,時の寺院のような,これまでなかった遊びを追求するコンテンツが実装される予定はあるのですか?
開発チームとしては,ぜひやりたいです。ただ,プレイヤーに受け入れられるかどうかも重要なので,今回,時の寺院を皆さんが喜んでプレイしてくださるなら,それだけ実現の可能性が高まると思いますよ。
また原作の範囲に限らず,これまでのストーリーで表現しきれなかった部分をフォローするようなこともやっていきたいですね。
アナイスは2011年内実装を目標に鋭意開発中
二重人格をゲームにどう生かす?
4Gamer:
今回のアップデートでは,「ライセンススキル」のレベルの上限が5から6に引き上げられますよね。これはどういったことを狙ったものなのですか?
ヨ氏:
一番大きな理由は,プレイヤーのモチベーションを保つためですね。
シム氏:
レベル6のライセンススキルはサンスルリアで習得できます。そしてそれに必要な材料アイテムは,新エリアのフィールドなどで入手可能です。つまり,追加されるエリアでは,ハイレベルな戦闘だけでなく,ハイレベルな生産も楽しめるというわけです。
モチベーションを上げるための施策の一環で,新たな装備部位として「アーティファクト」も登場します。
テイルズウィーバーは,アバター以外の装備要素が弱いと常々感じていました。そこで,この機会に新しく追加したんです。そして,その部位に装備するアーティファクトを作るためのライセンススキル「アーティファクト」も今回実装されます。
4Gamer:
アーティファクトは,基本的に生産で入手するものなんですか?
シム氏:
主に生産ですが,稀にドロップアイテムとしても入手できます。
ヨ氏:
さまざまなアーティファクトを集めるような,コレクション的な遊び方もできると思いますよ。
なるほど。そういえば今回,アナイスのドット絵がリニューアルされますよね。
イ・スンポ氏(以下,イ氏):
グラフィックスチームが,より可愛らしさを前面に打ち出したいと試行錯誤を重ねて,ようやく新しいドット絵が完成しました。
4Gamer:
可愛いですよね,新しいアナイス。ただ,プレイヤーが期待しているところといえば,いつプレイヤーキャラクターとして実装されるのかということだと思います。開発の進捗はいかがでしょう?
イ氏:
実はプロトタイプはもう完成しているんですよ。今はどんな攻撃パターンやスキルがふさわしいか,検証している段階なんです。
アナイスには,二重人格というキャラクター設定があるので,実装時にはそれをうまくキャラクターの能力に反映させたいですね。2011年内に実装できるよう,開発を続けています。
4Gamer:
日本でもアナイスの実装は待ち望まれていますから,いい仕上がりになることを願っています。
それでは,日本のテイルズウィーバープレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
シム氏:
今回は,追加される要素すべてに関連性があって,全体で一つのまとまりになるようなアップデートとなりました。今後はこうした形式のアップデートを定期的に行っていきますので,よろしくお願いします。
イ氏:
今回はコンテンツ量が多かったので大変でしたが,皆さんに喜んでいただけるなら本望です。
もう7周年を迎えるタイトルですから,何かの理由でプレイを中断されている方も多いかと思います。今回,大量にコンテンツを追加しましたので,ぜひ一度,遊んでみてください。
ヨ氏:
開発チームとしては,実際に遊んでいる皆さんの声をもっと聞きたいですね。ぜひ,多くのご意見・ご要望をお寄せください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
今回は,長くプレイしているプレイヤーのために,コンテンツのボリュームを増やしたかったとシム氏は述べる。もちろん量だけではなく,これまでのテイルズウィーバーにはないチャレンジが随所に施されており,プレイヤーの期待に応える内容となっているのではないだろうか。まずは,7月に実装されるサンスルリアのストーリー第一章を楽しむとしよう。
また,ようやく現実的なものとなってきたアナイスの実装についても,正式な発表を待ちたいところ。年内実装予定と少々遠くはあるが,こちらも楽しみである。
「テイルズウィーバー」公式サイト
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テイルズウィーバー
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