インタビュー
3次スキルと属性システムの実装で大きく変わる「テイルズウィーバー」。「エピソード3」の話題も出た開発チームへのインタビューを掲載
- NEXTORIC 開発本部 開発2室 室長 シム・ギフン氏
- NEXTORIC 開発本部 開発2室 テイルズウィーバー開発チーム 企画パート パート長 イ・スンボ氏
- NEXTORIC 開発本部 開発2室 グラフィックチーム チーム長 ク・チャンヘ氏
新ダンジョン「シオカンヘイム要塞」では,レンム国王の妹「ジナパ姫」と戦う一幕も
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,2012年7月〜8月,9月〜10月の2回に分けて行われるアップデートについて,概要を教えてください。
まずは目玉の新マップについてお話しましょう。次回のアップデートでは,レベル250以上のプレイヤーを対象とした「シオカンヘイム要塞」が実装されます。
イ・スンポ氏:
シオカンヘイムはレンム地域に追加されるダンジョンで,ローゼンバーグ湖のフォーレンスター島を舞台に,巨人族と戦うことになります。
4Gamer:
新マップはどういった特徴のあるマップなのでしょうか。
シム・ギフン氏:
全体的に,これまでの登場してきたどのダンジョンよりも,高難度になるようデザインしています。とくに注意してほしいのは,全部で29体登場するボスモンスターですね。
4Gamer:
またものすごい数が配置されていますね……。
シム・ギフン氏:
ダンジョン内部は,監獄,実験室,兵営といった具合に,全部で7区画に分かれているのですが,それぞれにさまざまなボスモンスターが配置されているんです。そして7区画すべてを攻略すると,最終ボスと戦えるようになります。ただ,かなり苦戦するはずですから,パーティ内での連携や,この後でお話する3次スキルの活用が重要になるでしょう。
ク・チャンヘ氏:
それぞれのボスモンスターは,登場する区画に合わせたグラフィックスになっているので,そこも楽しんでいただければと思います。
4Gamer:
ダンジョンの背景設定は,ストーリーなどで分かるようになっているんですか?。
イ・スンポ氏:
ええ,「チャプター外伝2」として展開されます。これまでのチャプター同様,ダンジョンの攻略に沿って進行するストーリーを,ぜひ楽しんでください。
チャプター外伝2のキーパーソンは,レンム国王の妹であるジナパ姫です。彼女は,原作小説「ルーンの子供たち」でかなり強いキャラクターとして描かれていますが,そのイメージを損なわないよう,ゲームでも強力なNPCとして登場します。今回,ジナパ姫の描写にはかなり力を入れており,途中,プレイヤーと彼女が戦う一幕も用意しました。
4Gamer:
その戦闘は勝利できるのでしょうか。よく,絶対に勝てない戦闘が演出として用意されているケースもありますが。
シム・ギフン氏:
勝てるようには設定していますが,全力で戦ったほうが良いと思いますよ。
コンセプトとUIを刷新
戦略/戦術に個性を与える3次スキルも登場
4Gamer:
シオカンヘイムは最高難度のダンジョンとのことですが,それに合わせて行われるプレイヤーキャラクター側の強化は,どういったものになるのでしょうか。
シム・ギフン氏:
サービスインから8年が経ち,ようやくレベルキャップが255から265まで引き上げられます。そして,レベル260で装備できる新たな武器と,レベル250〜265用の防具も実装されます。どれもレベル帯に見合った強力な装備なので,シオカンヘイム攻略の力となってくれるでしょう。
レベル260用武器のデザインは,レンム軍を象徴する獅子をフィーチャーしています。最高レベルの装備となるので,従来よりもハードな印象になるよう心がけました。また,ジナパ姫が装備しているチェーンフレイルも獅子をかたどっていますので,ぜひ注目してください。
シム・ギフン氏:
そしてもう1つ,プレイヤーの能力を高めてくれるのが,今回新たに実装される3次スキルです。
イ・スンポ氏:,
3次スキルは,レベル150以上で受けられるクエストを通じて習得できます。全部で24種類あるのですが,覚えられる内容は各キャラクターで共通です。スキルの威力や射程を向上させるものや,スキルのダメージ上限を解除するものなど,便利な効果のものが揃っています。
4Gamer:
スキルの強化が中心ということは,パッシブスキルになるのでしょうか。
イ・スンポ氏:
いえ,戦闘中に溜まる専用ゲージを使うと,一定時間だけ発動できる仕組みです。3次スキルは最大2個までしかセットできませんし,スキルごとに効果時間やゲージの消費量も違っているので,どのスキルを選択するかでプレイヤーの戦略/戦術も大きく変わるでしょう。
4Gamer:
これまでのスキルとは,ずいぶんコンセプトが異なっていますね。
シム・ギフン氏:
テイルズウィーバーは,システム上,一度に1つのスキルしか発動できません。そのため,単純にスキルを追加実装してしまうと,常にもっとも高性能のスキルしか使わなくなってしまいます。そこで,戦闘スタイルに選択肢を増やせるよう,専用のゲージを使う3次スキルを用意したのです。
4Gamer:
なるほど。
ちなみに,3次スキルは24種類ある中から2種類を選択するわけですが,一度習得したあとに変更は可能なんですか?
シム・ギフン氏:
一度選択するとそれで固定されてしまいますが,手順を踏めば付け替えることはできます。簡単に取り換えられるものではありませんから,習得するときは自分の戦い方にあったものをよく選んでから,セットしたほうが良いかもしれません。
ついに実装される「属性システム」
最初は数値を低めに設定
オフラインイベントでは,「属性システム」と「ルーンマスターシステム」の実装も発表されました。属性自体は,テイルズウィーバーのサービスが始まってからずっと存在していた概念なので,ようやくの導入といった印象ですが。
シム・ギフン氏:
属性はスキルやダメージに大きな影響が出ますから,安易に実装してしまうと,キャラクター間のバランスが崩れる可能性があったのです。そのため,なかなか手が付けられなかった部分でして……。
ただ,今回は3次スキルが登場しますし,より個性を出せるようなシステムを導入したいと考えていましたから,属性システムの実装を決めました。
イ・スンポ氏:
テイルズウィーバーの属性システムは,自分と相手,使用スキルの同じ属性を参照し,その差分からダメージ量を算出する仕組みとなります。火属性の高いキャラクターで火属性の低いモンスターを攻撃すると,ダメージがアップするといった具合です。
4Gamer:
水属性は火属性に強いなどの相性はないんですね。
すべてのモンスターやスキルに属性が反映されるとなると,これまでのゲーム全体の戦闘バランスが大きく変わってきそうですね。キャラクターによって得意なダンジョンや苦手なダンジョンも出てきそうですし。
シム・ギフン氏:
ええ。あまりに極端な変化にならないよう,実装当初は少し低めの数値設定にして,様子を見ながら調整していく予定です。
4Gamer:
ちなみに,シオカンヘイム要塞は氷に囲まれていますが,水属性を高めておけば有利になったりするのでしょうか。
ダンジョン内のモンスターは必ずしも水属性というわけではありませんから,臨機応変な対応が必要となります。でも,今後,企画・開発するコンテンツでは,特定の属性が効果的な場面を用意するのも面白いかもしれませんね。
4Gamer:
もう1つのルーンマスターシステムは,どういったものになるのでしょう。
シム・ギフン氏:
ルーンマスターシステムは,日本のプレイヤー,とくに女性プレイヤーに向けて開発したシステムです。自分専用のスペースで,植物を育てたり,素材を収穫したりできるコンテンツになります。テイルズウィーバーの同一アカウント内で複数キャラクターを所持している場合には,倉庫の共有もできます。
4Gamer:
ほかのプレイヤーを招待できるハウジングのような要素,というわけではないんですか?
シム・ギフン氏:
そういったものではありませんが,今後はソーシャルゲームのように,プレイヤー同士の交流を深められるような要素を盛り込めないかと,検討しているところです。
「エピソード3」は開発スピードを上げてテンポのよい展開を目指す
4Gamer:
気の早い話ではありますが,ファン感謝祭2012で発表された「エピソード3」について,現段階でお話いただけることはありませんか。
シム・ギフン氏:
今はまだ,あまりお話できる情報もないのですが……まず,舞台となるのはルーンの子供たちに登場した「月の島」です。プレイヤーキャラクターは,感謝祭で披露したイソレットと,もう1人ほかの人物を実装する予定となっています。
4Gamer:
イソレット以外にもプレイヤーキャラクターの実装が予定されているんですね。今回,エピソード3のキャラクターとして,イソレットを選んだ理由はどういったものになるのでしょうか。
シム・ギフン氏:
原作で存在感があって,かつこれまでゲームに登場したことのないキャラクターということで,イソレットを選択しました。次のキャラクターは女性にしたかったというのも,大きな理由の1つですね。
4Gamer:
イソレットは原作では両手に剣を持って戦っていましたが,ゲーム中でもそのスタイルになるんですか?
ク・チャンヘ氏:
まだ検討段階ですが,原作の2刀流と「神聖チャント」を使うという設定は,最大限に生かす方法で考えています。
4Gamer:
原作のイメージということで,1つお聞きしたいのですが,感謝祭で披露されたイソレットのコンセプトアートは,なんだか幼い雰囲気ですよね。原作では,クールなお姉さんという印象のキャラクターだったので,意外なデザインに見えるのですが。
ク・チャンヘ氏:
そこは,今回が第一報だったので,反響があるようにあえて少し幼く描いていたりします。あのデザインで決定しているわけではありません。
ただ,テイルズウィーバーに登場させる場合,ほかのキャラクターとの兼ね合いを意識して,年齢やデザインを設定しなければなりません。そのあたりのバランスを考えると,原作の「クールで芯の強い20歳の女性」という設定とは,異なってくる可能性はあります。
4Gamer:
なるほど。ちなみにエピソード3全体のボリュームはどのくらいになりそうですか?
シム・ギフン氏:
アップデートの規模は,まだ決定していません。とはいえ,開発テンポを速めて,皆さんをお待たせしないようにしたいです。
感謝祭では,テイルズウィーバーが,幅広い層に受け入れられていることをあらためて感じました。2012年は,アナイスの実装やサーバー統合など,皆さんが待ち望んでいた案件をいくつか実現できましたが,今後も引き続き皆さんのリクエストに応えるアップデートを行っていきます。
イ・スンポ氏:
開発チームとしては,引き続き新しい面白さを提供すべく,コンテンツの開発に注力します。昼夜を問わず頑張りますよ。
ク・チャンヘ氏:
グラフィックスチームは,さらに新鮮さを提供できるようなデザインを追及していきます。今後実装される新たなコンテンツやキャラクターでは,その成果を感じていただけるよう努力しますので,これからもテイルズウィーバーをよろしくお願いします。
4Gamer:
ありがとうございました。
2012年3月に,待望の新キャラクターとなるアナイスが実装されたが,エピソード2最後のキャラクターとなるだけあって,今後のアップデートがどうなるのかは気になっていた人も多いだろう。
今回のファン感謝祭では,2012年内に実装される新たなコンテンツ以外にも,エピソード3の企画が進行していることが発表され,サービスインから8年が経ちながらも,まだまだ前進と進化を続けているといったところ。とくに新システムの3次スキルと属性は,これまでの戦闘を大きく変える可能性があるだけに,遊び応えある要素となりそうだ。テイルズウィーバープレイヤーは,その実装を楽しみに待つとしよう。
「テイルズウィーバー」公式サイト
- 関連タイトル:
テイルズウィーバー
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