「ミュー 奇蹟の大地」はアップデートでさらに深く便利に。新装備「グリモア」や自動狩りシステム，「アルカ精霊戦争」を解説

　ゲームオンが運営中のMMORPG「ミュー 奇蹟の大地」で，サービス開始8周年を記念した大型アップデート「ex700」が本日（2012年3月14日）実施される。ファンにとってはまさに待望といえるアップデートだ。今回は，目玉となる自動狩りシステム「ミューヘルパー」，新装備システム「グリモア」，そして大規模GvG「アルカ精霊戦争」について詳しく説明しよう。

「ミュー 奇蹟の大地」公式サイト

至れり尽くせりな便利システム「ミューヘルパー」

　中国や台湾産のMMORPGには実装されていることが多い自動狩りシステムが，ミュー 奇蹟の大地にも登場する。「ミューヘルパー」と呼ばれる本システムは，使用したい攻撃スキルやバフスキル，さらにはポーションによる回復具合などを設定し，好きなマップを選んで実行すれば，あとは自動で狩りをやってくれるという代物。キャラクターは設定通りにひたすら自動で狩りを続けてくれるので，その間に食事をとったり，チャットに集中したりできるのだ。どれだけ便利なのかは，一度使えば分かるはず。まずは実際に体験してほしい。

プレイヤー間に属性相性を付与する「グリモア」

5属性の相性相関図。近接と遠距離，魔法といったクラス間の相性のほかに，属性という要素が加わることになる

　最初に，新装備アイテム「グリモア」について説明する。グリモアとは新しく追加されたスロットに装備する新アイテムで，キャラクターに属性攻撃力と防御力を付与するものだ。装備すると攻撃スキル使用時に属性ダメージが追加され，グリモアを装備していない（無属性）のキャラクターは，属性を持つキャラクターから大ダメージを受ける。つまり「ex700」以降，PvPをするならグリモアは必須のアイテムとなるのだ。また，どの属性攻撃/防御力を付与するのかが，PvPにおいて重要な要素になってくるだろう。つまり，これまでなかなか勝てなかった職業のキャラクターが相手でも，属性の相性次第では結果が変わっるというわけだ。
　なお，グリモアには下位の「ミュレンの古写本」と，上位の「エトラムの巻物」がある。グリモアの入手方法は，新マップ「アケロン」に生息する属性モンスターか，「デビアス」以降のボスモンスターからのドロップだ。

追加された装備スロット。ちなみにグリモアとは魔術の奥義が記された本のことを指し，グリモワールまたはブラックブックとも呼ばれる

グリモアはプレイヤー間の取引回数が5回に制限されており，以降のトレードは不可能。必ず残りの取引回数を確認するようにしたい

新マップ「アケロン」は通常のマップ移動では入場できない。モンスターが落とす「精霊地図」をNPCスロープ船長に渡す必要がある

　グリモアは素の状態からさらに能力を伸ばす強化方法がいくつかある。それぞれのやり方を説明しよう。

・カオス合成
　武器や防具と同様，カオス合成により＋15まで強化できる。数値が上がることで属性攻撃力と防御力がアップする。


・4種のエーテルを装着
　グリモアには最大4つのスロットがある（数はランダム）。それぞれ軍神（属性攻撃力上昇），加護（属性防御力上昇），高潔（属性攻撃性効率増加），神聖（属性防御性効率増加）と名前がついており，スロットと同じ名前の「エーテル」という専用アイテムをはめることで属性効果の強化と特殊なオプションが付与される。エーテルは4種の名前と5つの属性，計20種類があり，スロット名だけでなく属性も同一でないとはめられない。つまり火のグリモアの軍神スロットには，火の「軍神のエーテル」のみを装着できるわけだ。
　エーテルはクリスタルの欠片とシンボルの欠片，混沌の宝石などを合成して生成できるが，種類（名前）はランダムで決定される。

グリモアの属性スロット表示中，1〜2個エーテルが装着されている

・エーテルを強化
　グリモア自体ではなく，装着するエーテルを強化する方法もある。この場合，オプション能力の数値を伸ばす「レベルアップ」と，オプションの数を増やす「ランクアップ」という2種類の方法が用意されているのだ。

　レベルアップはエーテル本体に「エーテルの小箱」と「祝福の宝石」を合成することで＋1ずつ追加され，装備品の強化と同様に属性攻撃力などが増えていく。
　ランクアップは，＋7以上にレベルアップされたエーテルに「祝福の宝石」「霊魂の宝石」「精霊の粉」を合成するとできる。エーテルのランクは3まであり，種類によって追加されるオプションは決まっていて，オプション内容は以下のとおりだ。

ランク	軍神のエーテル	加護のエーテル	高潔のエーテル	神聖のエーテル
1ランク	属性攻撃力上昇	属性防御力上昇	属性攻撃成功率増加	属性防御成功率増加
2ランク	属性攻撃相性増加	属性防御相性増加	属性攻撃相性増加	属性防御相性増加
3ランク	PvP時，属性攻撃力上昇	PvP時，属性防御力上昇	PvP時，属性攻撃力上昇	PvP時，属性防御力上昇

　最短でランク3にするには，ランクオプションを＋7にしてすぐランクアップすればいいが，一度ランクを上げると下位ランクのオプションはそれ以上レベルアップできなくなってしまう。最高のポテンシャルを引き出すには，1ランクずつ＋10にしてからランクアップするほうがいいだろう。

2ランク以上に上がったエーテル

大規模GvG「アルカ精霊戦争」

　毎週水曜に開催される，攻城戦「MU WORLD WAR」よりも手軽に参加できる対人コンテンツが，今回実装される「アルカ精霊戦争」だ。アルカ精霊戦争はギルドの連合同士で戦う攻城戦と違い，ギルド単位の戦いとなる。実施スケジュールは以下のとおりだが，参加するにはモンスターがドロップする「城主のエンブレム」が10個必要だ。

アルカ精霊戦争の流れ

　アルカ戦争が開始されると，マップ内に「精霊の塔」が出現する。結界を解除し，塔の中枢部を破壊したギルドが塔を占領でき，戦闘終了時に占領していたギルドの勝利だ。勝ったギルドには次の開戦まで（1週間），塔の属性に応じたバフが付与されるなどの特典がある。なお，塔の属性は5種類で，開戦ごとにランダムで決定される。それぞれの占領ボーナスは以下のとおり。

精霊の塔	成功ボーナス
烈火の塔	スキル攻撃力増加+20 占領地域で経験値20%アップ 占領地域で高級なアイテムがドロップ
激流の塔	防御力増加+30 占領地域で経験値20%アップ 占領地域で高級なアイテムがドロップ
大地の塔	クリティカル確率上昇 5% 占領地域で経験値20%アップ 占領地域で高級なアイテムがドロップ
疾風の塔	攻撃力増加+20 占領地域で経験値20%アップ 占領地域で高級なアイテムがドロップ
暗黒の塔	ダメージ減少 10% 占領地域で経験値20%アップ 占領地域で高級なアイテムがドロップ

塔の結界を解除するには，3箇所の魔方陣に同じギルドメンバーが一定時間立ち続ける必要がある。当然ながら無防備になるため，周囲の制圧が必要不可欠だ

　上で紹介した以外にもアップデート要素はあり，マスターレベルの上限が200から300になり，それに伴いマスタースキル6〜9ランクの開放，および新スキルの追加が行われる。

　また，Scaleform UI Engineの導入により，各種ウインドウのデザインがリニューアルされる予定だ。ウインドウの移動や複数のウインドウを同時に開くことが可能になるなど，使い勝手が格段によくなるという。UIに関しては個人の好みによる部分も大きいと思うので，実際にふれてみてその感触を確かめてほしい。

　以上が，「ex700」の概要だ。グリモアが追加されることにより，属性による相性という要素が加わり，PvPに深みが増したり，マスターレベルの上限が200から300になったりと，ベテランプレイヤーにとって嬉しい要素が多い。また，「ミューヘルパー」が実装され，ウィンドウの任意移動や複数ウィンドウの同時ポップアップなど可能になるなど，これまで以上に遊びやすくなる。最近は本作を遊んでいなかったという人は，この機会にあらためて体験してみれば，その便利さが分かるはずだ。また，今まで以上にミューの世界に入りやすくなったといえるので，本作を未プレイの人も，このアップデートを切っ掛けに長寿MMORPGに触れてみよう。

新スキル使用はこんなイメージだ

ウインドウを複数開いたイメージ

「ミュー 奇蹟の大地」公式サイト