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「グラナド・エスパダ」温泉座談会で明らかになった9周年アップデートと今後の施策まとめ
来年のサービス10周年を念頭に,面白くないものを「捨てる」という主旨でプレイヤーからの意見を聞こうというのが,今回行われた「温泉座談会」の目的となる。オフラインイベントの内容自体は追って紹介したいのだが,ここでは取り急ぎ,9周年アップデートの方向性と「Truth of Viron〜時計塔の秘密〜EPISODE2」の内容についてまとめておきたい。
当日の司会進行は,元GMグレアで現HUE広報の森 大輔氏と声優の井上喜久子さんによって行われた。
まず,乾杯の音頭で登場したのが,HUE事業部部長兼よろず屋と紹介された中尾圭吾氏だ。氏は,9周年アップデートではGEの根本部分の問題を修正するアップデートを進めており,きたるべき10周年に向けてすでに動き出しているという。
当日は,そのGEの根本部分に関するリニューアルを中尾氏が,現在のGEのバランス調整とコンテンツの追加などについては,現プロデューサーの松田勇樹氏が説明を担当した。
そこで現在開発しているというのが,自動プレイ用の新ミッションだ。これは,マップに合わせてMCCの編成を構成し,戦略などを設定することで,プレイヤーが操作しなくても実行できるタイプのコンテンツとなっているという。
具体的にどんなものか,現在開発中のバージョンでの自動プレイの模様を示すのが以下のムービーだ。マップによってどういう構成だと成功して,どういう構成だと失敗するのかが示されている。
元々,GEの対人戦では,1発で相手を沈めるような大威力の攻撃は詠唱に時間がかかり,相手の特性などとも合わせて相性がよい場合のみダメージが通るような設計だったのだが,攻撃力のインフレが進んだ結果,1秒以内の詠唱で即死攻撃が発動できるようになり,しかも詠唱前から逃げても当たってしまうような広範囲のものも出てくるようになっている。防御力やHPも同様にインフレしていたら問題なかったのかもしれないのだが,攻撃の速度と威力と範囲が突出してしまっているというのが現状だ。これがPvPを大味にして,ゲームをつまらなくする原因になっている。
その状況を端的に示すムービーが以下のものである。
そこで中尾氏が取り組んでいるというのが,PvPでのダメージテーブルなどのパラメータと計算式の全面的な見直しである。ゲームの根本的な部分の調整になるためこれまでは手を付けられなかった部分だが,もはや放置できないレベルになっているということのようだ。
その調整中の状態でのPvPの様子を示すのが以下のムービーだ。
一撃死はなくなり,技の応酬が見られるようになっているのが分かるだろう。「Pot連打すると終わらないのでは?」という疑問にも,ちゃんと対策を練っていると中尾氏は自信を見せていた。
一方で,装備差がある場合のPvPはどうなるのかを示したのが以下のムービーだ。
だいたい2段階の装備差があるとのことだが,話にならないほど一方的というわけではない。とくに後半は中尾氏がプレイしたものだそうで,プレイヤースキルがあれば2段階上の装備に対してもある程度は善戦できることが示されている(結局負けてはいるが)。
日々キャラクターを育成していくMMORPGでは,パラメータがカンストしてしまったり,戦力値がインフレしてしまうのはほぼ避けがたい状況にある。来年10年を迎えるGEも例外ではなく,これによる問題が表面化してきているという。
実際のところ,GEの場合ダメージ値や攻撃力は青天井のようなので育成を続けることはできるのだが,攻撃速度の向上などの見た目に成長を感じやすい要素がなくなっていることを中尾氏は問題視しているようだ。
現在の攻撃速度がどんなものかを示すムービーが流されたのだが,通常速度との比較を簡単にするため,2個並べて再生した状態で再構成したのが以下のムービーだ。
そこで行われるのが,主に上位武器の攻撃速度を上げすぎないようにする施策のようで,今後登場する上位武器については,攻撃速度のオプションは付かない状態のものが提供されることになるという。
攻撃速度が並でも上位武器だけあって,それまでの最上位武器よりもDPSは出る凄い性能らしいのだが,その強化の際には,一撃の威力をさらに高めるか,攻撃速度を上げるかといった選択ができるようにしていくとのこと。すでに一部の武器では,速度補正にマイナスが付いたものが提供されているそうで,今後はその方向で装備が提供されることになるようだ。従来の武器についてはまったく変更はない。
数値的な強さという意味ではあまり変わらないのかもしれないが,強化の実感が感じられるようにするということと考えていいだろう。
これらの施策は,9周年アップデートの一環として導入されるという。PvPの調整以外は来月くらいから導入されるようだ。
続いてプロデューサーの松田氏が登場し,ゲーム内の調整と新コンテンツについて語った。
なお,8周年アップデートでの「短時間化」は松田氏もほぼ失敗を認めており,発表会に先立って行われたイベントでの禊投票で決まった「金髪化」をしての登場となった。
禊を行うことになった8周年アップデートはどんなものだったのか,なにがマズかったのかについて松田氏から説明が行われた。
なにがダメだったのかについては,すでにインタビューでも述べられていることではあるが,まずは放置狩りで最上位プレイヤー以外の報酬がマズすぎたことで,格差が拡大してしまったことが最大の失敗点として語られた。最上位と準上位の間でも10倍以上の報酬差が発生していたという。
そこで,この格差を是正し,それぞれに見合った報酬にしていくという。
また,放置狩りでウハウハになった最上位プレイヤーにも短時間アップデートが好評だったわけではない。むしろ放置狩りがおいしくなりすぎた結果,相対的に手動狩りを行う意味が薄れてしまっていたのだ。必ずしも手動で頑張るよりも放置狩りのほうが稼げるとまではいかないようだが,放置狩りに匹敵するくらい稼ぐには,毎日かなり長時間の手動狩りでのプレイが必要になっていたという。
ほかにもミッションに対する不具合が出ていたので,ミッション全体についての大幅なリニューアルが行われることになったという。コンセプトは,「遊びやすく」「わかりやすく」「多くもらえる」だ。
それぞれについての具体的な内容は以下のとおり。
ミッションの改革に続いて発表されたのが,+10強化の導入についてだ。これについては,格差拡大を懸念する声も多く聞かれたのだが,松田氏によると上は上で伸ばしつつ,下の底上げをもっと強化することで格差縮小に向けて動いていくということのようだった。
そのほか,キャラクター間の格差を縮めていくという調整があまりうまくいっておらず,引き続きキャラクターと武器の性能を調整していくとのこと。9周年アップデートでは,現状でも80以上のスタンスに上方修正が行われるという。
ちなみに,新ヴァイロンEPISODE 2から導入されるベルニエシリーズの武器では,レアオプションの種類が整理され,PvP用とPvE用の2種類だけ持っていればすべての相手に対応できるようになるという。武器の収集、強化の負担がかなり軽減されることになりそうだ。
新コンテンツとしては,大勢のプレイヤーでボスラッシュに立ち向かう「ゴールデンレイド」が現在開発されているとのこと。詳細は不明だが,これまでにない遊び方が提供されるようだ。
そして,序盤のドロップ品の見直しやマップの難度調整,商店NPCの拡張など,主に新規プレイヤーに向けた遊びやすさの改善も行われる。
さらに,「ガチャで30回続けて高ランク品が出なかった場合,31回めには必ず出る」というインペリアホイールは好評だったので,さらに強化していく方向で検討中とのこと。
現在進行中の新章「Truth of Viron」通称新ヴァイロンアップデートについては,EPISODE 1の終盤とEPISODE 2の情報が公開された。
モントロ子爵に代わって,ヴェスパニョーラから送り込まれた新城主「L」はコードネームだけが公開されるという徹底した機密管理がされており,名前すら不明。ブリスティアアップデート発表時のメインビジュアルに出ていたものの,これまでまったく登場せず「謎の赤いジャケットの女性」(通称:赤鮭)として知られていたキャラクターがついに登場する。その「秘密を暴け」というスライドが出ていたのだが,EPISODE 1で正体が判明するのだろうか。
新フィールドとなる「忘却の接見ホール」は,モントロ子爵の残した罠が張り巡らされた難エリアになる模様。その奥に待つレイドボスとしては,プロモーションムービーで「L」が出来損ないと呼んでいたテセラ ファレルが登場する。
また,前述のように,新武器として新たに「ベルニエ」シリーズも投入されるが,速度補正なしでも従来品より強力という,新世代のシリーズ武器となる。
EPISODE 2のタイトルは「時計塔の秘密」で,古代遺跡とされていた時計塔内部を舞台にヴァイロン島の謎に迫るという展開だ。新フィールド「真・時計塔」では,謎を秘めた時計塔内部の施設とともに,フェルッチオの遺産に迫る重要な展開が期待される。
新キャラクターはエビル・マキナ。「心優しき機械殺戮兵器」との異名が付いている。新レイドボスは「殺戮の機械人形」と,イベントでは語られなかったが,機械人形で思い当たる人と関連した話も出てくるようだ。
時計塔の真の姿といえる,その地下に広がるダンジョンでは新大規模ミッション「時計塔 地下」が実装される。新ヴァイロンはEPISODE 3まであることが発表されたので,この最下層あたりでクライマックスになるのではないだろうか。
そのほかの話題としては,日本オリジナルキャラクターの「サリエル」の実装決定が発表された。日本オリジナルキャラクターとしては初めて編入クエストが整備され,一般のゲーム本編に出てくるNPCと同様にいつでも家門に編入できるようになるという。
サリエルは日本で行われたキャラクターデザイン募集で入賞したキャラクターなのだが,開発元のIMC GAMESでもかなり高く評価されたようで,IMC GAMESのデザイナーが勝手にダークサイドバージョンを作って日本側に逆提示してきたのだという。こちらも採用されて,今後はサリエルのアナザーバージョンとして投入される予定だ。
そのほか,新キャラや新スタンスが続々と投入されるという。すでに出ているエビル・マキナ,サリエル,黒サリエル以外のシルエットも紹介されている。見覚えのあるものもいるはずだ。
さて,これらの9周年アップデートは,7月22日より順次実装されていくという。前述のように,中尾氏の担当部分も8月くらいから順次導入されていく。松田氏,中尾氏ともゲームバランスを大きく変えるアップデートに取り組んでいるので,その成果に期待したいところだ。
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