二次職から実に5年半，ようやく三次職がお目見えした「フリフオンライン」。第16次アップデート「Rise of the Muran」先行レポート

　本日（12月3日）ガーラジャパンは，同社がサービス中のMMORPG「フリフオンライン」の第16次アップデート「Rise of the Muran」を，12月13日に実施すると発表した。
　このアップデートで実装されるコンテンツは，主にゲーム内の最上位グループである，レベル130以上の「ヒーロー」プレイヤーを対象としたもの。同時に，レベルキャップも従来のレベル129から139に引き上げが行われる。
　今回，4Gamerでは先行プレイで，新コンテンツの内容を確認してきたほか，同タイトルのGMを務めるガーラジャパンのイリュクナカ氏から，それぞれの新要素のポイントを解説してもらったので，さっそく紹介したい。

「フリフオンライン」公式サイト

待望の三次職がついに実装！

従来職の単純強化版ではなくバランスを考慮した設定に

　今回のアップデートの目玉となるのは，なんといっても三次職の実装だ。三次職へと転職できるのは，二次職から二度の転生を経てヒーローのレベル130に達したプレイヤーのみと，少々ハードルが高くなっている。また，二次転職時と異なり，複数の系統に派生することはなく，例えば「ナイト」なら「パラディン」，「ブレード」なら「ソードスラッシャー」と単一系統への転職となる。

ナイトの上級職にあたる「パラディン」。防御に特化している

　とはいえ三次職それぞれの特徴が，二次職の単純な強化版かというと，そういうわけでもない。例えば，二次職「ビルポスター」は高い攻撃力を誇っていたが，三次職「デストロイヤー」で追加されるのは攻撃系スキルではなく，「劇団」（パーティ）をサポートする4種類のBuff系スキルだけである。

ビルポスターの上級職「デストロイヤー」。左腕に新武器「ジェム」が装備可能となり，防御力が上がっている

デストロイヤーには各種Buffスキルが追加されている。劇団で活躍できる場面が一気に増えたといえるだろう

「三次職では，基本的に二次職の特徴を強化するようなスキルが追加されます。しかし，ジョブ間のバランスやプレイスタイルの幅を広げることを考慮し，デストロイヤーのように異なる系統のスキルを追加している場合もあります。まだまだ調整の余地があるかと思いますので，ぜひ実際にプレイしてみて，ご意見や要望をお寄せください」（イリュクナカ氏）

レンジャーの上級職「レイジホーク」。攻撃力や命中率の上昇，射程距離の増加など，純粋に強化された

スキルウィンドウのユーザーインタフェースも変更され，スキルの上位/下位が判別しやすくなった

新たに実装されるエリアは4つ。獣人族同士の戦いが描かれるストーリーに注目しよう

　また，このアップデートでは4つのエリアが追加される。従来の「エスティア丘陵」のさらに北に位置する「カイルルン草原」には，独自の文明を築き上げた獣人「ライカン族」が棲息しており，プレイヤーを攻撃してくる。
　なおライカン族には，これまでのモンスターにはなかったジョブの概念が存在し，近接攻撃を行う「ライカンウォーリアー」，遠距離攻撃を行う「ライカンアーチャー」，呪術を使う「ライカンソーサラー」が存在するとのこと。ただし，マップ上における各ジョブの配置が決まっているので，例えばウォーリアーとソーサラーが連携攻撃を仕掛けてくるようなことは，実際にはほぼ起こらないようだ。

フィールドには広大な草原が広がっている。ライカン族の生態も垣間見られるだろう

ライカン族はジョブごとに攻撃方法が異なるが，とくに連携攻撃を仕掛けてくるわけではない

フィールドに出現するボスモンスター「ライカンバルガ」。討伐クエストも用意されている

　プレイヤーの拠点となる「エルリウンタウン」には，獣人「ミューラン族」が暮らしている。ミューラン族はプレイヤー達をはじめとする人間と友好関係にあるが，ライカン族とは敵対している。また町の中心には，かつてライカン族との争いの中で倒れていったミューラン族の兵士達が埋葬されたという，巨大な神木が存在する。
　この町では，獣人の生態や古代遺跡の謎に迫る一連のクエスト（ヒーローレベル128以上対象）が提供されるほか，上記の三次職への転職や，新たな「バルナ装備」を強化する「バルナ精錬」の習得が可能となる。

ミューラン族は人間とも友好的に接しており，エルリウンタウンには両者のハーフも多数暮らしている	ミューラン族の警備団長。ライカン族が町に進入してこないよう，日々目を光らせて監視を怠らない
エルリウンタウンの中心にある巨木。この木の由来はゲーム中で明らかになっていくだろう	巨木を下から眺めてみる。巨大すぎて画面内に収まらず，正直なところ何だかよく分からない……

　カイルルン草原の東にある魔方陣からは，“古代の遺跡”と呼ばれるダンジョン「ベヒモス神殿」に進入できる。このダンジョンは，三次職に転職し，かつ劇団を組んだ状態のプレイヤーのみ攻略できるとのこと。これまたハードルの高い条件となっているため，アップデート当日に進入できるプレイヤーはいないかもしれないとイリュクナカ氏は語っていた。

神殿入り口近辺。薄暗く，ジメッとした雰囲気が，いかにもダンジョンといった感じになっている

石像は進行ルート上に配置されている。しかし到達ルートは1本ではないので，劇団で手分けして破壊することもできる

　ベヒモス神殿内では，点在する「ベヒモスの石像」を順次破壊しながら進んでいくのがセオリーとなる。神殿は一階層でそれほど複雑な構造ではないそうだが，分岐があって広大なため，初見の筆者は少し迷ってしまった。イリュクナカ氏によると，基本的には霧（妖気？）が濃くなればなるほど，奥に向かっているとのことなので，プレイ時の参考にしていただきたい。

「神殿内には『トゥーラ』と，その上位版『ウムトゥーラ』というモンスターが登場します。実はモンスターのデザイナーは，これまでにないほど力を入れてトゥーラを作ったんですが，そのあと上位版のデザインを依頼されて途方に暮れてしまったそうなんです。その結果，ウムトゥーラは某モビルアーマーのパーフェクト版のようになってしまいました（笑）」（イリュクナカ氏）

デザイナーの自信作（？）というモンスター，「トゥーラ」。腹部の光の表現など，さまざまなチャレンジを施したとか

そして問題の「ウムトゥーラ」。非常に苦心してアイデアのデザインをまとめた痕跡が見え隠れしている。足は飾りではなさそう

　そして首尾よく石像をすべて破壊すると，神殿の最奥部にボスモンスター「獣神ベヒモス」が出現する。ベヒモスを倒すと，現行では最上位となる三次職専用の「ベヒモス装備」シリーズを稀にドロップする。これらの武器は，バルナ精錬で強化可能だ。
　なおイリュクナカ氏によれば，神殿内部のルートを把握し，劇団のメンバーで手分けして効率よく石像を破壊できれば，30分程度でベヒモスと対決できるとのこと。まあ，そこまで極めるためには，まずプレイヤー各自がレベルキャップ近くまで到達している必要がありそうだが……。

神殿内はそれほど複雑な構造ではないとのことだが，筆者は迷ってしまった。奥に行くほど霧が濃くなるとのことだが？

結局，時間の都合で，フィールドに「獣神ベヒモス」を召喚してもらった。プレイヤーとの比較から，大きさを実感してほしい

　また有料アイテム専用エリア「ラルテシア」も登場する。このエリアは，月をコンセプトとしており，ウサギとカメをモチーフにしたモンスターが配置されている。モンスターのレベルは116〜126だが，倒した際の獲得経験値が通常エリアより多めに設定されているので，あと少しで三次職への転職が可能なヒーローレベル130になるという人は利用してみるのもいいだろう。

月をコンセプトにした「ラルテシア」。島ごとに生息するモンスターが異なっている

ラルテシアのボスモンスター「タートルキング」

今後は高レベル帯のみならず，さまざまなレベル帯に向けたコンテンツに厚みを持たせていく

　上記のとおり，今回のアップデートは現時点で最高レベル帯に属するプレイヤーを対象とした内容が中心。だが初心者向けのチュートリアルクエストも新たに追加が行われている。提示される一連のクエストを順次クリアしていけば，一次転職が可能なレベル15に到達できるとのことで，最初の課題はゲーム開始直後に降り立つ町「フラリス」のNPC「イス」から与えられる。

これまで，初心者は画面右下に表示されるメッセージを頼りにゲームを進めるしかなかったが……

今回からはNPC「イス」が，チュートリアルクエストを提供してくれる。これで1次転職までは迷うことなく進行する

「フリフオンラインは，世界各国のガーラグループでサービスを提供しており，ゲームの仕様やコンテンツは基本的にどの国も共通です。しかしサービスを開始した時期がそれぞれ違うので，メインとなるレベル帯は各国で異なります。そこで今後は，最高レベル帯を対象にしたものだけでなく，さまざまなレベル帯向けの新コンテンツをアップデートごとに提供していく予定となっています」（イリュクナカ氏）

「フリフオンライン」 GMイリュクナカ氏

　日本でのサービス開始から6年，二次職の登場から実に5年半という歳月をかけてようやく三次職が実装されたフリフオンラインだが，今後はレベル上限が上がっていくという縦方向の進化だけでなく，各レベル帯のコンテンツ増加による横方向の展開にも期待できそうだ。
　最後に，イリュクナカ氏からフリフオンラインに期待する人達に向けたメッセージをもらったので，掲載しておこう。

「今回実装された新エリアは，ぜひ多くの方に見ていただきたいです。まだ対象レベルに少し届かないという方でも町には進入できますので，ぜひ，巨木の大きさなどを確認してみてください。
　また弊社は，今年4月にフリフオンラインの運営を引き継いだわけですが，まだまだ万全とはいえません。日々，多くの方からご意見や感想をいただいて，運営体制を強化している最中です。Twitterでのつぶやきも含めて随時チェックしていますので，積極的にご意見・ご要望をお願いします。今後のフリフオンラインにも，ぜひご期待ください」（イリュクナカ氏）

「フリフオンライン」公式サイト