イベント
[CES 2014]Intel CEOによる基調講演レポート。ウェアラブルデバイスやARが活用される未来は近いのか?
このEdisonは,22nmプロセスルールで製造されるデュアルコアCPUで,SoC(System-on-a-Chip)の形で提供されるという。NANDフラッシュメモリなどとともにSDカードサイズにパッケージングされ,ウェアラブルデバイスなどでの利用が想定されている。今年の夏には,このEdisonを搭載した機器が登場してくるだろうとのこと。
また,Krzanich氏は,ウェアラブルデバイスについて,アメリカのファッション協議会であるCFDA(Council of Fashion Designers of America)との協力を発表し,ウェアラブルデバイスはIntelにとって挑戦的な分野としながらも,今後,注力していく方向性を語った。
続いて,タブレットを使った「Intel RealSence technology」(以下,RealSence)を紹介。これは,タブレットに搭載された2Dカメラと3Dカメラを組み合わせ,オブジェクトの3Dモデリングを行うことができるという技術だ(関連記事)。実際に,Intelバニーマンの人形をRealSenceを用いてデータとして取り込むデモを披露していた。その3DモデリングデータはAR(仮想現実)で利用できるほか,3Dプリンタを用いれば,そのデータを基に撮影したオブジェクトを複製することも可能だ。
Krzanich氏は,このARを利用するという方向性は,ゲームにも活かせると語り,その一つの例として,簡単なジオラマの中でキャラクターを操作するデモを紹介した。そのジオラマの地形データはリアルタイムでタブレットに取り込まれており,実際にオブジェクトを追加した場合でも,即時にデータが反映されるようになっていた。
さらに,旧約聖書に登場する海の怪物「リヴァイアサン」のムービーを流し,そのリヴァイアサンがARによりスクリーンを飛び出すというデモを行ったが,かなりのインパクトがあり,会場は大きく沸いた。
そして,壇上にはValveの最高責任者であるGabe Newell氏が駆けつけ,Small formfactorを採用したLinuxベースのSteam Machineの試作機と,そのゲームパッドを紹介した。同マシンは,CPUにIntelのCoreプロセッサを搭載しており,Newell氏はCoreプロセッサのCPUとGPUの処理性能は高く,ゲームにおいてすばらしいパフォーマンスを発揮すると述べていた。また,実際にゲームをプレイするデモも行い,Coreプロセッサが持つアドバンテージを強調した。
携帯電話以外のモバイル機器やウェアラブルデバイス,そしてSteam Machineと,一般的なPCとは違った分野で大きなアピールが行われた今回の基調講演。携帯電話系のモバイル機器ではARM陣営の後塵を拝しているIntelだけに,そこに隣接した新たな市場では先手を取りたいという強い意欲が感じられた。
「2014 International CES」関連記事
- この記事のURL: