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[GC 2005#32]じっくり楽しめる良質のシングル専用RPG「Fable」
Fableは,いわゆる"オープンエンド"(あまり制限がなく,自由度が高い)な作りになっており,ゲーム内でどのような行動をするかによってプレイヤーキャラクターの社会的評価は変化する。
積極的にほかの人々に喜ばれる行動をとれば,主人公は英雄への道を歩み,その風貌も年を経ると共にほがらかになっていく。逆に殺人や強奪を繰り返せば,それ相応の評価と外見を持つ人物へと成長していくのだ。この,自分の意志がゲーム世界に反映される要素と,広大な冒険世界が組み合わさることで,プレイ中に感じられる"自由である感覚"はさらに高められている。そのような奥行きの深さこそが,Fableの特徴だといえるだろう。
画面を一見して気がつくのは,ユーザーインタフェースが改良されているということだ。とくに,いかにもPCゲームらしい,フルキーの1から0に対応したホットバーの追加は,プレイアビリティを大きく向上させている。スペルやアイテムの登録は,もちろんドラッグ&ドロップで行えた。
また言うまでもないが,グラフィックスのクオリティは最新のPCゲームレベルにまで向上している。風になびく髪の毛など動く部分が増えているほか,光の表現や水面の描写の品質も上がっている。Fableの名が示すとおり,寓話/童話的なセンスでまとめられたグラフィックスが高解像度で堪能できるのは嬉しいところだ。
またユニークなことに,プレイヤーが自分でテクスチャを用意することで,プレイヤーキャラクターにオリジナルのタトゥーを施すことができるという。
ゲーム要素としては,Xbox版にはなかった新しいスペル,武器,アーマー,そして新地域とクエストが追加されている。会場にいたLionhead StudiosのNick Ricks氏によれば,追加されたコンテンツの全体に対する割合は,30〜40%程度だということだ。もともとたどる道筋がはっきりと指定されているゲームではないので,新地域や新クエストは,「エンディングまでの時間が長くなる」というよりも「行動の選択肢が増える」という形で追加されているのだろう。
これら聞いて嬉しい情報に加えて,残念な情報も一つある。一部でウワサされていたマルチプレイヤーモードの実装についてだが,聞いてみたところ「それはない」という明確な答えが得られた。
こういっては失礼かもしれないが,モリニュー氏が関係する作品にしてはアクが強くなく遊びやすいところも好印象だ。日本語版のアナウンスはまだないが(ちなみにXbox版には日本語ローカライズバージョンが存在する),多くの人に触れてほしいと思わせる良作であることはここに記しておきたい。(ライター:星原昭典)
- 関連タイトル:
マイクロソフト フェイブル:ロスト チャプター
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