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[AGC 2006#06]荒廃した未来の地球を描いたMMORPG「Fallen Earth」初公開
このゲームを手がけるのは,ノースカロライナ州を本拠にする独立系の開発チームIcarus Studios。2003年ごろから,コア部分のプログラムを自前で作り続けてきたという。
Fallen Earthは,戦争や疫病の蔓延,温暖化などが150年にわたって続いた近未来の地球が舞台となる。それぞれ思想や歴史的背景の異なる六つのファクション(グループ)が,貴重になった水や資源をめぐって抗争するという内容で,かなりアクション性の強いゲームになりそうだ。デモ担当者の話では,人工衛星から撮影したグランドキャニオン周辺の地図をマップ化し,一辺87kmに及ぶ広大なゾーンレス空間をゲーム中に用意したという。
ファクションには,ミュータント化した種族やDNAの改造でパワーアップした種族などがあり,なんとなく「Auto Assault」の世界観とオーバーラップしている気がする。キャラクターのカスタマイズ機能が豊富で,クラスはなくプレイヤーの遊び方によって方向性の決まるスキルベースの成長になる。モンスターやミュータントを倒すとアーマーや武器のパーツが手に入り,9種類のクラフティングスキル(どのキャラクターも学ぶことができる)を活用して,より効率の良い兵器や,好みの衣装を開発できるのだ。クラフティングに関しては,「プレイヤーの時間が無駄にならないような秘策がある」らしいが,その詳細はまだ明らかになっていない。
かなり広大なマップなので移動手段が気になるところだが,車両は貴重な燃料を必要とするため,所有しにくい高価なアイテムとして扱われるとのこと。現在のβ版では馬が用意され,この馬をペットのように利用して,繁殖させたり,より速く走る馬を作ったりすることも予定されている。「馬に乗りながら片手でライフルを撃つ」といったアニメーションも見られ,騎馬集団で相手のキャンプを襲撃するなどもできるという。
通常は三人称視点だが,一人称視点に変更することも可能で,FPSのようなプレイスタイルも楽しめる。ただ,PvP(プレイヤーvs.プレイヤー)は大幅に規制される見込みで,特定のアリーナでチーム同士が戦い合うというシステムになるようだ。
デモを見る限り,Fallen Earthはごくオーソドックスな雰囲気のMMORPGで,グラフィックスも特筆するようなデキではない。昼夜や天候に加えて四季の要素も表現されていて,春になると花が咲き,冬には雪が積もるなど面白いところもあるが,いかんせん,もっぱら荒野や砂漠地帯が舞台なので,どこへ行っても似たような風景になるのでは,という印象も受けた。
既存のMMORPGからの脱却が主張される今回のAGCだが,このFallen Earthがニッチなファンしか取り込めそうにないのは確かだ。Auto Assaultのウケが必ずしも良くなかっただけに,非ファンタジー系の本作がどこまで善戦するか興味深い。現在のところは月額課金を予定しているとのことだが,今後のオープンβテストなどを通して,さらなる情報が明らかになってくるだろう。(ライター:奥谷海人)
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