連載
AoC暗黒大陸血まみれ紀行 / 第1回:野蛮は正義! マッチョダンディ,ハイボリアの大地へ
本ゲームは,海外では成人指定(17+)のタイトルとなっており,流血などのゴア表現,暴力的な表現,裸体や性的テーマを含んでいます。記事中にそれらの表現を含む場合がありますので,ご注意ください。
久々に登場した大物洋ゲーMMORPG「Age of Conan: Hyborian Adventures」(以下,AoC)の発売から約1か月が過ぎようとしている。発売と同時に手に入れた人の中には,とっくにレベル80の上限に達してしまい,二人目のキャラクターを作ってプレイしているといった人も多いだろう。
筆者は発売から3日ほど経ってからパッケージを入手し,それ以後ずっと毎日数時間という勢いでプレイしている。ところが筆者には,一つのキャラクターになかなか絞りきれないという悪い癖がある。キャラクターがレベル15くらいになると,ついほかの職業もやってみたくなるので新たに作り直す。それも15くらいになると,またほかのを……という具合で,最近やっとメインとしてプレイしだしたキャラクターも,いまだレベル40に達していないという現状だ。
それでも,やっとゲームの舞台となっているハイボリア大陸を遠くまで出歩けるようにはなってきたので,クエストなどのリプレイ記事を中心に,Tipsやちょっとした情報などがあればそれらも交えつつお送りする予定である。本連載が,いまだAoCを知らない人にとって,暴力と血と色気のあふれるコナンの世界に興味を持ってくれるきっかけとなってくれれば幸いである。
本連載で主役となるのは,Schwarzという名前のキンメリア生まれのマッチョマンだ。もちろん名前は,今ではカリフォルニア州知事におさまってしまった,元俳優で映画「コナン・ザ・グレート」でコナンを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーからとっている。
本当はArnoldにしたかったのだが,誰しも考えることは同じらしく,すでにその名前は使われていた。Schwarzeneggerと,名前をそのままモロに使うと,あとでどこからか文句をつけられそうな気がしたので前半分だけを頂くことにしたというわけだ。
職業は,フルプレートアーマーを着てみたいというだけの理由でGuardianを選択した。ほかの戦士系の職業,Dark TemplarやConquerorではへヴィアーマーまでしか着ることができないのだ。
キャラクター作成では,なるべくシュワちゃん演じるコナンに似せたかったので,黒髪でざんばら髪にしてみた。AoCでは,最近のMMORPGの例に漏れず,目の位置や鼻の長さ,頬骨の高さなど顔立ちを細かく調整でき,かなり違った雰囲気の顔を作り出せる。体型も身長のほか,太め/細め/筋肉質といった外見,二の腕の太さや傷や刺青の有無,女性では胸の大きさなどが細かく調整できるが,こちらはどういじってもあまり変化がないのがちょっと残念だ。
ちなみにAoCのキャラクターの顔は,かなり濃い部類に入るだろう。欧米系MMORPGのキャラクターの顔は濃いのが普通だが,本作はとりわけ濃い。多くの日本人が好みそうなアニメ風の顔立ちや,すっきりとした涼しげな美男,美女という顔はさほど出てこないので,この点で本作を敬遠してしまう人もいるのではないだろうか。このあたりの詳細は,先週掲載された記事"「Age of Conan」のキャラクターエディット詳細"を参照してほしい。
ところで,AoCでは,プレイヤーはキャラクターの力や素早さなどといった能力値に一切手を加えることができない。通常のMMORPGだと,いくらかのポイントを各能力値に割り振るなどして個性を出せるのだが,本作ではすべて固定だ。もちろんレベルアップとともに上昇はしていくのだが,その時点でもプレイヤーが手を付けることはできない。せいぜい能力値アップの付加効果のあるアイテムを装備してやることくらいしかできないのだ。したがって,Strengthは与えるダメージに関係し,Dexterityは防御の確率と攻撃速度に関連し……などということはあまり気にしなくてもよい。なにしろ,パラメータはほとんどいじれないのだから。
また魔法や攻撃方法も,レベルアップとともに自動的に覚えていくので,レベルアップの際にどの魔法を取るか,どの攻撃を取るか悩む必要もまったくない。
ではキャラクターの個性はどこで出すのかというと,スキル(Skill)とフィート(Feats)の割り振りでだ。
スキルには,休息(Rest)したときの体力やスタミナの回復を早めるとか,NPCやほかのプレイヤーから姿を隠すとか,ハシゴや蔦などを登れるようになるなどが用意されている。
フィートとは,各職業が持つ特性のようなもので,受けたダメージを減らす,攻撃方法に新たな付加能力を与えるなどがあり,スキルとフィートのどちらも,レベルアップしたときのポイントを割り振って,自分なりに強化していけるようになっている。
フィートは各職業別に,かなりの数が用意されておりツリー形式で順に取っていくようになっている。このため,上位ツリーにほしいスキルがある場合は下位ツリーのスキルも取らなければならず,なかなか悩ましいところだ。このフィートに関しては海外AoC専門情報サイトThe Age of Conan Armoryに,フィートビルダーが用意されているので,これを利用するとよいだろう。フィートカリキュレーター(Feats Calculator)は,オフラインで各職業のフィートの割り振りをシミュレーションできるツールで,Webブラウザ上で動作する。トップページのTOOLS→Feats Calculatorで職業を選択すると,各職業別のフィート画面が表示される。あとは自分の好きなようにフィートにポイントを割り振って試すことができるという便利なツールだ。
どういう風に割り振ったらよいか分からないなら,DATABASE→Feats Buildsから職業を選んでみよう。掲示板のようなところにリンクされており,そこには各職業におけるおススメのフィートが記されているのだ。たとえばGuardianで"Guardian PvP1"をクリックすると,そこにはGuardianでPvPをするときにおススメのフィートの取り方が表示される。この画面では各フィートの詳細を確認できるほか,"RESET TREE"でフィートを一から自分なりに選んでいくこともできるので,ゲーム内で適当にフィートを選んであとで苦労することもなくなるだろう。これは非常に便利なツールなので,ぜひ活用してもらいたい。
では,スキルのほうはどうかというと,もちろん自分の好みでよいのだが,筆者が伸ばしておいたほうが便利と思うおススメのスキルと,なくてもよいと思われるおススメしないスキルとを独断と偏見でいくつか紹介しておこう。
★★★:おススメ!
★★:あったほうが良いかも
★:おススメしない
★★★Bandaging/Recovery
Bandagingは休息を取ったときの体力回復速度を,Recoveryはスタミナ回復速度を上げるもので,これがあるとないではまったく違うというくらい効き目がある。10ポイントでもよいから振っておくと休息時の回復速度がかなり変わってくる。
とはいえ常にポイントをフルにしておく必要もなく,100ポイントもあればゲーム中盤でも問題ないだろう。すべての職業に有効なスキルだ。
★★Fast Healing/Fast Recovery
休息を取ったときの体力,またはスタミナの回復速度が2倍になる確率が増える。中盤以降,体力やスタミナが増えてくると,このスキルが活きてくる。50〜60ポイントも振っておくと,上記Bandaging/Recoveryのスキルと合わせた相乗効果が十分に期待できる。
★★★Casting Concentration
これを上げておくと,攻撃を受けて魔法詠唱が中断されにくくなるというもので,魔法系の職業ならば,ゲーム序盤から積極的に上げておいたほうがよい。
★★★Renew Mana
マナの回復速度を早めるスキル。これも魔法系職業なら序盤から計画的に上げておきたい。
★★Hiding
Hideスキルで姿を消しているとき,このスキルが高くないとほかのプレイヤーに見破られやすくなる。AoCでは,周囲の明るさもHideスキルの成否に関わっている。ダンジョン内部や屋内,夜などはHideがしやすく,かつ見破られにくい。逆に明るい昼間や,室内の松明の側などでもHideを成功させたいなら,このスキルにこだわりたい。モンスターやNPCには利かないスキルなのだが,PvPをするなら,高めにしておくにこしたことはない。
★★Climbing
ハシゴや,崖に這う蔦をよじ登るといった際に必要となるスキル。クエストなどで特定の場所に上るときにいる程度なので,必要になったときに必要なだけポイントを入れるのがよさそうだ。
★Run Speed/Endurance
Run Speedは走る速度を上げ,Enduranceはスプリント(Sprint)したときのスタミナ減少を抑える。どちらも,100ポイントや200ポイント程度つぎ込んだところで,実際に体感できるほどの効果を感じない。PvPで敵から逃げる場面では有効そうだが,ゲーム中盤以降でポイントが余っているなら試してみてもよいという程度。
★Perception
Hideしたキャラクターを発見しやすくするスキル……らしいが,本当に機能しているのかどうかよく分からないので,現状ではポイントが余っているなら試してみるのもよいという程度。
以上が,筆者のおススメ&おススメしないスキルだ。ただしスキルの効果は,今後のゲームアップデートなどでがらりと変わってしまうこともありうるので,あくまでも2008年6月現在での話であることを了承していただきたい。
なおフィート,スキルともに,いつでもリセットしてポイントの振り直しができるようになっている。フィートのリセットはOld Tarantia(Minerva:街の中央部),Conarch Village(Cowal:村の中央あたりの武器屋の隣),Khemi(Zahra:西の波止場のそば)の各街にいるTrainerというNPCに話しかければよい。スキルの場合はAltキーを押しながら,リセットしたいスキルをクリックすると確認のメッセージが表示されるので,YESのボタンを押せばOKだ。ただし,どちらの場合も料金が発生する。最初は安いが,リセットを繰り返していくにつれて料金も上がっていくので,あまり頻繁にリセットしてリセット貧乏にならないように注意しよう。
キャラクターが出来上がれば,いよいよ冒険の始まりだ。レベル1のキャラクターが最初に降り立つのは,ハイボリア大陸の西の端に位置するBarrachan諸島の一つ,Tortageという島だ。プレイヤーは過去の記憶を失って,その浜辺に漂着する。わずかに覚えているのは鎖に繋がれ船の櫂を漕がされる奴隷だったという悲惨な境遇と,その船が難破してしまい,九死に一生を得たらしいということだけだ。
浜辺で出会った老人Kalanthesによれば,難破した船にいた奴隷監督のSaddurというヤツが生き残り,街を目指してジャングルに分け入ったらしい。そいつが街に着いて,難破した船の積荷が奴隷だったと知れると厄介なことになるから,そうなる前に殺っちまえということだ。なんとも物騒な話だが,まあ仰せに従うことにして,いよいよゲームプレイスタートだ。 クロム!(注:ハイボリアの大地の神の名)
Tortageの島に着いてからは,ゲームのチュートリアルを兼ねたシングルプレイモードだ。きれいな砂浜の浜辺が左右に広がっており,後ろには,難破して大破した船の残骸が見て取れる。
浜辺から少し入ったところに,なんと両手を縛られ木に吊るされている女性がいるではないか! しかもこれがまた,なんとも色っぽいうえに肌の露出がとっても多い服装をしている。彼女の話を聞くと,この先にある街から逃げてきたとかで,このあたりまできたところで悪党の一味に捕らわれこんな目にあわせられているのだとか。このまま眺めていたいなあなどという気配はおくびにも出さず,「まかせなさい,この私に。クロム!」ということで,縛っている鎖のカギを手に入れるという最初のクエストにチャレンジだ。
カギを持っている悪党は,プレイヤーが打ち上げられた浜辺の少し南にいる。船の残骸を漁っているので,ぶち殺してカギを奪ってやろう。少し先には仲間が数名たむろしているので,ついでにそいつらも血祭りだ。船のオールのような木の棒切れを振り回すと,殴りつけた敵の体からは激しい血しぶきが飛び散り,殴られた自分もかなり激しく出血する。こういったゴア表現は,オプションメニューで表示しないように設定することもできるが,それではAoCをやっている意味がないだろう。ぜひ派手に殴っては,バイオレントなシーンを満喫してほしい。
ここで助け出した女性の名はCasildaといい,Tortageの街で踊り子をしているとか。彼女と二人でジャングルを抜けつつ海賊の一団などと戦っていると,門のところで半裸の大男と出会った。こいつがKalanthes爺さんがいっていた奴隷監督のSaddurで,デブで大男の上にオカマというとんでもないヤツだ。Saddurがいうには,門のカギを持っているデーモンに我々二人を生贄として差し出し,代わりにカギを開けてもらうのよ,アッハ〜ンとかなんとか。ふざけるなっつーの。
Saddurは,ボスクラスの敵なので体力は高めだが,今までの戦いで得た戦利品で多少は装備もグレードアップしている俺様の敵ではない! こいつの落とす宝箱には,今までのものより1ランク上の武器か防具が入っている。運がよいと武器と防具の両方が手に入る可能性があるので,開ける前にはクロムの神に祈りを捧げるのを忘れないように。
オカマのSaddurを倒しても門が開かないとなれば,デーモンとやらからカギを奪うだけだ。デーモンのいるところまでは,原作小説でもお馴染みの,Pictという半裸の野蛮人種がたくさん出没する。こいつらを出会う端から倒しつつ,カギを求めてジャングルの奥へ向かって行くとクリーチャーっぽい敵が登場。どうやら,こいつらカギを持っているデーモンだ。ここのボスもさして強い敵ではないので,さくっと倒してカギをゲットした。
やっと開いた門だが先にはまだジャングルが続いており,今度の敵は野生のゴリラ。体力が高いせいか,このゴリラが今まで出会った敵の中では一番タフだ。倒して手に入るお宝もバナナと,なんともゴリラらしい。とはいえこのバナナ,食べておくと戦闘時以外の体力回復速度を一定時間早めてくれるという嬉しいアイテムなので,落としたらぜひすべて手に入れておきたい。道の最後ではお約束,ゴリラのボスとの戦闘だ。ボスの横には宝箱が置いてある空き地があるので,これまたぜひ手に入れておこう。
ついにTortageの街の門に到着だ。門を開けると,Casildaちゃん「なんとお礼をいったらよいか……,またあとでね,ウフ」など嬉しいことをいいつつもさっさと行ってしまう。うまくはぐらかされたような気がしないでもないが,まあそれはそれとして先に進もうじゃないか。
門を抜けると,そこはマルチプレイゾーンになっており,多くのプレイヤーが走り回っている。Casildaちゃんとの甘い道行は心の奥に秘め,さらなる冒険を求め街へと向かったのだが,いざ街の門を抜けようとすると衛兵らしき男に止められて「おいちょっと待て,そこのお前。Tortageの街には奴隷は入れないんだよ。さっさと街から出て行きやがれ!」とまあ,街に入るのを丁重にお断りされてしまった。
思わず腰の剣に手が伸びそうになったが,相手のレベルが高すぎてとてもじゃないが歯向かえない。どうしようかと思案していると,門のそばにいる男の頭の上に「!」マークが。話を聞いてみると,俺の手首に残っている手枷がいけないらしい。こいつを外せば,誰の目からも奴隷とは分からないから,大手を振って中に入れるんだぜとこっそりと教えてくれた。人相は悪いが,なんていいヤツなんだ,アンタ! 手枷を外すには,鍛冶屋のTurachが力になってくれるらしい。なぜか街の外で鍛冶屋をやっているTurachに話を聞くと,石のブロックを取ってきてくれれば手枷を外してくれるそうだ。ブロックのあるところには海賊の一団がたむろしていたが,さっきの鬱憤を晴らすべく皆殺しにしてやった。ブロックを持って帰ったら,約束どおり手枷を外してくれた。クロム,これでやっと街に入れるぞ!
やっと入れた街の中は,多くのプレイヤーやNPCでごったがえしていた。アイテムを売買している商人NPCもたくさんいるので,まずはインベントリを圧迫している戦利品の数々を売り払ってしまおう。
ここから先は何をしようと自由だ。街中を見物してもよいし,NPCからクエストをもらってもよいが,まずは門のところにいた男から受け取った手紙を宿屋に届けるというクエストをやってしまうことにした。あいつは中に入る方法を教えてくれた,見かけによらずいいヤツだし。
宿屋のThe Thirsty Dog Innは門のすぐ右手にあった。中に入るとそこは薄暗く,昼間だというのに酔っ払ってくだを巻いているヤツがいたりと,なんとなく胡散臭げなところだな。
目的の相手は,宿にいるTinaという女性だ。手紙を渡すとなぜか嬉しそうにもじもじしている。どうやら手紙は恋文だったらしい。人の恋路なんぞどうでもいいので,俺の記憶を探す手がかりがないかと尋ねてところ,夜になったらNadiniという女占い師に会ってみろといわれた。ここで夜まで待ってNadiniに会う選択をすると,またシングルプレイモードに切り替わる。AoCの特徴の一つは,このシングルプレイモードでゲームのストーリーを追っていくというところにある。
Tortageの街は,Stromという男によって支配されていた。StromはRed Handと呼ばれている手下達を使い,暴力で住民を抑えつけていたのだが,それに反発した人々は密かに地下組織を結成して抵抗していた。
プレイヤーは自らの記憶を探す手がかりを見つけるため,レジスタンスに味方してTortageの街をStromの暴政から救うというクエストをこなしていくわけだが,この一連のクエストがシングルプレイモードとなっているのだ。
このシングルプレイモードは,人質救出あり,乱闘あり,1対1の対決ありと,かなり面白い。進めていくだけでどんどんとレベルが上がっていくし,クエストの報酬としてもらえるアイテムで一通りの装備が揃ってしまうのも嬉しい。
もちろんマルチプレイモードにも,かなりの数のクエストが揃っており,報酬のアイテムもよいものがもらえる。シングルプレイモードをあとにして,こちらをどんどんとやっていっても一向に差し支えはない。だがシングルプレイモードをコンプリートしない限り,Tortageから外へは出られないので,街に着いたらすぐにシングルプレイモードのクエストを始めてしまうのがおススメだ。
次回は,ゲームのメインストーリーを追いかけるTortageでのシングルプレイモードのクエストを紹介していこう。窮地に陥っている少年を助け出したり,火山を噴火させたり,序盤で登場した踊り子のCasildaちゃんが登場したりなどと波乱万丈のストーリーが展開していく。次週をお楽しみに,クロム!
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- 関連タイトル:
Age of Conan: Unchained
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