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[E3 2005#031]3D Realmの新作,「Prey」発表!
2006年はDuke Nukem 3D発売10周年にあたり,今年は何らかの発表があるのではないかと期待されていたが,誰も知らないところでコッソリと新作「Prey」のムービーデモが行われていたのだ。
このPreyを知っている人は,Dukeファン以上に"コア"だろう。実は,3D Realms社が「Duke Nukem Foreverの兄弟プロジェクト」として,1999年に独自エンジンによる開発を行っていたソフトと同名なのである。もっとも,Preyの開発に関しては半永久的停止が発表されていたが,それが今回,誰も知らない間に復活していたわけだ。
新生Preyは,3D Realms社の委託を受けたHuman Head Studios社が開発しており,「DOOM III」エンジンを独自にモディファイしたグラフィックスエンジンが使用されている。Human Head Studios社は,Unrealエンジンを使った中世メレーアクション「Rune」を制作した会社であり,最近では「Dead Man's Hand」というFPSも手がけていた。
ムービーデモでは,まずコンコンとノックするような音が屋根から聞こえ,やがて車のアラーム装置がけたたましく鳴り響くとともに,緑の光が窓から差し始める。バーにいた数人がキョロキョロしていると,その緑の光に引っ張られるように,アラームを鳴らしたままの軽トラが舞い上がっていく。やがてその光はバーの扉を吸い上げ,バーの椅子やテーブル,さらにはバーテンダーまでもが吸い込まれていくのだ。窓から見えるのは巨大な宇宙船で,アメリカでは都市伝説化しているアブダクション(地球外誘拐)らしい。逃げる場所もなく,プレイヤーの視点の周囲も緑の光に包まれたところで,このシーンが終わる。
目を覚ましたところは,「StarCraft」のザークの基地を思わせるような,生物と機械が一体化したような場所。つまり巨大な宇宙船の中である。トミーの置かれている状況が分からないものの,宇宙船の中にはジャンボジェットが舞っている。
ここからは次から次へと戦闘が発生するのだが,まず目を引くのがプレイヤーの操作する武器だ。三本足のカニのような生物の足を折って投げつけると爆発するなど,このカニやサソリのような小型生物が装着された不思議な武器ばかりが登場する。この生物は,常にモゾモゾとキャラクターの手中で動いていて,妙に気持ちが悪いのだ。
質感は生物的/有機質的でDOOM IIIとは異なるが,やはり迷路のような狭い宇宙船内を走り回る場面が多かった。しかし,DOOM III……いや,すべてのFPSとPreyがまったく違う点については,戦闘シーンが始まってすぐに気がついた。
なんと,この宇宙船は文字どおり宇宙に浮かんでいるためか,重力や方向がゲームに大きく関わってくる。縦のループになった通路があると思えば,エイリアンが天井をさかさまに歩いて進んでくる場面にも遭遇する。
面白かったのは,この重力装置のスイッチになっているオブジェクトがいくつもあり,それを銃で撃つと天井に張り付いていたオブジェクトが下に落ち,敵モンスターが駆け込んできた瞬間にもう一度スイッチを狙い撃ちすると再び天井側に重力が切り替わるという場面があったことだ。デモを見ているだけでも上下感覚がつかみにくく,これまでの平面的なアクションでは対処できないように思えた。ほかにも,宇宙船の内壁で撃ち殺した敵が,ふんわりと飛んでいくようなシーンもあった。
もう一つ,重力同様面白そうなのがポータルドアで,向こうが見えるポータルからエイリアンが進み出てきたり,そのポータルに飛び込んで別のエイリアンに戦いを挑んでいたりといった場面が見られた。また時間も超越できるのか,エイリアンを倒していると突然元の位置に戻るなんてことも。さらに,地球人の子供2人が泣いているシーンがあり,近寄っていくと突然目を黄色く光らせてモンスター化し,襲い掛かってくるようなホラー的な場面もあった。
これまでにも,「Unreal」など大気圏外のマップを用意したFPSは存在するが,重力そのものをゲームプレイに取り込んでいるのは面白いアイデアだ。ムービーデモの最後には「地球の救済者は,その役目を望んでいない」(Earth's Savior doesn't want the job)という文字が出てくるのは,トミーが嫌々ながらエイリアンとの戦いを強いられていくうちに,アメリカ先住民としての自覚を持つに至るということだろうか……。
DOOM IIIベースだけにグラフィックスも素晴らしく,今回のE3ではダークホース的な存在で,すでに多くの業界人の間でも話題になっているようだ。発売はTake-Twoブランドが立ち上げたばかりの2K Games社で,発売日は未定。おそらく2006年中と思われるが,今後の続報は要チェックの作品だ。(奥谷海人)
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PREY -プレイ- 日本語版
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