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[E3 2005#134]アメリカ初の本格派デートゲーム「Mojo Master」は無料で配布
これは,アメリカでは「アドバゲーミング」と言われている新しいマーケティング手法で,最近非常に注目されている。既存のテレビCMや新聞広告は,広くマスマーケットにアピールできる割には効果が見えにくく,費用が膨大になることが難点とされてきた。しかも,テレビだとたかだが30秒から1分で終わってしまうし,新聞広告だとページを素通りして一切目を通されない可能性も大きく,またターゲットを絞り込めないのが難点だ。
そこで登場するのがアドバゲーミングで,ゲーム制作の費用を支払うだけで,子供から30代までの"ゲーム世代"に広くアピールできるし,より長く深くプロダクトやサービスに触れてもらえるわけである。ディズニーやコカコーラなども本格的なアドバゲーミングへの投資を始めており,急成長の広告事業と言えるだろう。
さて,この「Mojo Master」の開発を請け負っているのがWild Tangent社で,元MicrosoftのDirectXチームだったアレックス・セント・ジョン(Alex St. John)氏を筆頭に,1998年以来ウェブによるゲームディストリビューションを開拓してきた会社である。同社は独自のゲーム制作ツールも所有しており,今回AXEが無料のゲームをウェブでダウンロードする方式のアドバゲーミングを選択したことから,Wild Tangent社に白羽の矢が立ったわけである。
Mojo Masterに度肝を抜かされるのは,このゲームが17歳以上指定の大人向けデートゲームであるという点だ。プレイヤーは,アメリカ各地を旅して女の子を口説く必殺技"モジョ"をマスターし,用意された100人の女性との恋愛関係を楽しもうというシミュレーションゲームである。
Mojoとは,コカインを指す隠語として知られるが,元々は意中の相手に効果をもたらすラブポーションとしての意味合いがある。
Mojo Masterでは,女性の興味を示す"セダクション・コンパス"が,ライト,ファイア,アース,アイス,シャドウの肉体的/精神的特長を示す五つのタイプで構成されており,その女性に応じて,必要なモジョを発動してはコンパスのダイアルを操作する。モジョは,「靴のショッピングに誘う」「複雑なダンスを覚える」「将来について語る」など他愛のないものだが,どの女性にどのような効果があるかは試してみなければ分からない。この切り札が多いほど,女性との交渉もうまくいくのだろう。
3Dでモデリングされた女の子キャラクターは100人おり,それぞれ少しずつタイプが異なっている。プレイヤーは,一人一人をモノにして携帯電話番号を入手していき,100人分集めることが目的だ。最後に,2005年度のプレイメイト・オブ・ザ・イヤーとして活躍しているティファニー・ファロンさんの口説き落としに成功すると,プレイヤーは晴れて"モジョマスター"の称号を得るのである。
Mojo Masterは,無料ゲームのイメージとはほど遠い本格的な3Dゲームで,6月20日から公式サイト(「こちら」)で配布され始める予定だ。AXEの思惑は,デートゲームで達成されるだろうか?(奥谷海人)
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