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「GeForce 304.79 Driver Beta」リリース。Windows 8とWindows 7&Vista両対応のドライバはこれが初めて
NVIDIAは北米時間6月27日に「Windows 8 RP専用のWHQL版ドライバ」という,なかなか珍しいリリースを公開済みだが,今度は,Windows 7&Vista向けドライバとの統合を早くも果たしてきたことになる。もちろん,1つのバイナリでWindows 8 RPとWindows 7&Vistaに対応したドライバが登場してきたのは今回が初めてである。
対応GPUは下記のとおりで,「GeForce GTX 680M」がサポート対象から外れている点も含め,Release 304世代の第1弾となった「GeForce 304.48 Driver Beta」との間に違いはない。
- デスクトップPC向けGeForce GTX 690・680・670
- デスクトップPC向けGeForce GT 645・640・630・620・610,GeForce 605
- デスクトップPC向けGeForce 500〜6シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 675M・670M・660M
- ノートPC向けGeForce GT 650M・640M・635M・630M,GeForce 610M
- ノートPC向けGeForce 500M〜8Mシリーズ
- ノートPC向けQuadro FXおよびQuadro NVSシリーズ,NVSシリーズ(※DirectX 10以降に対応した製品のみ)
- GeForce 6以降のGPU機能を統合したチップセット
入手したい人は下に示したリンクを使ってもらえれば幸いだ。
→32bit版Windows 8・7&Vista用GeForce 304.79 Driver Beta(166MB)
→64bit版Windows 8・7&Vista用GeForce 304.79 Driver Beta(210MB)
→32bit版Windows 8・7&Vista用Verde 304.79 Driver Beta(168MB)
→64bit版Windows 8・7&Vista用Verde 304.79 Driver Beta(213MB)
さて,そんなRelease 304.79 Driverにおけるポイントだが,上で紹介したWindows 8 RPがらみの話を除けば,「GeForce GTX 680」の発表に合わせて紹介がなされたNVIDIA独自のアンチエイリアシング技法「TXAA」(Temporal approXimate Anti-Aliasing)を,ついにGeForce Driverがサポートした点ということになるだろう。今後,TXAAがどれくらい普及するのか,現時点ではなんともいえないが,Release 304.79の公開に合わせて,Electronic Artsの「The Secret World」がTXAA対応タイトル第1弾として発表されたのはトピックといえそうである。
そのほか英文リリースノートに書かれているアップデート内容は和訳のうえで本稿の最後にまとめたが,全体としてはバグ対策が広く行われた印象も受ける。「シャットダウンしたら再起動がかかることがある」問題など,比較的大きめのトラブルへも対処がなされているので,β版の導入に抵抗がないなら,自己責任で試す価値があると述べていいのではなかろうか。
●Release 304.79 Driver Betaの新要素
・TXAAのサポート追加
- 「GeForce GTX 680」時に導入が予告されていたTXAAが,GeForce GTX 600シリーズで利用可能に(※TXAAの詳細は西川善司氏による解説記事を参照してほしい)
- 「The Secret World」が,TXAAを利用できる初のゲームタイトルになるとのこと。TXAAは近く公開のパッチで有効化される予定
・SLIの拡張
- 「The Secret World」「End of Nations」「Nexuiz」「Tom Clancy's Ghost Recon: Future Soldier」「Tornado Force」に向けたSLIプロファイルの追加(※NexuizとTom Clancy's Ghost Recon: Future Soldier用のプロファイルは,すでにNVIDIA Update経由で公開されているのと同じもの)
- 「Tribes: Ascend」に向けたSLIプロファイルの更新
●Release 304.79 Driver Betaで解決した問題(Windows 8)
- NVIDIAコントロールパネルの「Adjust Desktop Size and Position」(デスクトップのサイズと位置の調整)メニューで画面拡大設定を変更後,[Cancel]ボタンをクリックしても,変更前の状態に戻らない問題
- 「Optimus」技術を採用したALIENWAREまたはLenovo製ノートPCの一部で「NVIDIA HD Audio」がWindowsのデバイスマネージャに表示されなくなる問題
- GeForce GT 520搭載環境でNVIDIAコントロールパネルからFXAAを有効化すると,一部のDirectXアプリケーションで画面がちらついたり揺れたりする問題
●Release 304.79 Driver Betaで解決した問題(Windows 7&Vista)
- PCをシャットダウンしたにもかかわらず再起動する問題
- NVIDIAコントロールパネルの「Adjust Desktop Size and Position」(デスクトップのサイズと位置の調整)メニューで画面拡大設定を変更後,[Cancel]ボタンをクリックしても,変更前の状態に戻らない問題
- 「Deus Ex: Human Revolution」をDirectX 11モードで実行すると,ゲームやオープニングでフレームレートが低くなる問題
- 三菱電機製の3D Vision対応リアプロジェクションテレビ「WD-60C9」に接続していると,3D Visionセットアップウイザードの実行中に「Hardware Test Failed」エラーが発生する問題
- GeForce 500シリーズ搭載環境で「World of Warcraft」「EVE Online」を実行し,「hardware cursor」を有効にすると,マウスカーソルがちらついて表示される問題
- GeForce 500&400シリーズ搭載環境で「Sid Meier's Civilization V」の「LateGameView Benchmark」を実行すると,実行中にベンチマークアプリケーションがクラッシュする問題
- GeForce 500&400シリーズ搭載環境でウインドウモード3D立体視を有効化するとWindows Aeroが有効にならない問題
- GeForce 500&400シリーズ搭載環境で,「Homefront」およびDirectX 11モードの「Heaven Benchmark」をウインドウモードで実行したとき,3D立体視を有効化できない問題(※ということだと思われる。原文は「[GeForce 500/400 series][3D Vision]: Windows Aero cannot be turned ON if windowed stereoscopic 3D is ON.」
- GeForce 400シリーズ搭載環境で,D3DRS_WRAP0(※複数のテクスチャ座標セットに対するテクスチャラッピング動作)のレンダリングステート有効値として「D3DWRAP_U」を組み合わせると,レンダリング結果が目に見えなくなる問題
- GeForce 500シリーズの3D Vision Surround構成時に,ベゼルコレクションを有効化すると,NVIDIAコントロールパネル内の解像度リストが変更される問題
- ASUSTeK Computer製の「Intel P55 Express」チップセット搭載マザーボード上でGeForce 400シリーズのSLI構成を行うと,Release 304.48 Driverの導入後,画面に何も表示されなくなる問題
●Verde 304.79 Driver Betaに関する注意事項
- ドライバのアップデートに先立ち,システムのバックアップ取得を推奨
- Intel製チップセットを搭載し,HybridPowerに対応したノートPCはサポート対象外
- ソニー製ノートPCは,GeForce GT 540M・520M・425M・330M・310M搭載のVAIO Fシリーズのみ対応(※それ以外のソニー製ノートPCで,グラフィックスドライバはソニーから提供される)
- 富士通製ノートPCは非対応(※Fujitsu Siemens製ノートPCは対応)
- Dell製ノートPC「Inspiron 1420」「XPS M1330」「XPS M1530」「Latitude D630&D630c」のユーザーには,ドライバのアップデートに先立って「Recommended Software Update」の導入を強く推奨
- 関連タイトル:
GeForce Driver
- 関連タイトル:
Windows 8.x
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