プレイレポート
低レベルでも国家間の大規模戦争に参加できる,三国志オンラインアクションRPG「蒼天」CBTレポート
蒼天に関してはCBT開始前の1月27日に,テストサーバーでのプレイを元に執筆した「先行レポート」を掲載しており,戦闘や政策システムなどについて紹介している。今回はほかのプレイヤーが多数いるCBTで,大規模戦での挙動や全体的なゲーム性についてじっくり見てきたので,そういった部分を中心にお伝えしていこう。
ただし今回のテストでは未実装な部分も多く,また今後のサービスでは仕様が変更になる可能性もあることを踏まえたうえで読んでもらいたい。
「蒼天」公式サイト
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なお,韓国ではすでに「蒼天2」の情報も出ているが,これは本作「蒼天」とはまったく別のゲームと考えてよいだろう。ファンタジー色の強い「2」に対して,本作は純粋に三国志の時代に舞い降りて,一人の兵士として当時の歴史を疑似体験できるアクションMMORPGである。敵キャラクターとして現れるのは常に人間であり,でかいクモやニワトリなど出てこないし,2のように魔法なんてものも使わないのだ。
全体マップではクエストの対象地点や報告場所が表記される。都市は発展することで販売品や製作品,兵糧の最大量などが増加する。政策によって変化する太守の配置も,天下統一に至る重要な要素となる |
局地戦や討伐戦で死亡してしまうと,画面左上に表記されている「生命力」が減少する。0になるとその戦場から退場させられてしまうが,10分ごとに自動回復するほか,アイテムの使用によって回復できる |
低レベルでも戦争に参加可能!
レベルを上げるたびにプレイの幅が加速的に増えていく
最初のうちは一般的なMMORPGと同じように,任務(クエスト)を進めながら,ゲームの基本的な部分を覚えていく形となる。任務は,「英雄(武将)を3体倒す」や「アイテムを5個取ってくる」などといった一般的なものと,歴史の追体験ができるシナリオ任務とに分けられる。シナリオ任務では「桃園の誓い」など,三国志ファンならニヤリとするようなエピソードの場に,一人の兵士として立ち会うことができる。
任務は画面のように,さまざまな都市で受けられる。レベルが上がるたびに受けられる任務は増えていくので,こまめにチェックしとくのがいいだろう |
劉備,関羽,張飛が義兄弟の契を結ぶ「桃園の誓い」に同席した場面。彼ら英雄はプレイヤーキャラクターにも話しかけてくるので,歴史を「見る」ではなく,歴史に「参加する」感覚を持てるのがうれしい |
レベルが15以上になるとPvP「局地戦」が行われる砦にも入れるようになる。レベル15というのは一通りの任務をこなし,ゲームの概要が大体分かってきたあたりなので,割と早いうちから国と国との戦争に加われるということだ。砦は最大30vs.30のPvPができるフィールドで,制圧することによって敵国の補給路を断つのが目的となる。本作のPvPでは攻撃を与えた際の硬直がかなり有効なので,低レベルキャラクターでも味方の役に立てるはずだ。ほかのプレイヤーよりレベルが低いからといって尻込みする必要はないので,局地戦が行われていたら援軍に駆けつけてみるといいだろう。
レベルが20以上になると,今度は「討伐戦」に参加できるようになる。「討伐戦」は徒党(PT)を組んで英雄を援護しながら諸侯を撃破するシナリオダンジョンだ。首都などにある討伐大将と会話し,適正人数以上の参加登録があれば開始される。これは国や場所の制約を受けないようで,魏呉蜀に関係なくパーティを組める。たまには他国のプレイヤーと共に,一丸となってクリアを目指そう。
難度は高いが報酬も魅力的な討伐戦は,登録者が規定以上になると自動的にスタートする。どうしてもクリアしたい場合はチャットなどで呼びかけて,最大人数で挑むほうが確実かもしれない |
討伐戦はNPCである英雄の作戦に従う形で,プレイヤー達の徒党と英雄とで同時に戦闘へ参加する。重要な英雄が倒されると作戦は失敗となってしまうので,彼らの状況は常に確認しておきたい |
さらに30以上になると,専用の服を着ることで移動速度と致命率が増加し,PKの得意な「刺客」となって他国の戦場に入れるようになり,加えて「国境戦」の本隊戦闘にも参加できるようになる。そして35以上になると他国都市の情報を調べる「工作」ができるようになるなど,レベルが上がるにつれてプレイできる範囲が広がっていく。また今回のテストでは未実装だったが,ゲーム内のガイドによると,二つのチームに分かれて競争する「略奪戦」,三国志の大きな事件に参加できる「歴史戦」,二つの国家のプレイヤー同士で,英雄と共にポイントを競う「模擬戦」などといったコンテンツが用意されているようだ。
最終的には,ほかの国家の領土を首都以外すべて奪い取る「天下統一」が目標となる。「天下統一」が成立すると,全プレイヤーに所属国家を変更できる国籍変更チケットを購入できる機会が与えられ,3日後に領土が初期化。また新しい歴史が始まることになるわけだ。
こうしたさまざまなコンテンツに加え,早いうちから戦争に参加できるシステムもあるので,MMORPGにありがちなマンネリ感を本作で感じることは少ないだろう。
刺客になるとフィールド上での名前が「刺客」と表記される。首都などにいる「刺客首領」にアイテムと料金を支払うことで刺客に偽装できるが,国境戦エリア,局地戦エリア,決闘場へは入場できなくなる |
「工作」により他国都市の情報を得るためには,門番長を撃破する必要がある。しかし,このような固い守りを突破しなくてはならず,敵国のプレイヤーも守りにくるので,かなり難度が高い。人数を集めて向かうのがいいだろう |
一撃必殺の火力を手に入れるか? 支援に特化するか?
個体差が出てくる能力開発システム
キャラクターのステータスを自分で選んで伸ばせる「能力開発」は,レベル10からポイントを振り分けられるようになる。レベルアップごとに入る「能力ポイント」を消費し,ツリー型の強化項目に振り分けていくタイプだ。大きく分けて五つの能力があり,その中でさらに細分化されている。すべての能力に振り分けるにはポイントが全然足りないので,いずれかに特化させたり,そこそこのバランス型にしたりと,自分のプレイスタイルに合った形を考える必要があり,同クラス同レベルのキャラクターでもステータス的にはかなり異なる,個性的なカスタマイズができるというのは本作の大きな特徴といえよう。
■能力開発
「攻撃力」−−攻撃力,弓攻撃力,技能攻撃力,攻撃力距離,奥義攻撃力範囲,致命率,奥義攻撃力
「命中率」−−命中率,弓命中率,狙撃,射撃速度
「防御力」−−防御力,対技能防御力,回避率
「体力」−−体力,気力回復,移動速度,体力回復,行動力,行動力回復
「演奏」−−演奏,演奏力,演奏回復,演奏回復時間短縮
本作には製作システムがあり,作成した装備は一般ドロップ品や商品で購入できるものよりも強いという特徴がある。製作するには,まずフィールドの敵などを倒した際のドロップ品を,商店街にいるNPC「解体職人」に解体してもらい,材料にする。その材料を用いて「職人」に製作してもらうのだ。また,装備品は「精錬職人」のところで宝石を付与することで,最大8個分まで能力値を高められる。
解体で得られる材料は,NPC「材料取引人」を介してほかのプレイヤーとの取引もできる。ドロップ品は普通に商店へ売却もできるので,解体で得られる材料と照らし合わせてどちらがいいか考えよう |
精錬にはドロップなどで得られる宝石のほか,商店で販売されている精錬道具が必要になる。精錬用宝石のレベルや種類によって能力値は変動し,精錬に失敗する場合もある |
ゲームパッドオンリーでの戦闘もある程度は可能
自分のプレイスタイルに合わせて操作方法を選べるキーカスタマイズ
戦場を制するのは戦略か? 力か? それとも……
メインコンテンツとなる国境戦での挙動は
今回のCBTでは,「戦争」の発生が未実装であり,残念ながら政策からどのような感じで戦争に発展するのかは確認できなかった。しかし「局地戦」は常に数か所で起こっており,イベントとしてだが「国境戦」も体験できた。最大100vs.100で戦う「国境戦」は,攻撃側と守備側に分かれ,攻撃側は敵都市の城門で君主を撃破するか,兵糧を枯渇させれば勝利。逆に守備側は進行時間以内に攻撃を防ぐことができれば勝利となる。戦闘はまず野戦フィールドで行われ,攻撃側が勝利すると城門に移動し,攻城戦が行われる。このときに防御度を0にして城内に侵入し,最後の戦闘に勝利すれば都市占領だ。
戦場では敵国の兵士を倒すことなどで溜まっていく「戦術ポイント」を消費することにより,NPCの英雄に指示を出せる。英雄達の戦場での能力は圧倒的なので,勝利のために活用していきたい |
さまざまな攻撃の中でも,奥義の一撃はかなり重要な戦力になる。敵軍が固まっているところに向けて放てばラインを崩せることもあるので,気力(SP)を溜めたらタイミングと位置を考えて使用したい |
参加した国境戦イベントは攻撃側が呉,守備側が蜀で,場所は長坂で行われた。マップ中央の橋を中心に相対する形から,じわじわと呉が本陣まで攻め上がり,一時は決着がつくかと思えたが,そこから蜀軍が押し返し,最終的には守備側蜀軍の守城勝利で終わった。前線は主にライン線となり,近距離武器や中距離武器を装備した兵士がラインを形成して,その後ろから大量の弓が発射され,また後方では楽器の演奏による支援が行われるという形が出来上がっていた。
戦場のマップでは,各拠点のほかプレイヤーキャラクターの位置なども表記される。軍楽部隊は近づくと回復してくれ,近場に進んできた敵対勢力に対しては一緒に戦ってくれる。これらの機能も有効に利用していきたい |
イベントで行われた局地戦の一幕。画面の後方には拠点があり,それを奪うか守るかの攻防である。局地戦では最大となる30vs.30の状況だが,大きくラグが発生することなく快適に戦えた |
大人数同士の戦闘だったが,ラグや遅延はほとんど感じられず,アクションも軽快であった。同時に周辺の局地戦も行われ,それらの情報は随時表示される。正直なところ,どの位置での戦況がどこまで戦争に影響しているのかまでは分からなかったが,低レベル帯から高レベル帯までのプレイヤーキャラクターが,母国のため一丸となって勝利を目指している感じは強く受けた。
戦争においては,やはり個々のプレイヤーがバラバラに動いても,軍としての機能は果たさない。状況に応じてチャットで指示を出し,まとまりのある戦闘を繰り広げる軍師的な立場のプレイヤーが必要になってくる。本作で名軍師を目指す人は,今から孫子の兵法などを勉強してみるのも手かもしれない。
国境戦が開始されると,画面のようにマップ上に表記される。近隣でも低レベルのうちから入れる局地戦が行われており,その結果は国境戦の勝敗にも影響を及ぼすので,進んで参加しよう |
軍馬にも体力があり,20%を下回ると乗れなくなる。操作に多少癖があるが,慣れてくると戦場でかけがえのない大事な相棒となるだろう。体力は馬屋で購入できるアイテムで回復が可能だ |
戦略的な要素は,何も大規模戦だけではない。戦場でNPCを相手にする場合,同様に戦い方を考えながら進めていくのも面白い。まずは騎乗して一気に進み,砦の上から矢を射ってくる最も邪魔な弓兵を蹴散らす。襲ってくる剣兵や槍兵を牽制しつつも,矢の流れてくる方向に進み,地上の弓兵を早急に退治。そうして最も強力な攻撃をしてくる英雄の挙動に気をつけながら剣兵や槍兵をつぶし,英雄と一騎打ちの状況に持っていく。敵の攻撃をローリングやバックステップで回避し,隙を見つけて奥義をぶち込む。……戦場の敵の配置などの状況に応じ,このように戦術とアクションを組み合わせて戦っていけるのも「蒼天」の醍醐味だ。さすがにコンシューマの本格アクションゲームにはかなわないが,MMORPGとしてはとても高いアクション性は持ち合わせている。
蒼天は,インタフェースや遠距離攻撃の弓の操作など,最初のうちは一般的なMMOと違った癖があるため,多少戸惑うプレイヤーもいるかもしれない。筆者は画面上部のNPC欄をクリックすれば会話できることに気付かず,画面に映ったNPCを直接クリックしようとして,意味なく攻撃の素振りを繰り返してしまったりもした。とはいえ,そういった戸惑いはゲームに触れているうちに自然と消えていくことだろう。興味を持った人は,まず戦争に参加できるくらいのレベルまでプレイしていただきたい。そのレベルでならば心ゆくまで,本作のアクション性,戦略性の感触を味わえるはずだ。
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