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コーエー,「三國志11」を発表 シリーズ初の3D一枚マップを採用
ただ,「とりあえず発表しました」というところなのか,今のところ情報は多いとはいえない。その代わりにいくつか画像を入手したので,このページにすべて掲載しておこう。
何はともあれ,まずは三國志シリーズそのものについて,軽くおさらいしておく。中国の四大奇書の一つ「三国志演義」をベースにした国盗りタイプのストラテジーゲームで,1985年に第一作が誕生して以降,そのシリーズ作すべてがヒットを記録している。信長の野望シリーズと共にコーエーの看板タイトルであるだけでなく,「国産ゲーム」という大きなくくりで見ても,代表的な作品といえるだろう。
大ヒットの理由は,そのゲーム性もさることながら,魅力あるキャラクター達の存在も大きいはずだ。桃園で義兄弟のちぎりを交わした劉備,関羽,張飛,天候を操り不可能を可能にする軍師 諸葛亮,自身の才覚を十分に発揮し強大な帝国を築き上げた“乱世の奸雄”曹操,「断金の交わり」(金属をも断ち切るほどの強い契り)で結ばれた孫策と周瑜などなど,とにもかくにもタレント揃いなのは,この記事を読んでいる人には説明するまでもないだろう。
三國志シリーズは,彼ら登場人物の魅力を引き出す演出が実にうまく,「キャラクター」と「ゲーム」が人気を引っ張り合う形で,これほどまでのヒットシリーズへと育っていったのだ。
ところで,このところの三國志シリーズには,「ゆらぎ」があった。
収録されたすべての武将でプレイできる「全武将システム」を引っさげて登場した「三國志 VII」が空前の大ヒットを記録し,その内容を発展させた「三國志 VIII」も好調なセールスを見せた。
ところが続く「三國志 IX」では,全武将プレイシステムは廃され,従来のシリーズ作が持つ面白さを追求した内容となる。そのゲーム性は拡張パック「パワーアップキット」で完成にいたり,これは古くからのファンにも「傑作」と高く評価された。
そして「三國志X」で,全武将プレイシステムが復活したのは,ご存じのとおりだ。これは,“人気の高い”「VII」「VIII」と,“評判の良い”「IX」の“いいとこ取り”を目指して作られたと想像できる。
まぁ,あまり数字が大きくなると,ローマ数字ではパッと見で分かりにくいという事情もあるのだろうが,「これまでとは違う作品にする」という意気込みと捉えてもよいだろう。
前置きが長くなったが,現時点で判明している三國志11の情報を紹介していこう。
まず発売時期だが,2006年春と発表されている。ちなみに前作「X」では,2004年1月に「春発売」と発表され,結果延期もあって同年7月に発売された。
むろん単純には比べられないが,三國志11も5〜7月くらいではないだろうか。まぁ現時点では,3月(つまり今期中)に発売される可能性もあるが,遅いと思っておいて早く発売されたときのほうが嬉しいものだ。
リリースにある文字情報は,このほか価格が1万800円(税別),特典付きの「プレミアムBOX」が1万3800円(税別)になることと,発表と同時(つまりこの記事の掲載と同時)に公式サイトが,
http://www.gamecity.ne.jp/sangokushi/11/
にオープンすること。そして,以下のような文章のみだ。
中国史を揺るがす壮大なる戦いが、そこにある!
敵軍の将を説き伏せるも武将の命、
武力誇示も戦乱の世を勝ち抜く術、
智略は奸計に通じ、軍略は大軍を動かす。
己が奸雄と呼ばれるか、さらなる強者が現れるか、
いま、壮大な中国を揺るがす争いが始まる…
シリーズ初の3D一枚マップ上で戦略と戦術が融合した
究極の戦略級シミュレーションゲーム!
「三國志」シリーズ最新作、いよいよ登場!
趣(おもむき)のある文章だが,ここから読み取れることは少ない。具体的な情報は,3D一枚マップが採用されていることのみである。前作で初登場した「舌戦」もあるように読めるが,この文を読み解くまでもなく,今回掲載した画像に,そのものズバリ舌戦中の画像がある。
しかしまぁ,3D一枚マップというだけでも,コーエーファンならば色々と想像できることはあるだろう。まず思い出すのが,「信長の野望・革新」である。こちらもまた,3D一枚マップを採用した作品だ。革新自体が,三國志IXを発展させたような内容だったことを考えると,この三國志11も,IXの流れを汲むと考えられる。
……となると気になるのが,本作は「全武将プレイシステム」を採用しているか,否かだ。IXの流れを汲むのなら,全武将プレイシステムではなく,君主のみを選択できるはず。これに関してコーエーに問い合わせてみたものの,明確な返事はもらえなかった。ただ,このページに掲載したメイン画像を見る限りでは,君主プレイのように思える(たまたま曹操,および孫策でのプレイの画面かもしれないが)。
ともあれ本作は,三國志IX パワーアップキットや,信長の野望・革新に近いシステムを搭載した,「ゲーム性」に力を入れたタイトルになるのではないだろうか。
リリースにはほかに何も書いていないうえ,コーエーからも「詳細は年明けまで待ってほしい」と言われているので,これ以上は,掲載した画面写真から想像するしかない。
メイン画面(上部に3点並べて掲載した画像)は,3D表示でありながら,まるで中国の水墨画のような絵柄となっているのが面白い。山は縦に長く,かつその輪郭は,墨と筆で描いたような太い黒線だ。インタフェースが少なく,左下に二つの矢印ボタンがあることからは,半リアルタイム制が想像できる。つまりこれは,信長の野望・革新と同様に,「時間を進めている場面」(もしくは「時間を止めている場面」)ではないだろうか。
「月」の概念はあるようだが,3点の画像の日付がそれぞれ「1日」「21日」「21日」なのが気になるところ。つまり,「1日」「11日」「21日」と,10日刻みとなっている可能性は否定できない。信長の野望・革新と同じようなシステムであれば,ここは1日単位で進むはずだが,……たまたまだろうか。
そういえば,この3点の画像には,軍勢らしきものが映っていない。案外,信長の野望・革新とも,またまったく違うシステムなのかもしれない。
とはいえ,さすがにアクション性はないだろう(コマンド類が一切画面に表示されていないので,あり得なくもないが)。メイン画面での山と同様,粉塵の描き方がユニークである。
おそらくはまた,「気合」なりを溜めて,技を繰り出すシステムとなりそうだ。なんにせよ,早く動いているところを見てみたいものである。
舌戦のシステムは,多少変わっているようだ。橋の上ではないものの,相手と“口撃”で押し合って,落ちたほうが負けというのは,継承されている模様。
ただ勝負に関係する能力値が,「知力」だけとなっているように見える。「冷静」というのは今の精神状態を表しているとすれば,三國志Xの「特技」にあたるものは存在しないのだろうか。
また気になるのが,この3点の画像で,周瑜の知力が変化していること。これが,1試合の舌戦での模様だとすれば,これは諸葛亮の技によるものと推察されるが……。
顔グラフィックスは,(いい意味で)いつもどおり。あと,イメージイラストが公開されているが,ここからゲーム内容について想像するのは,実に難しい。本来イメージイラストは,ゲームのテーマに合わせて作られるものだが,さて,どういうテーマだろうか。
関羽と呂布がにらみ合っていることだし,一騎討ちに力を入れたゲームになるのだろうか。
この記事が読者の目に触れる頃にはオープンしているはずの公式サイトには,より詳細な情報が掲載されているかもしれない。ただ,コーエー広報に確認したところ,本格的な情報公開は2006年1月下旬以降を予定しているとのことだ。しばらくは,ここに掲載した画像をもとに,ああだこうだと想像(妄想?)して,気長に続報をお待ちいただきたい。(Iwahama)
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