プレイレポート
「DEKARON」,大規模アップデート「Action3 巡礼の空間」実装直前。ゲームヤロウで新要素をプレイ&ミニインタビュー
残念ながら同イベントには参加できなかったプレイヤーのために,今回ゲームヤロウを訪問しアップデートされたDEKARONの体験プレイを行ってきた。掲載した新エリアやボスモンスター,各種新装備アイテムなどのスクリーンショットをぜひ堪能してほしい。解説してくれたのは,同社のDEKARON プロデューサー堀内幸広氏である。
高レベル向けエリア「巡礼の空間」と,低レベル帯向け新モンスターを紹介
巡礼の空間には,美しくも神秘的な建物が見られるが,同時に亡霊達がさまよう場所となっている |
巡礼の空間に出現するモンスター達は「ラメントニーズ」「古代サマナーの魂」「古代マジシャンの魂」などで,とくに古代〜と名前のついたモンスターは,“サマナー”などのクラス名が示すように,プレイヤーと同じスキル攻撃を仕掛けてくるのだ。そんなやっかいな敵なのだが,ドロップアイテムとして待望の19次武器を入手できる可能性があるという。ただし,堀内氏によればレベル130でいきなりこのエリアを楽しむのは少々厳しく,パーティ編成にもよるが,適正レベルは150前後とのことなので,それなりに覚悟して挑んでほしい。
さまよい続ける魂が,モンスターとなりうろつく巡礼の空間。テストプレイのキャラクターはレベル150だが,さすがにソロでまったりと遊ぶには厳しかった |
噴水が流れ落ち,周囲を鉱石が囲む場所にはモンスターの姿も見えず,空中庭園のような造りになっている |
依頼所から先に進むと出現するモンスター「ラメントニーズ」と「グリーブメニーズ」。ふわふわと浮遊するレイスのような外見からして,同じく彷徨う亡霊なのだろう |
また,巡礼の空間入り口にある「依頼所」掲示板では,このエリアのボスモンスター「ヨシュマ・ディアメキ」に挑戦するためのクエスト,「奈落の破片」が受けられる。ヨシュマ・ディアメキはサモン系スキルを使ってくるボスで,戦いが始まると複数のドラゴン「ドラコリッチ」を召喚してくる強敵だ。ドラコリッチ単体がすでに相当な強さを誇っているので,これに手こずるとヨシュマ・ディアメキとまともに戦えないまま,全滅の可能性すらあるだろう。ドラコリッチを相手にするパーティ,本体だけを狙うパーティに分けるのが賢明かもしれない。テストサーバでスタッフが,特殊なステータスやアイテムを使用せず(とはいえそれなりの装備で)ヨシュマ・ディアメキにチャレンジしたときは,6人パーティでギリギリ倒せたという話なので,クエストに挑戦することが無謀だということではなさそうだ。
ここまでは,レベル130以上の上級プレイヤーを対象としたアップデート内容だが,初心者向けとして低レベル帯マップやクエストのリニューアルなども,いくつか行われている。例えば一部エリアではモンスターを再配置すると共に,ドロップアイテムが豊富なモンスターや,少々強い代わりに経験値のおいしいモンスターなど,新しいモンスター全5種類が既存マップに出現するといった具合だ。また細かな部分では,エリアマップを表示した際にマップ内のNPC名を検索,表示する機能が実装された。ゲーム序盤のお使いクエストをこなすときなどのストレス軽減が目的とのことだ。
このほか,メッセンジャーフレンド登録数上限の引き上げ,バフアイテムのクールタイム減少などが行われ,全体的にユーザビリティ向上をはかり,新旧プレイヤーを問わず快適なプレイができるよう工夫されている。
低レベルエリアにだけ出現し,倒すと複数のアイテムをドロップする「アクリス」 |
ハイハーフ雪原の新モンスター「フリーズカーンクレビング」 |
こちらはパルカ神殿に現れる「フラウスルード」 |
新要素ペットと騎乗生物の追加/アップグレード
このペットは,モンスターがドロップしたアイテムを自動収集する機能を持ち,プレイヤーキャラクターとは別のペット専用アイテムインベントリに拾った物を保管してくれる。また拾う物,拾わない物を任意で設定できるので,長時間同じ場所で狩りつづけたい場合などには,お金やストック可能な回復アイテムのみに設定するといった使い方が便利だろう。
ただ少々残念なのは,ペットは30日を過ぎると“睡眠”してしまう実質有料アイテムであることと,成長要素がないことの2点だ。ペットは可愛い外見やしぐさから,とくに役立つ機能がなくても連れ歩きたいと思うもの。あるいはプレイヤーの経験値を分け与えることで,外見が段階別に変わるといった,育てる楽しみが何か欲しいところだ。
ペットに似た存在として,DEKARONにはすでに騎乗生物が存在している。Action3では,これら既存の騎乗生物のアップグレードが可能になると共に,新規騎乗生物として「アキュイラ・ミノス」と「アキュイラ・ラティス」の2種類が追加される。どちらもキャラクターの移動速度を上昇させてくれる便利な生物で,ラティスは有料アイテムとしてDショップで購入できるが,ミノスはフィウマ10個と交換でき,30日間使用可能なアイテムとなっている。
新たな騎乗生物「アキュイラ・ラティス」 |
グラニースペシャルのアップグレード「リンパクス」 |
インカルマジシャンの新スキルと各種武器
巡礼の空間に続く注目ポイントは,おそらく新スキルと19次武器だろう。今回新スキルが実装されるのは唯一インカル・マジシャンだけだが,習得可能な最低レベルが58と低めに設定されているので,中級プレイヤーでも体験できるはずだ。あまりの強力さのために,使用者であるプレイヤーキャラクター自身もノックバックを受ける魔法なども用意されているので,その威力をぜひ体験してみてほしい。
新アイテム19次武器についてだが,こちらは各クラスに1種ないしは2種の新武器が用意されている。巡礼の空間に入るために最低レベル130が要求されるので,高レベルプレイヤーでないと入手は難しいが,これを一つのモチベーションにレベリングに励むのもよいだろう。
プレイヤーの期待を裏切らないDEKARONへ
というわけで,一通りアップデートの内容を体験したところで,堀内氏にこれからのDEKARONについて話を聞いた。
4Gamer:
2007年10月24日にNeoWizからゲームヤロウへの正式な運営移管が行われ,まだ半年も経過していないわけですが,わりと短い期間に二つの大型アップデートが実施されています。開発側との連携なども含め,かなり大変だったのではないでしょうか。
それが、わりとスムースに,とくに大きなトラブルもなく実装できて,実は私自身も驚いています。ご存知ない方もいらっしゃると思いますが,ゲームヤロウはそもそも,現在のDEKARON開発元であるゲームハイの日本法人として設立されました。ですので開発からのレスポンスが,かなり早いほうだと思います。
運営移管前の時点では攻城戦まで実装されましたが,その後1年分近いアップデート内容がずっと保留状態になっていたのです。そのため,運営移管発表前からテストクライアント上で準備を進め,ゲームヤロウへの移管直後の11月にはこれをまとめて実装,続けてAction3の導入という流れになりました。
4Gamer:
ちなみに移管前とあとで登録アカウント数の増減などプレイヤーの動きについては,どうでしょうか。運営が変わったことで離れてしまったのか,それとも期待して以前のプレイヤーが戻ってきてくれているのか……。
堀内氏:
ゲームヤロウでは全タイトル共通アカウントとなっていますので,タイトル個別の数は公表していません。ただ,DEKARONについて申し上げますと,NeoWizさん運営時にプレイされていたプレイヤーさんは,ほとんどの方がそのまま継続してプレイしています。また,かつてDEKARONで遊んでいたという方も,帰ってきてくれました。数字をお見せできないのが残念ですが,同時接続者数についていえば,前年度比1.5倍となっています。
4Gamer:
それはやはり,今まで長いあいだ保留されていた,大規模アップデートの実装というのが主な理由でしょうか。
堀内氏:
そうですね,アップデートがないというのが,既存プレイヤーの一番の不満点だったと思います。今回のAction3も含めたアップデートで「もう一度プレイしてみようか」というモチベーションになってくれれば,こちらとしても嬉しいです。
DEKARONのプレイヤーさんというのは,非常に熱心な方が多いんです。ゲーム詳細について、現在のスタッフよりもはるかに詳しい方も多いぐらいで,そういった方々がゲームヤロウに期待しているのは,やはりコンテンツのアップデート速度だと思います。開発元と直接やりとりができるメリットを生かして,その期待にできる限りこたえたいと我々は考えています。
4Gamer:
今後は日本市場向けに改善,あるいはゲームバランスの調整などは予定されていますか。
堀内氏:
DEKARONはあまり日本独自のゲームバランスというのを採用していません。韓国とほとんど変わらない仕様ですが,ゲームバランスについては,とくにプレイヤーからここを変えて欲しいといった強い要望はありませんので,手を入れる予定はありません。むしろ,本気でPvPやGvGを楽しみたいというプレイ目的が先にある方や,可愛いだけの生ぬるいMMORPGはお腹いっぱいだという嗜好のプレイヤーが,DEKARONというタイトルをあえて選んでくださっているのでしょう。
4Gamer:
着せ替えが楽しいアバターゲームなら,いまやいくらでもありますけれど,逆にこういったダークな世界観でPK行為を楽しめるタイトルが少ない分,気に入ったプレイヤーは長く居ついてくれるわけですね。
堀内氏:
そうだと思います。あとは今後どれだけ深い,楽しめるコンテンツを我々が提供できるか次第でしょう。ちなみに次の大型アップデートは5月実装を予定していまして,韓国とのクライアント差もかなり縮まりますよ。
4Gamer:
5月のアップデートで具体的に何が入るのか,可能な範囲で教えていただけますか。
堀内氏:
「遠征隊」というシステムが導入されます。これは既存のパーティが最大6名のところ,3パーティ最大18名まで一つの遠征隊として組めるものです。これは韓国でも良い評判を得ました。
4Gamer:
つまりレイドシステムということですね。では、それだけの大人数を組まないと倒せない,強力なモンスターも当然……。
堀内氏:
そこは期待していてください。実装予定もまだ5月中,ということではっきりした日程までは申し上げられません。みなさんにお知らせできるのは4月中旬頃になるでしょう。まずは先行している韓国で実装後に発覚したバグなどを取り除き,安定したものを日本のプレイヤーにはお届けします。韓国のゲームハイは,相当細かい部分までデバッグした状態で渡してくれるのですよ。実際,私がゲームヤロウに来て初めてのアップデート実施時には,そのバグの少なさに驚かされました。Action3に関しても,デバッグは先週の時点で終了していまして,今は最終的な微調整のみとなっています。
4Gamer:
では今後のスケジュールなど,時期は未定でもこんな新要素がくるよ,というのがあれば,可能な範囲で聞かせていただけると嬉しいのですが。
堀内氏:
予定していることはたくさんありますが,韓国でもまだ未発表の内容ですので,ちょっとこれ以上は(笑)。ただ,先日のギルドオフラインミーティングで出た話のうち,いくつかは実装に向けて動き出している物があります。どれ,とはここで申し上げられないのが残念ですが,コミュニケーションとコミュニティを強化する“何か”を準備中ですので,楽しみにしていてください。
4Gamer:
それでは最後に,アップデートを楽しみにしているプレイヤーへ,メッセージをお願いします。
堀内氏:
Action3は2008年最初のアップデートになりますが,これからのDEKARONは韓国版に追いつくべく,新コンテンツの追加を早めると同時に,日本オリジナルのものも実装していきたいと考えています。皆さん楽しみにしていてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
――2008年2月29日収録
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DEKARON
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