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[SOE 07]Sony Online Entertainmentがプレスイベントを開催
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印刷2007/05/11 09:00

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[SOE 07]Sony Online Entertainmentがプレスイベントを開催

「7月にずれ込んだE3では広報活動は遅すぎる」と考えたのか,今年から恒例になりそうなSony Online Entertainmentのプレス向けイベント「Gamer Day」が,5月3日に同社の施設内で開催された。いかにも南カリフォルニア風な本社ビルだ
 5月3日,ロサンゼルス市近郊カルバーシティにあるSony Online Entertainment(以下,SOE)本社において,「Gamer Day 2007」と題されたプレス向けの特別イベントが開催された。同社は,ソニー・ピクチャーズ エンターテイメントの広大な撮影スタジオに隣接しており,折しも同スタジオで制作された「スパイダーマン3」の全米公開を前日に控えていた。スタジオ近くの映画館には夕方から行列ができているなど,街中がイベントで大騒ぎしているかの様子だった。

 SOEは,ご存じのように「EverQuest」の大成功によって,アメリカのMMOゲーム業界で大きなプレゼンスを築いてきた。しかしその後は,期待された「EverQuest II」「Star Wars Galaxies」,そして「Vanguard: Saga of Heroes」と,大ヒット作を出せず,昨年(2006年)から多くの人材が抜けているなど,その斜陽は多くの目に留まるところだ。

すでにリリースされているSigil Game Onlineの「Vanguard: Saga of Heroes」だが,「EverQuest」オリジナル開発者達の苦労もむなしく集客は芳しくなく,開発チームそのものがSOEに買収されるか,経営レベルでのテコ入れが予想されている
 そこで,このたび初めてプレスに向けた会合を開き,SOEの現状と今後の予定を紹介することで,そのロードマップをファンにとってもクリアな形にしておきたいという思惑があるのだろう。
 なかなか会心のヒット作といえる作品に出会えないSOEだが,ローンチ済みのタイトルや今後の新作を含めると,かなりの作品群を揃えている。現在のところ,カルバーシティ本社を含めた開発チームのある支社は,サンディエゴ(EverQuestシリーズ),オースティン(Star Wars Galaxies),デンバー,シアトル,台湾の六つになっている。

 このうち,デンバースタジオはもともとWorld Apart Productionsという開発会社を2006年7月に買収したもので,現在SOEの運営するStation.comで無料プレイできる,「Star Chamber」「Pirates Constructible Strategy Game Online」,そして「Stargate Online Trading Card Game」の三つのオンライン専用カードゲームを制作している。SOEのCEO,John Smedley(ジョン・スメッドリー)氏は,今回のイベントで「SOE Denverは,Station.comのライブラリに欠けていたものを増やすだけでなく,これからのタイトル,そして今後のタイトルや既存のカードゲームをオンラインゲーム化する技術も保有している」と,その将来性を見込んでいるようだ。

左:SOE Denverで開発されているStation.com用のストラテジーカードゲームシリーズで,4月にリリースされたばかりの「Stargate Online TCG」。SFマニアにはたまらない魅力がある

右:SOEでは,PC以外のプラットフォームへの参加にも乗り出しており,PlayStaion 3用のダウンローダブル・コンテンツはすでに相当数開発している。写真は「High Stakes on the Vegas Strip: Poker Edition」


 SOEは,インゲームアイテムやゲーム内通貨の販売元として知られる,IGE出身のDavid D. Christensen(デイビッド・D・クリステンセン)氏をグローバルビジネス戦略の副社長に迎えたばかりだ。その人事の延長線上として,台湾の台北市にあったアート制作チームSOGAを買収し,ゲーム開発も担うアジア戦略の一角としてSOE Taiwanへと昇格させている。
 SOE Taiwanは,もともと「EverQuest II」拡張パックのアートやテクスチャを制作していた“アウトソーサー”である。しかし,最近では中国語圏専用のキャラクターモデルを投入するなど,より深く事業に関わるようになっていた。現在はアジア市場に向けて,基本料金無料で遊べるアクションゲーム「Kung Fu Hustle」を制作中。これはソニー・ピクチャーズ配給の,日本でも2005年に公開された映画「カンフー・ハッスル」(功夫)をゲーム化したものである。

 Kung Fu Hustleは,ソニーの保有する知的財産を,より巧みに使ったプロジェクトだ。スメッドリー氏も,今後はさらに同グループの映画や音楽,そしてゲームといった資産をうまく利用したタイトルを企画していく予定だという。SOEは,Station.comをさらに「Station Launcher」というValveの「Steam」のようなモデルに発展させたり,すでにロサンゼルス支部で40作を超えるモバイルゲームをリリースさせていたりなど,かなり多角的なビジネス戦略に切り替えている。
 今後発表される予定の新作ソフトを含め,かなりの話題を我々に振りまいてくれそうだ。(ライター:奥谷海人)

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