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[COMPUTEX]Arctic Coolingのブースが大変なことになっていた件
スイスの冷却メーカーというイメージを根底から覆しかねない製品ラインナップで,腰が砕けそうになるのだが,ブースで話を聞いた同社のEason Chung(イーズン・チュン)氏は,「2001年の創業以来,我々は冷却ソリューションのメーカーであり続けてきたが,今回,より大きく成長するため,2009年のタイミングで経営方針の大幅な転換を行った」と説明する。
具体的には,大きな「Arctic」ブランドの下に,下記のとおり,五つのサブブランドが置かれる形で,ビジネスが拡張されたのだそうだ。
- Cooling:冷却関連製品
- Power:電源ユニット,充電関連製品
- Sound:イヤフォン,ヘッドフォン,スピーカー製品
- Accesories:キーボード,マウス,PCケース,USB扇風機,バッグ,ゲーム機
- Hobby:ラジコン
で,これらが日本市場にどのような影響をもたらすかだが,少なくとも短中期的に,何かが大きく変わったりはしない模様。まずArctic Hobbyは,2010年秋の立ち上げを目指して,売り込みを始めたタイミングということで,今すぐ何か起こるとは考えにくい。そのほかのブランドはすでに立ち上がっているものの,Arctic Accesoriesのゲーム機は「『WiiやWii Fitなどを買いたいが,買えない子供』の多い市場へ,低コストな解決策として訴求する」(Chung氏)。予想どおりというか何というか,新興市場向けのみにフォーカスすることとなるようだ。
「Arctic Notebook Bag」シリーズと名付けられたノートPCキャリングバッグ。バックパックは夏のリリース予定だそうだ |
こちらはArctic Powerブランドから,ソーラーチャージャー「Arctic C1 Mobile」のデモ。4400mWh仕様でUSBインタフェースを装備 |
USB接続のリアル5.1サラウンドヘッドセット「Arctic Sound P531」。ゲーマー向けとされる |
スピーカーもいくつか展示されていたが,バリバリのOEM品で,見るべきものはなかった |
気になるArctic Coolingブランドについてだが,Chung氏は,「今後も,OEMビジネス,リテールビジネスの両方で,我が社のメインフォーカスであり続ける」と断言。COMPUTEX TAIPEI 2010では,「GeForce GTX 480」にも対応し,将来的にはアクセサリキットの追加購入により対応GPUを増やせる「Accelero EXTREME Plus」が公開された。対応GPUを拡張できるアクセサリキットの提供方法は明らかになっていないが,Accelero EXTREME Plus自体は世界市場で7月後半の発売が予定されているとのことだった。
見た目に大きく変わったArctic Cooling。ただ,拡張されたビジネスの方向性は,多分に日本市場との親和性が低そうだ。国内の自作派PCゲーマー的には“従来どおりのおつきあい”ができそうで,一安心といったところかも。
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