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MS,「Windows XP Home Edition」「Windows XP Media Center Edition」のサポート期限を2014年に延長
2006年12月27日の記事でお伝えしていたように,当初Microsoftは,2009年1月に,同OSのサポート――Microsoftはこれを「メインストリームサポート」と呼んでいる――を打ち切る予定でいた。これは,2009年以降,Microsoft Updateなどを介したセキュリティなどの自動アップデートが打ち切られるのと同義。日本では,Windows XP Home Edition搭載PCの数が多いため,先ほど示した記事ではこれを根拠に,2009年1月までに,多くのゲーマーは「Windows Vista」へ移行する必要があるとしていた。
だが,今回の決定により,Windows XP Home EditionとWindows XP MCEに対して,メインストリームサポートが終了する2009年から,「延長サポート」と呼ばれる5年間の追加サポートが行われることになった。延長サポートは,従来はビジネス向けと位置づけられる上位モデル「Windows XP Professional」だけに用意されていたもの。簡単にいえば,エディションを問わず,Windows XPのサポートは2014年まで継続されるというわけだ。
ゲーム用途を考えたとき,2007年1月時点で“現役”のPCが,そのままの状態で2014年にも現役である可能性は0%と断言していいだろうが,ハードウェアさえ適切に変更していけば,いま使っているWindows XPを2014年まで使い続けられるというのは,ユーザーにとって喜ばしい。先の記事では,「Windows Vista専用タイトルや,DirectX 10専用タイトルで魅力的なものが出てきたときに,Windows Vistaへの移行は考慮すべき」とまとめられているが,それを見極めるための時間が十分に用意された点は,素直に歓迎すべきと思われる。
ただ,PCゲーム業界全体を考えたときには,諸手を挙げて歓迎できない部分もある。
とくに国内のPCゲームデベロッパやパブリッシャは,いい意味でもそうでない意味でも保守的。Windows XPのサポート期間が2014年まで延長されれば,Windows Vistaへの移行ペースはまず間違いなくスローダウンするが,そうなると,DirectX 10やLive Anywhereなどに対応する,Windows Vista世代ならではの特色を持ったゲームの開発が後退する可能性はぐっと高まるだろう。
一部のゲーム開発者が述べるように「DirectX 10は不要」という考えはあるだろうし,さらにLive Anywhereも考慮しなければWindows XPでも十分ということにもなる。もちろん,そういった考えを即座に否定するつもりもない。だが,Microsoftが「ゲームプラットフォーム」と位置づけたWindows Vistaへの移行が遅れることが,PCゲーム業界全体に負の影響を及ぼすようなことになると,それはそれで残念だ。(佐々山薫郁)
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Windows Vista
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(C)2007 Microsoft Corporation.