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[COMPUTEX 2006#01]AlbatronがMini-ITX&Athlon 64ベースの車載PCを展示 インターネット接続で“車載MMORPG”を実現へ
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印刷2006/06/06 22:31

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[COMPUTEX 2006#01]AlbatronがMini-ITX&Athlon 64ベースの車載PCを展示 インターネット接続で“車載MMORPG”を実現へ

Albatronブースの前に置かれていた日産車
 COMPUTEX TAIPEI 2006のAlbatron Technology(以下Albatron)ブースの前には,自動車が置かれていた。オーディオ関係のイベントなどではよく見かける光景だが,PC関係のイベントでクルマが展示されるケースは珍しい。何かと思って尋ねてみると,これは同社製マザーボード「KI51PV-754」を利用した,車載PCのデモという。

 KI51PV-754は,VIA Technologiesの提唱する小型PC規格「Mini-ITX」フォームファクタに準拠するマザーボードだ。Mini-ITXは,17cm×17cmという小型さがウリのフォームファクタだが,KI51PV-754では,この面積にGeForce 6150+nForce 430を搭載。つまり,Mini-ITXマザーボードで,(パフォーマンスはともかく)DirectX 9世代のゲームをプレイできるわけである。

左:KI51PV-754。このサイズにチップセットと,リテールクーラーを装着可能なSocket754,メモリスロット×1,PCIスロット×1を搭載。Serial ATAも4ポートあり,NVRAID 0/1/5/10が可能だ
右:Albatron製マザーボードらしく,電源周りのコンデンサに不安はない印象。Mini-ITXマザーボードは,長期間利用するとコンデンサ周りに不安が出てくることが少なくないので,これはありがたい


■インターネットにつながったクルマの中で
■オンラインゲームを


クルマの後部から撮影してみた。4台のディスプレイに表示できている
 さて,肝心の車載だが,これがなかなか本格的。別途PCI接続のAlbatron製GeForce 6200搭載カードを差したKI51PV-754ベースのPCから,アナログRGBで運転席横と助手席前,さらに後部座席用に2か所と,計4台のディスプレイを車内で実現していた。
 ユニークなのは,インターネット接続が,3G携帯電話で提供されることだ。Albatronセールスディビジョン セールスサポート部のAndy Tsai(アンディ・ツァイ)氏によれば,台湾でもようやく無線LANの普及が始まったところで,WiMAX(詳細は2006年4月27日の記事を参照してほしい)は政府のサポート待ちで,それゆえ,このような仕様になっているという。

トランク部に設置されていたPC。メインメモリ512MB,2.5インチHDD 80GBという構成だそうだ


 インターネットに接続できるとなれば,気になるのはオンラインゲーム関連だが,Tsai氏は実際に「World of Warcraft」を起動し,パッチをダウンロードして,実際にプレイして見せてくれた。さすがにパッチのダウンロードには時間がかかったが,ディスプレイの解像度が低いこともあって,ゲームはラグもなく,動きは自然な印象。「これからは,運転席でカーナビを使っているとき,ほかの人は音楽を聴いたり映画を見たりするだけでなく,オンラインゲームもプレイできるようになります」とは同氏の弁だが,これが単なる技術デモでないところが,ある意味,一番驚くべきところかもしれない。


クルマの中でWorld of Warcraftが動作している様子。さすがにパッチのダウンロードには時間がかかっていた


 そう,これは製品――売り物なのだ。Albatronはあくまでパーツメーカーなので,PCの車載はNew Byte Creativeという台湾企業が手がけている。同社によれば,“デモ車”の場合,4台のディスプレイとマルチチャネルスピーカーシステムを搭載する場合,インストール(設置)代込みで50万NTドル(約180万円)とのこと。まあ,はいそうですかと買える値段ではないが,仕様次第で価格は変わるとのことなので,PCを車載して,ゲームをプレイできる環境を作るくらいなら,案外安くなるかもしれない。もっとも,日本でインストールサービスが開始されたとして,3G携帯電話のパケット通信料がいくらになるかは,想像するとちょっと怖くなってくるが……。


後部座席の背もたれ部にはマルチチャネルオーディオアンプ,トランク部には床にサブウーファなどなど,カーオーディオ的なギミックも満載。50万NTドルの内訳のほとんどはこれの費用のような気も


 いずれにせよ,自動車とPCの未来像を,現時点で可能な手段によってある程度実現してみせた点そのものは,評価していいように思う。将来的には,3G携帯電話のようなチカラワザではなく,広範囲をカバーする無線LAN技術が採用され,クルマの中からインターネットにつなが(り,どこでもオンラインゲームをプレイでき)る世界がやってくるだろう。

■マザーボードの単体販売も

 ちなみに,KI51PV-754は,別に車載専用ではなく,単体発売されるとのこと。2006年6月中には,初回ロット500枚が,日本をはじめとする世界各国へ出荷されるという。店頭の想定売価は220米ドル(約2万5000円)とのことなので,気になった人は覚えておくといい。また,専用のMini-ITXケースも用意する予定があるとのことだった。(佐々山薫郁)

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