連載
「キネマ51」:第40回上映作品は「グラスホッパー」
グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏が支配人を務める架空の映画館,「キネマ51」。この劇場では,新作映画を中心としたさまざまな映像作品が上映される。第40回の上映作品は,タイトルだけでも紹介決定の「グラスホッパー」。
映画「グラスホッパー」公式サイト
新年あけましておめでとうございます
部長,あけましておめでとうございます。
関根:
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
須田:
新年一発目でございます。
毎回余談のような話ばかりしておりますが,なんとこの連載,4回目の新年を迎えることができました。
関根:
あっという間ですね。たくさんの作品を紹介してきましたが,もはや映画でもゲームでもなく余談がメインになっているんじゃないですか,支配人。そのうえ今回も,いつにも増して余談が多くなりそうな予感がしています。
須田:
いやいや,そんなことはないと思って毎回臨んでいますよ。今回も。
関根:
でも間違いなくタイトルだけで選びましたよね,この作品。
須田:
まぁなんと,「グラスホッパー」じゃないですか。
関根:
相変わらずおとぼけキャラ健在ですね。
須田:
もちろん原作の存在も知ってますよ。
関根:
伊坂幸太郎さんですね。ご存知でしたか。
須田:
もちろん知ってますよ。
4Gamer:
原作は読まれましたか?
須田:
はい,漫画で読みました。
関根:
なんか安心しました。
で,映画はいかがでしたか。
いやぁ,良かったですよね。瀧本監督には正統派という印象があったんですよ。滝本監督の作品では,「犯人に告ぐ」(2007)が好きなんですけど,犯罪を丁寧かつ圧力のある形で描いていたんです。
今回の作品は,犯罪自体が非常に不思議な形だっただけに,丁寧に描くのは難しかったと思うんですけど,それでも人物や設定をまとめあげて描いているのは,さすがだと思いました。
関根:
日常と非日常の間の物語ですよね。登場するのは悪の組織,それに対抗する謎の組織。主人公は恋人の女性を殺された高校教師。平凡な男と謎の多い殺し屋達。映像化は難しかったでしょうね。
須田:
個性的な殺し屋ばかりですからね。一人一人をじっくり描いていたら,殺し屋紹介動画みたいになりかねないですから。
関根:
設定資料集ですよね,それじゃ。
でも,その個性的な役どころを演じている役者陣も,なかなかに個性的でした。
須田:
いい役者陣でしたね。ぜいたくなキャスティングで。
関根:
石橋蓮司さんも安定の悪い顔だったし,吉岡秀隆さんも安定の存在感を消す演技。どちらも持ち味を十分生かすキャスティングであり,それに応えていました。
須田:
麻生久美子さん,波留さんの女優陣も雰囲気を出してましたね。
関根:
浅野忠信&村上 淳コンビをスクリーンで見ると,1990年代の単館系日本映画を思い出して嬉しくなりましたし。
須田:
そうですね。いいですね,二人とも好きな俳優さんです。
関根:
あと,僕は菜々緒さんのキャットファイトっぷりにもグッときました。TVドラマで演じているような口が達者な性悪という感じじゃなくて,ぶち切れて本能むき出しでぎゃあぎゃあいう感じ,嫌いじゃないですね。
須田:
キーキー騒いで,下っ端のチンピラ感が出ていました。
関根:
ツッパリ女子,嫌いじゃないんですよ。
須田:
部長の趣味,相変わらずですね。
支配人が注目の俳優さんがもう一人
須田:
ところで,一人まだ出てきてない役者さんがいませんか。
関根:
あ,主演の生田斗真君。
須田:
生田君も紹介したいんですが,そうじゃないんです。
関根:
分かりましたよ,支配人のイチオシの山田涼介君ですね。
須田:
そうです。僕らが敬愛する日本テレビのディレクター,大塚恭司さん[1]の「探偵学園Q」。天草 流役のときから注目していました。同じく大塚さん演出作「左目探偵EYE」ではついに連ドラ単独主演を果たし,さらに「映画 暗殺教室」では映画初主演を務めて大ヒットですよ。
関根:
さすがMr.マリックを見出した大塚さん。すばらしい審美眼ですね。
須田:
涼介君は最初っから演技が上手いんですよ。今回個性的な俳優さん達がたくさん登場しているじゃないですか。そんな曲者ぞろいの中でも,一番光っていたのは涼介君だと思いますよ。
村上 淳さんとパートナーを組む殺し屋役ですよ。格好良かった。確かに光ってましたね。というか,一人,全然違う映画に出ている人みたいでしたよね。
須田:
そうかもしれない。ほかの人達もアクションシーンがあったし,いいセリフもいっぱいありましたけど,涼介君はアクションもセリフも人一倍エネルギーがみなぎっていた感じでしたね。
関根:
これ,ジャニーズムービーという側面もありますよね。
須田:
はい,涼介君の華があるからこそ,でしょうね。でも,ジャニーズムービーと言うにはちょっと描写が過激すぎますかね。
関根:
じゃあそもそも4Gamer読者もターゲットではないと?
須田:
……そうなりますかね。
4Gamer:
まあ,確かに男性読者のほうが多いですけど!
関根:
いや,ターゲットじゃないからといって食わず嫌いになってしまわないように,見たら面白いよと後押しをしてるんじゃないですか。終わらないでくださいよ,支配人。
須田:
ですね,ですね。ぜひ見てもらいたいですね。
関根:
まあ,そうはいっても,実際に僕が見に行ったときは,女性客が多かったですよ。
須田:
やはりそうでしたか。
関根:
でも,ずーっと喋ってる女子大生二人組がいて,凄くイライラしました。
須田:
それはイライラしますね。注意しなかったんですか。
関根:
注意する勇気がありませんでした。
須田:
ダメダメじゃないですか。じゃあそういう時は耳栓していればいいんじゃないですかね。
関根:
それじゃ映画の内容も入ってこないし。
4Gamer:
耳栓して立川シネマシティの極上爆音上映[2]に行くしかないですね。上映作品は限られますが。
関根:
そうですね。今度はそうします。
どんなゲームがオススメですかね
関根:
そういえば,グラスホッパーには続編というか,伊坂さんの殺し屋シリーズがもう1作あるんですよね。
須田:
「マリアビートル」ですよね。これは殺し屋を乗せた東北新幹線の中の物語なんですよ。
4Gamer:
時刻表トリックとかないんですか?
関根:
それは幸太郎じゃなくて京太郎[3]ですね。
でも,伊坂幸太郎サスペンスっていうのもしっくりきますね。ニンテンドー3DSのゲームにありそうな感じ。
須田:
確かに。
関根:
もしくは土曜ワイド劇場で,高橋英樹さん主演で。
須田:
山村紅葉さんも外せませんね。あとは部長が大好きな小林稔侍さん。
関根:
大好きというか気になるというか。でも稔侍さん主演だと駅弁が重要アイテムになりますよ。TBSの月曜ゴールデンでやってる「駅弁刑事・神保徳之助」[4]っていう番組がありましてね……。
須田:
その話はまた別の機会にしていただくとして,涼介君がこれからどういう役者になるのか楽しみですね。現在は4代目金田一少年 [5]ですから。
関根:
そうなんですか。アクション俳優としても今後が楽しみですよね。
須田:
吹き替えじゃなくて自分でやっているようですよ。
関根:
いや,本当にびっくりしました。しかし,あのバタフライナイフって怖くないんですかね。
須田:
怖いですよ,シャカシャカシャカシャカってね。きっとキムタクから教わったんですよ。
関根:
ああ「ギフト」[6]で使ってましたよね。いろいろと話題にもなりました。
須田:
そういう先輩からの継承というものも含めて,正統派のジャニーズ映画ですよ。
4Gamer:
本当に教わったのかは知らないですけど。
須田:
ちなみに涼介君はスイーツ好きとして有名なんですよ。
関根:
余談マスターの本領発揮ですね。
須田:
嬉しくないですけどね……。お休みのときはHey! Say! JUMPのメンバーに,おいしいスイーツのお店を教えてあげたりしているそうです。
関根:
スイーツ親方ですね。
須田:
そうそう……って,それは芝田山親方,大乃国。
関根:
やっぱり糖分は大事ってことですよね。体を動かすうえで。
須田:
あれだけのアクションをこなすんですから。
関根:
そうですね。
須田:
疲れてるときって糖分が欲しくなりますもんね。
関根:
そうですね……ってこの話を,引っ張るんですか?
4Gamer:
ええと,この流れで紹介したいゲームは何でしょう?
須田:
スイーツ……。
関根:
スイーツ? そこですか。「ヨッシーのクッキー」とか?
4Gamer:
いいのがあるんですけど。
関根:
何ですか?
4Gamer:
「ケリ姫スイーツ」(iOS / Android)っていうゲーム,知ってます?
須田:
……聞いたことある。
関根:
僕ですら聞いたことぐらいありますよ。
須田:
スイーツ好きのお姫様が,兵士を蹴っ飛ばしながら冒険するっていう。
関根:
普通の説明! でもいまいち伝わりづらい!
須田:
説明どおりのゲームですから。ここはボケませんよ。
これ,面白いんですよ。
関根:
じゃあ,アクションとスイーツと言えば?
須田&4Gamer:
そう,ケリ姫スイーツ!
関根:
何ですかこの瞬間,息がぴったりな感じは。CMの依頼なんて来ないですよ,別に。
須田:
そうかなぁ……。
関根:
期待していた理由が分かりません。
須田:
このゲームをやったら山田涼介君になれるかもしれないですよ。蹴っては甘い物,蹴っては甘い物。
関根:
涼介君には絶対なれないですけどね。ちなみにキネマ51でスマートフォン向けのゲームを紹介するのは初めてじゃないですか?
須田:
そっか……。
あれ? ケリ姫スイーツってガンホー・オンライン・エンターテイメントのゲームじゃ?
関根:
そのボケは聞き流しますけど。
須田:
まあでも,スイーツと言えばやっぱりケリ姫スイーツですからね。
関根:
もうスイーツのゲームってことになってますけど,いいですよね。
須田:
当然です。
関根:
言い切りましたね。
須田:
まあね,グラスホッパーというタイトルで,殺し屋の出てくる映画。普通だったらグラスホッパー・マニファクチュアのゲームでしょって。
関根:
あ,逆にってやつですね。
須田:
逆にね。そうはいきませんよ。毎回,あんたが関わっているゲームでしょなんて,もう言わせませんよ。
関根:
やっぱり言われてますか。
まさか「君の会社のゲームばかり紹介しすぎじゃないかね」なんて,業界の上からの圧力がかかったんじゃ?
須田:
まったくそんなことはありません。業界の上の方がこの連載を読んでるわけないし。なんてね。
関根:
相変わらずオチない感じですが,どうかみなさま,今年もよろしくお願いいたします。
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