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あのキャメロットがついにPCオンラインゲーム参入。「Gプラネット構想」と「ゴルフだいすき!」発表会を開催
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印刷2006/08/01 20:48

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あのキャメロットがついにPCオンラインゲーム参入。「Gプラネット構想」と「ゴルフだいすき!」発表会を開催

 ELEVEN-UPとキャメロットは本日(8月1日),ホテルオークラ東京で「Gプラネット構想」および,オンラインゴルフゲーム「ゴルフだいすき! 〜I LOVE GOLF!〜」(以下,ゴルフだいすき!)を発表した。
 8月4日(金)には先行限定テスト(クローズドβテスト)参加者の募集がスタートし,秋頃にはオープンテスト(オープンβテスト),2006年内には正式サービスが開始となる予定。配信および課金決済は,「Yahoo! ゲーム」を通じて行われるとのこと。ELEVEN-UPは,コーエーの「真・三國無双BB」をYahoo! BBユーザー限定でサービスする予定だが,今回はそういったISPによる縛りはない模様だ。
 またあわせて,本作の広告キャラクターを2005年度好感度No.1女優の上戸 彩さんが担当すること,書き下ろしのCFタイアップソングを久保田利伸さんが担当することも発表されている。



 発表会冒頭,挨拶に立ったELEVEN-UPの片山 崇代表取締役社長は,同社の社名の由来(トランプの11以上,つまり“切り札”)を説明しつつ,「オンラインエンターテインメントの世界に“切り札”を投入したい。今日は一つのオンラインゲームの発表会ではなく,大きな夢に向けた第一歩」と語った。
 つまり,ただ単にゴルフだいすき!というオンラインゲームタイトルを発表するだけでなく,オンラインエンターテインメントという枠組みに向けて,一石を投じようという決意を表明したことになる。
 だが当然のことながら,それがいったい何であるのかは明らかにされぬまま,ソフトバンクBBとMOVIDA HOLDINGSの孫 泰蔵取締役が,コンテンツサービスへの意気込みを語り始めた。その中で印象的だったのはこれから発表するものが,「オンラインゲームと呼ばれるものの概念を超えた,これからの新しい時代を切り開くまったく新しいエンターテインメント」という言葉。

●左:ELEVEN-UP 片山 崇代表取締役社長
●右:ソフトバンクBB/MOVIDA HOLDINGS 孫 泰蔵取締役


 この二人の言葉を受けて登壇したのが,キャメロットの高橋宏之代表取締役社長だ。
 コンシューマーゲームで長く遊んでいる人の中には,キャメロットを知っている人も多いだろうが,ここで念のため,キャメロットについての紹介をしておこう。
 キャメロットは,「ゴルフゲームは売れない」という風潮の中で240万本を売り上げた初代「みんなのGOLF」(1997年,プレイステーション)や,「マリオテニス64」(2000年,ニンテンドー64),「マリオゴルフファミリーツアー」(2003年,ニンテンドーゲームキューブ)などの企画/制作を手がけ,ライト層にも受け入れられやすい見た目と,シンプルな競技をベースにしながらも奥深いゲーム性,そして対戦時に際立つゲームバランスの妙などで,高い評価を得ているデベロッパ。
 また,携帯電話回線を介したランキング戦などに対応するゲームボーイカラー用ソフト「モバイルゴルフ」を2001年に手がけるなど,比較的早い段階からゴルフゲームと通信の融合にチャレンジしてきているのも,今回の発表を受けて思い出さずにはいられない事実の一つである。

●左:キャメロット 高橋宏之代表取締役社長
●右:キャメロット 高橋秀五代表取締役副社長


■広がり続ける「オープンスペース」を持つ「Gプラネット構想」

 そのキャメロットが長年温めていたというのが,“笑顔あふれるインターネット/それは,ワクワクする空間”というキャッチコピーが付けられた,「Gプラネット構想」である。「インターネットは,ツールとして使われている例がほとんど。インターネットを,もっと一般の人達の手に届けたい」という思いが込められているこの構想には,ジャンルの細分化,尖鋭化によってライトユーザーを置き去りにしがちなゲーム業界に対し,こういった状況を打破したいという目的もあるという。
 これを端的に表しているのが,一見するとロビーのような,「オープンスペース」と名付けられた空間。高橋宏之氏の言葉を借りれば,「ロビーであり,ポータルサイトであり,同時に多目的な遊び場でもある」場所だ。
 逆に言えば,オープンスペースを中心に,さまざまな遊びや情報が結合する世界が,Gプラネット構想ということになるだろう。

 プレイヤーはオープンスペースで,あたかもMMORPGのようにキャラクターを操作し,ほかのプレイヤーとコミュニケーションをしたり,釣りなどのミニゲームを楽しんだり,ここからほかのゲームに飛び込んだり……といったことができるという。
 例えば,オープンスペース内にオブジェクトとして配置されている大型スクリーンから,Webブラウザを起動してYahoo!などのポータルサイトを覗きに行くようなことも可能とのことだ。また,オープンスペース内でテレビ番組を視聴できるようにするといった構想もあるらしく,公開されたムービーではオープンスペース内のスクリーンにソフトバンクホークスの映像が映し出されていた。
 今後は,さまざまな要望を受け入れながら,オープンスペース自体の拡張を続けていくそうで,「この世界は半永久的に完成しないんじゃないか」とのことである。

 なお,このオープンスペースは,プレイヤーに対して基本的に無料で開放される予定。ロビー内の看板でYahoo!BBのCM(動画)が流れているのも確認できたのだが,こういったインゲーム広告を活用することで収益を上げ,それ以外の部分でプレイヤーにかかる金銭的な負担を軽くしようという狙いがあるのかもしれない。



■ゴルフの本質,楽しさを凝縮した「ゴルフだいすき!」

 そして,このオープンスペースから飛び込める第一弾タイトルが,ゴルフだいすき!というわけだ。

 画面の構成は,従来のゴルフゲームを踏襲したオーソドックスなもの。プレイヤーキャラクターが右側を向いて構え,それを手前から画面を通して眺める形だ。ここで,マウスホイールを回してクラブを選択したり,狙う位置や方向を,風向きや地形などを検討しながら決定し,ボールを打つ操作をすることになる。
 操作方法もまた,非常にオーソドックスなゴルフゲームのものが採用されている。プレイヤーの腕前に応じてショット時のマウスクリック回数を減らせる(オートは2回,マニュアルは3回で,マニュアルの場合はバックスピンなどをかけられる)あたりは,キャメロットがゲームキューブ向けに開発した「マリオゴルフ ファミリーツアー」に近いようだ(マウスのみ,およびキーボードのみでの操作に対応)。
 PCならではの機能としては,マルチウィンドウ表示に対応し,コースマップなどを一度に確認できたり,メインウィンドウを自在に拡大/縮小できたりといったものが,特筆すべきところだろう。細かい部分ではあるが,一度慣れたら,これらに対応していないゴルフゲームには戻れなくなりそうな要素である。
 もちろん,オンラインゴルフゲームならではのチャット機能(本作では「トーク」と呼ぶ)も搭載されている。いかにも日本のメーカーらしい,細部までていねいに作られた作品であることが触っただけで分かる,そんなゴルフゲームになっていた。
 関係者に聞いてみたところ,グラフィックチップは「相当弱い製品」でも動くようにするとのこと。グラフィック系の弱いモバイル系のノートPCでも動くようにするとも言っていたので,もしそれが本当なら,事実上「ほぼたいがいのPCユーザー」が遊べるゲームになりそうだ。
 なお本日,プレス関係者には「I LOVE GOLF!」のロゴ入り「振動マウス」(HORI製)のプロトタイプが配られた。これは,ボールの挙動やゲーム内の状況に応じ,マウス自体が振動するというもの。2001年ごろに,同様の製品が市販されていたこともあるようだが,最近ではとんと見かけなくなっている。ELEVEN-UPでは,プレス関係者からのフィードバックを得つつ,正式サービス時にはノートPCユーザーなどが遊びやすいよう,クライアントを収録したディスクと,このマウスをセットにしたパッケージを販売するようなことも,検討していくようだ。



 発表会では,本作の広告キャラクターを務める2005年度好感度No.1女優の上戸 彩さんと,ELEVEN-UPの片山社長がデモプレイを披露。
 そのとき,上戸さんのキャディ役を買って出たキャメロットの高橋秀五副社長は本作について,「実際のゴルフをしない人も,ゴルフが好きになっちゃうゲーム。それが『ゴルフだいすき!』の意味なんです。僕らのゲームは,初代みんなのGOLFやマリオゴルフシリーズ,マリオテニスシリーズなどで,それぞれのジャンルのパイオニアという評価を受けてきています。これは,スポーツのルールや手順を模倣しただけでなく,本質を見極めて楽しさを凝縮し,ゲームとして構築しているからです」と語っていた。

 なお,ゴルフだいすき!では,数多くのミニゲームが用意される予定で,ミニゲームの類は無料でプレイできるようになるとのこと。ゴルフ本編に関しては有料となる見込みだが,「携帯アプリぐらいの低価格」を目指して調整中であるそうだ。



■Gプラネット第二弾タイトルは……テニス?

 Gプラネット構想は,広く世界に目を向ければ,似たようなものがないわけではない(あくまで似たようなもの,だが)。が,コンシューマ機で見事な実績を持つキャメロットが,PCオンラインゲームの開発に専念するというのは,かなり思い切った挑戦といえるだろう。
 ちなみに質疑応答でGプラネット構想第二弾タイトルについての質問が飛んだとき,ELEVEN-UPの片山社長は「今日は発表を控えさせていただきますが,もちろん考えています」と答えていたが,キャメロットの高橋秀五副社長は「今日,上戸 彩さんに会いまして,上戸 彩さんといえば『エースをねらえ!』ということもありますので,テニスもいいかなぁ」と発言。今後の展開は,第一弾タイトルであるゴルフだいすき!の成果にかかっているのだろうが,マリオテニスシリーズでも有名なキャメロットだけに,あながち冗談ではないようにも思える(「『アタックNo.1』ということでバレーボールを」「『アテンションプリーズ』ということでスチュワーデスものを」「『下北サンデーズ』ということで小劇団ものを」ではなかったわけだし)。
 テニスゲームについて触れたところで追記しておくと,「マリオテニス」がワールドワイドで300万本の売り上げを記録したとき,ニンテンドー・オブ・アメリカの関係者から,キャメロットの高橋宏之社長は「キャメロットはコロンブスである」と評価されたことがあるそうだ。当時,アメリカでは1万本以上売れたテニスゲームが存在しなかったそうで,キャメロットが新たな大地(新たな市場)を発見したことになぞらえてのものだという。
 そして高橋宏之社長は今回,コンシューマゲームの分野では一定のポジションを築き上げたキャメロットが,今あらためてPCオンラインゲーム/オンラインエンターテインメントという未開の大海原に,マリオテニス以上に大きな大陸を求めて旅立つと語っていた。
 これほどまでの覚悟の上に生まれた,ゴルフだいすき!は,9月22日(金)〜24日(日)の東京ゲームショウ2006に,プレイアブル出展される予定。その真価を判断するために,会場に足を運ぶつもりの人は,巡回ルートに加えておいてほしい。(Text by TeT / Photo by kiki)

会場で上映されたビデオメッセージ
●左:久保田利伸さん
「Gプラネット,ご覧いただきましたか?
僕も初めて見まして,説明もいただきまして,びっくりしましたね。すっごくクリエイティブです。すっごく新しいです。なのに,手触りがすっごく柔らかいです。本当にびっくりしました。誰もがパソコンやインターネットで見た夢。それがもうすぐ現実になります。僕もワクワクします。こんな素敵な世界を,僕も自分の音楽,歌で応援します。もちろん僕も,ゴルフだいすき!」

●中:ヤフー 喜多埜裕明取締役最高執行責任者
「今回のサービス,とっても楽しそうですね。Yahoo!ゲームのほうも一緒に協力してやっていきたいと思っていますので,よろしくお願いします。ゴルフだいすき!」

●右:ソフトバンク 孫 正義代表取締役社長
(体験プレイ後)
「『ゴルフだいすき!』は,もう最高だね。Gプラネット,めっちゃくちゃ楽しいから応援してます。ゴルフから広がって,釣りから何から全部できるとね,こんな楽しいことはないね。ゴルフだいすき! Gプラネットだいすき! キャメロットだいすき! 楽しみに待ってます。よろしくお願いします」
  • 関連タイトル:

    ゴルフだいすき!〜I LOVE GOLF!〜

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