AMDがRadeon HD 2900 Proの仕様を変更。メモリバス512bitで10月中旬発売

　「ATI Radeon HD 2900 Pro」のハードウェアスペックを，AMDが土壇場で変更したことが明らかになった。
　ATI Radeon HD 2900 Proに関しては，2007年8月13日の記事で「メモリバスは256bitインタフェースになる」というAMD関係者の証言をお伝えしているが，AMDから「AIBパートナー」（AIB：Add In Board）と呼ばれる主要カードメーカー各社へ渡った最終仕様では，上位モデル「ATI Radeon HD 2900 XT」と同じ512bitとなった。土壇場でスペックが変更されたようで，その影響か，9月の店頭販売開始予定が，10月中旬へと延期されている。

　最終仕様とされるスペックは以下のとおりだ。

●ATI Radeon HD 2900 Pro，グラフィックスメモリ512MBモデル

• Streaming Processing Unit数：320基
• メモリバス：512bit（リングバス）
• グラフィックスメモリ容量：512MB（GDDR3）
• コアクロック：600MHz
• メモリクロック：1.6GHz相当（実クロック800MHz）
• 消費電力：150W以下
• 想定価格：249ドル

●ATI Radeon HD 2900 Pro，グラフィックスメモリ1GBモデル

• Streaming Processing Unit数：320基
• メモリバス：512bit（リングバス）
• グラフィックスメモリ容量：1GB（GDDR4）
• コアクロック：600MHz
• メモリクロック：1.6GHz相当（実クロック800MHz）
• 消費電力：150W以下
• 想定価格：299ドル

　ATI Radeon HD 2900 Proが256bitメモリバスを採用するのは，カードの消費電力を150Wに収めるためとAMDは説明していたが，最終的には512bitリングバスでも，150W以下は達成できたということなのだろう。
　実際，最終仕様に8ピンの外部電源コネクタ採用を臭わせる文言はなく，「Single power connector」とだけ書かれているので，一般的なPCI Express用6ピンコネクタを採用している可能性が高そうだ。

　なお，このほか共通する仕様としては「New B002 Board Design」という9.5インチ長のカードデザインを採用すること――グラフィックスメモリ1GBモデルには12インチ長のデザインもあるようで，このあたりはよく分からないが――や，「ATI Radeon HD 2900 XT」リファレンスカードと同じもののように見える，2スロット仕様GPUクーラーの採用が挙げられる。

2007年9月20日時点でエーオープンジャパンのWebサイトに掲載されているXIAi 29P-WDC512Xだが，製品イメージは電源コネクタは8＋6ピン構成となっているATI Radeon HD 2900 XTのものが用いられているので要注意

　なお，ATI Radeon HD 2900 Pro搭載GPUカードは，AOpenが「XIAi 29P-WDC512X」として発表しているが，当然のことながら，メモリバスインタフェースは512bitと書かれている。また，ATI Radeon HD 2900 Proに遅れて10月下旬に搭載カードが発売となる見込みの「ATI Radeon HD 2900 GT」は，メモリバスインタフェース256bitで変わっていないことを付記しておきたい。