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Access Accepted第812回:海外ゲーム通ならプレイしておくべき2024年のタイトル10選
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印刷2024/12/23 08:15

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Access Accepted第812回:海外ゲーム通ならプレイしておくべき2024年のタイトル10選

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 当連載の年内更新は今回で最後だ。出張が多く,月に2回はどこかに行っていたというような,50代の筆者にとってはキツい年となったが,そんなことはさておき,この1年を振り返っておこう。The Game Awards 2024では「アストロボット」がGOTYなどに輝き,全体的に日本勢が非常に奮闘したと1年だったのではないだろうか。



2024年のゲーム市場は成長するも業界は縮小傾向か


 リサーチ会社Newzooのレポートによると,2024年のグローバルゲーム市場は1877億ドル(約28.2兆円)と,前年比で2.1%成長した。その約49%がモバイルゲームであり,28%をコンシューマ機向けゲーム,そしてオンラインゲームのライブサービス化が大きいPCゲームが23%となっている。世界全体のゲーマー数は昨年よりも4.5%増加し,34億200万人ほどもいるという。この穏やかな上昇傾向は今後も数年は続くという予想だ。

 今年はイベント取材,例えばSummer Game Fest: Play Days 2024やgamescom 2024,そして東京ゲームショウ2024に参加しており,良い作品が多く活気に溢れている印象を持った。しかし,ビデオゲーム業界におけるリストラのニュースはあとを絶たず,数百人規模で人員削減を行う大手や,廃業となるスタジオも多かった。2023年には公表されただけで1万1000人だった解雇者は2024年は1万5000人ほどと発表されている。その2万6000人のうちどれだけの人が新たな就職先を業界内に見つけたり,独立したりしたのだろうか。

「ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者」もゲームとしては素晴らしくこれから進めていくのが楽しみではあるが,シリーズのリードライターであったデイビッド・ゲイダー(David Gaider)氏の抜けた穴は大きいように思える
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 個人的なことで言うと,晩春あたりから秋にかけては月に2回は国際便に乗っているというような,以前になかったハードスケジュールが続いた。E3のように無数のゲームが展示される集合的なイベントではなく,単体で新作を紹介することによって話題を高めるという昨今のトレンドが,さらに進行している証拠でもあるだろう。
 好奇心からか,気になる新作であったり,行ったことのない場所で行われるイベントであったりすれば,ホイホイと参加してしまう筆者の性分によるところも大きいが,おかげで坐骨神経痛と診断されてしまったのがツラい。

 出張が多かったため,ゲームで遊ぶ時間を捻出するのに苦労した1年でもあった。とはいえ年末の恒例として「海外ゲーム通ならプレイしておくべき」タイトルを,筆者の独断で10作選んでみたので紹介しておきたい。

 いつものように,その選考基準はあくまでも“筆者の独断”であって,販売本数やMetacriticでの評価基準は重視していない。「ゲーム市場のトレンドに沿った作品」や「今後の市場に影響するような,一石を投じた作品」といった,当連載ならではの視点で選出している。なお,筆者が十分にプレイできなかったゲームは対象に含めていない。したがって世間的な評価とは食い違う部分もあるだろうが,その点はご了承いただきたい。


Call of Duty: Black Ops 6

開発元:Treyarch
発売元:Activision Publishing

 毎年リリースされるようなフランチャイズ作品は,ゲームプレイがマンネリ化するため,人気を落としていく傾向にある。マルチプレイFPSのスタンダードを作り出したとされるコール オブ デューティシリーズだが,2019年にIW8.0エンジンへと一新された「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」で絶賛された以降は,時代遅れのトレンドを追いかけているだけのシリーズと批判されてきた。

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 IW9.0エンジンに完全移行した「Call of Duty: Black Ops 6」PC / PS5 / Xbox Series X|S /PS4 /Xbox One)が成功した最大の理由は,より流動的なキャラクターコントロールを実現したことだろう。これによってあらゆる方向にダッシュやダイブ,スライドできるようになり,プレイヤーの瞬間的な判断で移動して敵を欺いたり,後方ダイブでスペースを作って隙を生んだりできるようになった。

 プログレッションシステムの追加要素も新鮮で,ゾンビモードは個体数が増えて戦法も複雑化したことが功を奏したといえる。開発チームの冒険心を評価したい。


Still Wakes the Deep

開発元:The Chinese Room
発売元:Secret Mode

 “勝てない敵から逃げ惑う”スタイルのサイコロジカルホラーで成功を収めてきたThe Chinese Roomが手がけた「Still Wakes the Deep」PC / PS5 / Xbox Series X|S)は,1975年のスコットランド沖に浮かぶ海底油田掘削施設の崩壊で孤立してしまった作業員たちが,逃げる場所も救助を要請する連絡手段もない状況で,海底に蠢く恐怖と戦うという1人称視点型のホラーゲームだ。ヘッドセットをつけてプレイすると,金属の床に反響する足音や,ギシギシと唸る歪みの音が恐怖感を煽る。

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 本作を今年の10作に選ぶほど興味深いと思ったのは,本作の日本語テキストが,長崎弁で表記されているということだ。翻訳担当者が北九州の出身者で,イングランドに対するスコットランドの対比として,標準語表記にしなかったというのは大英断と言えるだろう。

 とはいえ,南方の(少なくとも陽気そうな)言葉遣いは,スコットランドの雰囲気にあっていたのだろうか? 「死にとうない,死にとうない」という断末魔の叫びに違和感を覚え,筆者はストーリーをすんなりと飲み込めなかった。


Lorelei and the Laser Eyes

開発元:Simogo
発売元:Annapurna Interactive

 「Lorelei and the Laser Eyes」(PC / PS5 / Switch / PS4)は,イタリアのシラクサにあるゴシック調の古ぼけたホテルに,サングラスをかけた女性“ローレライ”が呼び出されることから始まるパズルアドベンチャーだ。彼女を“シニョリーナ”と呼ぶホストのアーティストは,革命的なプロジェクトを完成させるために彼女の協力が必要だと話すが,プレイヤーは自分が何者なのか,この古いホテルで何が起こり,ほかの客は誰なのかを調べていく。

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 迷路のような建物の中には多種多様なパズルがあり,それを解き明かすためのヒントはポスターやメモ,電話でのやり取りなどに巧みに隠されており,プレイヤーはそうした数字などを書き写しながら,ゲームを進めていくことになる。本作は,ゲーム冒頭で「紙とペンを用意して」と言ってくるのだ。

 デヴィッド・リンチ風の世界観と,「killer7」を連想させるローポリながらもスタイリッシュなグラフィックスも光るが,このホテルを相続してきた一族の歴史を表す日付けがさまざまな場所で登場し,自分がどの時代にいるのか分からないのに歴史は複雑に折り重なり,1つのストーリーを作り出していく。インタラクティブメディアにおけるナラティブデザインの妙を感じるSimogoらしい秀逸な一作だ。


ANIMAL WELL

開発元:Billy Basso
発売元:Bigmode

 「ANIMAL WELL」PC / PS5 / Xbox Series X|S / Switch)は,ピクセルアートが美しい不思議なメトロイドヴァニアだ。ゲーム内には世界観を説明する要素はほとんどなく,プレイヤーが操作するスライムのような形状の主人公も戦闘能力がないキュートな存在だ。ソロデベロッパのビリー・バッソ氏が7年もかけて作り上げたアートスタイルが独特で,洞窟の中をダイナミックライティングによって,ぼうっと照らす夜行性の植物が幻想的だ。キャラクターが通り抜けると1本1本の草が揺れ動くなど表現が細かい。

 4つの環境に大別されたミステリアスな地下世界は,少なくとも1つのパズルが用意された250種ものステージで構成されている。いくつかのプラットフォームの移動はトライ&エラーによる練習が必要になるが,それほど難度の高いゲームというわけではない。だからといってプレイヤーに緊張感を与えないわけではなく,パズルの答えを見いだしときの達成感や,巨大な幽霊を追いやったり上手くすり抜けたりした際の喜びは大きかった。

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インディ・ジョーンズ/大いなる円環

開発元:MachineGames 
発売元:Bethesda Softworks

 ゲームグラフィックスの進化によるビジュアル的同一性が実現したのか,ここのところゲームIPをベースにした映画やドラマが高く評価されたり,あるいは映画のIPをゲーム化して絶賛される作品も増えてきたりした。その走りとも言えるのが,今から20年前にリリースされた「The Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bay」だったのではないだろうか。
 そんな映画をもとにしたゲームの最新作が「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」PC / PS5 / Xbox Series X|S)だ。本作はMachineGamesがウルフェンシュタインシリーズで磨き上げた爽快系シューティングアクションの開発スキルを存分に生かして作り上げている。

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 御年82歳のハリソン・フォードさんに変わって抜擢された,声優トロイ・ベーカーさんの演技がとにかく見事で,ときおりゲーム中に挿入されるカットシーンも映画とのつながりを感じるような演出になっている。

 筆者が懸念していた,考古学者らしからぬ銃器アクションへの傾倒もそれほどではなく,鞭を駆使して戦ったりパズルを解き明かしたりし,じっくりと探索できるゲーム的要素も違和感はない。昨今のハリウッドでは,過去の人気IPを復活させて低評価を受けるケースが目立ち,それは今年公開された「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」もそうだったが,「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」は,ゲームがIPのレガシーを担うだけのエンターテイメントであることを改めて証明したのではないだろうか。


黒神話:悟空

開発元:Game Science
発売元:Game Science

 かつてロシアの文豪が「世界に訴えかけたければ,自分の村について語りなさい」と語ったが,「黒神話:悟空」(PC / PS5)は中国の開発チームが中国市場を見据えて開発していたものが,世界にバレてしまったような作品なのかもしれない。
 日本人も良く知る孫悟空に絡む世界観ではあるものの,中国人の多くが知る数々の国内ドラマ化作品や,まことしやかに囁かれる都市伝説がからんだストーリーは,我々には少し把握しづらい。それでも,「黒神話:悟空」は単なるメインストリームへの量産型追随ではなく,“自分の村”にこだわって作り続けられたからこそ,中国国外のゲーマーにもアピールできたのだろう。

 如意棒を手に戦う主人公が孫悟空ではなく,悟空の命を受けて立ち上がった花果山に住むサルであるというオープニングからビックリさせられたが,そのゲームプレイは回避や法術を繰り出すタイミングなどシビアなアクションとなっていて,“ソウルライク寄りなゴッド・オブ・ウォー”といったところだろうか。とにかくUnreal Engineによる質感のある幻想的な世界が,美形キャラクターばかりが描かれるありきたりな作品とは違う。まるで中国神話の中に飛び込んだような稀有な感情を引き立ててくれる体験となった。

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Satisfactory

開発元:Coffee Stain Studios
発売元:Coffee Stain Publishing

 このところ,シミュレーションゲーマーの間で評判がいいのが「自動化工場」(Automated Factory)と呼ばれる,資源の獲得から生産,そして運搬までを自動化させた巨大な工場を作り上げるというマネージメントにサバイバル要素を加えたジャンルのゲームだ。

 2013年にアーリーアクセスが行われ,2020年に正式発売となった「Factorio」がその道を切り開いたといえるが,その年に始まった4年のアーリーアクセスを経て今年ようやく正式ローンチとなった「Satisfactory」は,3D化させたことで1つのマイルストーンを築き上げた。

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 未開拓の惑星にその身1つで送り込まれた主人公が,作業場や鉄鉱石採掘場を建設するところから始まり,数時間もするとベルトコンベアでつながれた全自動工場ができあがる
 まさにスパゲッティのような輸送経路や複層構造で重なり合う施設は三次元ならではで,下から見ても海岸線のハイウェイから工業地帯を眺めているようだし,ジェットパックで上から見渡せば,どんなに不格好でも自分が作り上げてきた無人の都市を誇らしく思えるはずだ。

 1人称視点というコワモテな雰囲気とは裏腹に,資源が枯渇することもなく,エイリアンも現れないし器物破損もない。取り壊しても資材が戻ってくるなど,プレイヤーはとことん自由な生産ライン作りを楽しめる


Mouthwashing

開発元:Wrong Organ
発売元:CRITICAL REFLEX

 操作感ではなく,判断や選択という意味で「2024年の最も難しいゲーム」を選ぶとすれば,サイコロジカルホラー「Mouthwashing」を筆者はあげたい。

 巨大な宇宙船が銀河の果ての暗やみで墜落し,半年後には電力が,それよりも早く食料や医療品が尽きてしまうとされる中,無駄に搭載された何トンものエタノール入りマウスウォッシュに囲まれた状態で,もはや来ることもない救助を待つ,ジミー,カーリー船長,スウォンジー,アーニャ,ダイスケという5人の乗組員たちが徐々に狂っていく様子が描かれている。

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 冒頭からジャンプスケアが盛り込まれていたりするため,ホラーゲームのような雰囲気も持つが,実際には極限のコンディションに置かれた人間の精神の衰退を超現実的に描かれたストーリーで,物語そのものは墜落前と墜落後を行き来し,時系列が複雑に絡み合いながら交差して進んでいく。

 空腹や虚無感を満たすため,マウスウォッシュの過剰摂取によって幻覚や異常行動を行う乗組員たちの妄想に反応し,宇宙船内部も変異しているようで,不協和音をがなり立てるサウンドトラックも不気味で陰湿だ。シュールなローポリグラフィックスも光る「Mouthwashing」は,数時間のゲームプレイでも必ずプレイヤーを満足させる1作だ。


S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl

開発元:GSC Game World
発売元:GSC Game World

 2007年にリリースされてカルト的なヒットを記録したオープンワールドFPSシリーズの最新作となる「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」(PC / Xbox Series X|S)が,開発チームの離散や資金繰りの悪化,度重なる延期など紆余曲折を経て,ようやくリリースされることになったが,期待通りの仕上がりに多くのファンは満足したのではないだろうか。

 2006年に発生した第二次チェルノブイリ(ウクライナ語ではチョルノービリ)原子力発電所の事故により,さらに狂暴なミュータントと恐ろしいアノマリーに溢れ,一攫千金を狙った派閥争いが激化する世界は,Unreal Engineで美しく描かれている。さらに「A-life 2.0」システムによってNPCやクリーチャーなど,すべての生物がシミュレートされているのも大きな特徴となる。

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 だが,現時点ではゲームバランスは良いとはいえない。ポルタ―ガイストやブラッドサッカーなど,シリーズでは中ボスレベルの敵が多く,攻めあぐねていると武器が動作不良を起こしたり,リソースが中盤にあまってしまうことでサバイバル感が失われたりする。

 それでも武器のハンドリングやMOD装着のインパクトなどウェポンシステムは良く,かなり洗練されたストーリーが楽しめる。おそらく今後,アップデートが繰り返されて,前作のように長く愛されるような作品に成長していくだろう。


Frostpunk 2

開発元:11 bit studios
発売元:11 bit studios

 かつて11 bit studiosの開発者は筆者に「This War of Mineは極限に生きる個人のストーリーであり,Frostpunkはコミュニティのゲームで,同じゲームは作らない」と話したことがあった。そんな彼らが贈る「Frostpunk 2」は,ゲームシステムのコア部分を継承しているが,単なる続編ではない。大氷河時代を生き延びたコミュニティは“社会”へと発展し,別のゲームになっている。

 もちろん,自然災害は相変わらず脅威だし,発生すれば“フロストランド”すべてをシャットダウンされることになるので,サプライチェーン(物資の供給網)が一時的に停止し,しばらく正常に機能しなくなる。
 何かの歯車が狂って街の火と暖房が供給されなくなると一気に数百人レベルで死者が増えて悪循環が始まるので,とにかく資源や物資は常に過剰に生産しておくよう努めなければならない。

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 設定は前作から30年後,新たに油田資源を見つけたことで技術革命も起こり,襲い掛かる寒波も制御可能にも思えるが,人々は自分たちの私利私欲により複数の派閥を作り上げており,プレイヤーはその間を取り持つ執事として議会を取りまとめていく。

 つまり,前作のように自分の意志で町の未来を直接的に決め,生き延びるためにマイクロマネジメントをしていくのではない。時として議会の判断はプレイヤーが考えるものとは違った結果となり,それに従って社会を上手く回していくための舵取りを行っていくのだ。ゲームコンセプトを根本的に入れ替えた続編,いや2というナンバリングを配した“新作”なのである


最強の武術家(Karate Survivor)

開発元:Alawar
発売元:Alawar

 2021年末に登場して大人気となった「Vampire Survivor」以降,クローンといわれるゲームはいくつもリリースされてきたが,Alawarが発売した「最強の武術家」は一味違う。1980年代のカンフーアクション映画を思わせる設定で取っつきやすく,四方から押し寄せてくる暴漢たちをひたすらになぎ倒していくのだ。レベルアップするごとにランダムに提示されるカードを1つ選び,自分の技を強化していく。

 「最強の武術家」が面白いのは,この基本メカニックに「コンボ技」が加わることだろう。自動的にアクションが繰り出されるとは言え,カンフーマスターとなるべく奮闘する主人公は,ゲーム開始直後のスキルは貧弱だ。そこに,パンチやキックを組み合わせて複雑な攻撃にしていく。各スキルには番号があり,同系統の連番にしたほうが簡単に攻略できるのだが,あえて自由に組み合わせながら目標を達成させても面白い。

 そこら中に散らばる瓶を投げ,モップやバットを振り回し,サッカーボールやゴミ箱を蹴りつけ,さらにはカウンターの上を転がり抜けたかと思うと開けた冷蔵庫の扉で相手をノックアウトするといった,カンフー映画ファンなら誰でも楽しめそうなアクションが満載だ。

長旅が多い筆者はSteam Deckが欠かせない。そしてそのお供になったのが「Karate Survivor」だ。いわゆる“ヴァンサバ系”のゲームで,パンチやキックなどのコンボを連結させてカンフーマスターとして無双していく
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著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。


※次回の掲載は2025年1月13日を予定しています
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